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【白井未衣子とロボットの日常】8・業火の日《12》

※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。


『大丈夫か、お前達。』
「王子、サレンさん。」
『雑魚は片付いたわ。あとはマルロ本人だけよ。』
サレンさんは自身ありげに言った。
マルロの仲間って、数が多かったと思うけどなぁ。

『[スイルシルバー]は私達の弓矢で大爆発したわ。汎用船程度じゃ、簡単に潰せるわ。』
ヒスロ戦だったかな。
あの時の【ホーンフレア5th】は凄かったな。
ジャンプを駆使した槍攻撃ももちろん。
【ホーンフレア5th】が駆けつけてくれて、私達は安心した。

『マルロ・ヒーストンは仕留めたか?』
『おそらく、もう一度這い上がるとは想定してます。』
和希兄ちゃんが答えた。
『不安だが…お前達の作戦にどうこう言わん。思い切ってやれ。』
『アイツを逃したら地球の終わりだと、覚悟したらいいんだな。』
『その通りだ。支援が必要なら行動するが、どうする?』
「そうですね…ん?」

私は仮想空間が解除された北極を見た。
マルロをぶつけた衝撃で割れた氷があった。
氷は粉々になり、海中への入口ができた。
氷の割れ目は時に、海中からの出口にもなる。
実際、【チタン・キュレン】がザバーンと波が広がるように、勢いよく這い上がってきたからだ。

『ククク、よくも俺をかき回してくれたな。その両目を二度と開けられないようにしてやるよ、クソガキ共。』

『マルロ!』
「大丈夫です。もう講じてありますから。」
【パスティーユ・フラワー】は【ホーンフレア5th】の腕を掴んだ。
王子達には回線で漏れる恐れがあったので、[ラストコア]のAI達と共に他の敵の相手を頼んでもらっていた。

だから、これから起こす私達の一手を知らなかった。
『人工物で誤魔化して、俺の心を蝕もうとした。だがもうこれで、俺は怯える必要がない!なぜなら、真下の北極海は俺の味方だからだ!
俺は無敵だ!来るなら…ん?』

【チタン・キュレン】は北極の上空に止まっていた状態だった。
マルロは口上を垂れているうちに、周りの異変に気づいた。
『何だ?全身に熱を感じる…!』
マルロがこぼした一言。
そうだよ。だってちょうどあなたのいる地点の四方から、炎が発射されているから。

キョロキョロ辺りを見渡すマルロだから、炎を識別した時回避行動をとった。
『下だと落ちてくるだろう…上だ!』
【チタン・キュレン】は上昇した。

残念。火炎放射器は4台だけではないわ。
あっさりと【チタン・キュレン】の頭部は焼かれた。
1発目の台の上に滞空している火炎放射器によって。

『ああああああ!?』

とうとうマルロが悲鳴をあげた。
頭部を焼いた炎は瞬く間に全身へと燃え移った。
HRは耐熱性抜群のはずだけどなぁ。

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