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【白井未衣子とロボットの日常《反転》】1・捕囚の日《25》

※先に《共闘》ルートの『1・正夢の日』『2・復讐の日』を読む事をオススメします。
※予告なく変更のおそれがあります。
※設定上、残酷な描写があります。

誰もが彼を侮蔑し、お返しとして嘲笑う者達を蹴散らした。
唯一の彼の持ち味である『叫び声』で。
自分を出迎えてくれる機会なんてなかった。
だからエストには、黒づくしの【ブラッドガンナー】が、輝いて見えていた。


あの手を握ってみたい…と思った矢先に、新手の策が仕掛けられた。
新手かと悟ったのは武人の方だ。
【ブラッドガンナー】の全身に、白い糸が張り巡らされていた。
大地にはHR1体がすっぽり収まる円が刻まれていた。
円から白く光る糸が、植物のツルのようにグングン伸びていった。

『こ、こいつは…!』
武人はこの罠について、見識があった。
刻まれた円も、全身を絡め取った糸も、白く光る。
技の発動から今までが、魔法の罠かと疑ってしまうくらいに。
『やっぱ誰か、おるんやな!こんな手の込んだ攻撃すんの、マルロか!』
武人はもう遅いと頭で理解していても、罠の仕掛け人の正体を見破っていた。

エストはただ見つめるだけだ。それどころか、突然笑い出した。
『ハ、ハッハッハッ!
僕が甘かったんだな!逃亡者のお前にホイホイついて行こうと、一瞬考えたじゃないか!』

【ブラッドガンナー】のカメラアイは、両手の肘を下に曲げた【ティア・ルーチン】の姿を捉えた。
痺れの影響で、武人は動けなかった。

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明日もお楽しみに!

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