【白井未衣子とロボットの日常】1・正夢の日 《8》 カレーポーク 2023年7月19日 12:28 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。敵のロボに対抗する術がなかった私達は、逃げている間に攻撃を受けた。幾多の爆発が、私達を吹き飛ばす。愛嬌市一の広大さを誇る吉川公園は、残骸と穴が広がるばかり。避難所の指定がされている地下鉄の入口は、すぐそこなのに…。「未衣子…大丈夫か?」「私は大丈夫…。」「怪我をしているぞ!」和希兄ちゃんは私の腕にかすり傷があるのを見つけたようだ。でも、手当をするのは、あの敵から逃げ切ってから…。『ガキの癖に、しぶといなあ?』敵のロボは元気が有り余っていて、私達をからかう。『3人仲良く、あっちへ行きな!』敵のロボは吠えると、手持ちの大きなライフルを私達に向けた。人間とロボ。ロボに比べたら小柄な私達は、ライフルの火力を浴びれば一発だ。今でも生きているだけで奇跡だ。兄妹3人固まって耐えると、別の爆発音が聞こえた。『うおっ!?』敵のロボが思わず声をあげ、少し身体のバランスを崩した。ロボの右の肩部に火の弾が当たったらしい。ロボは肩部を左手でおさえた。その隙に移動したのか、一人の男が私達の目の前に現れた。男は両手を広げ、私達を迎えた。私は男を見た。助けてくれる人物を見ただけなのに。何年も似たような内容しか見れない夢を、思い出していた。目の前の救助者と、夢の中で戦う男の人に、親近感を覚えた。私は証拠のない確信をしていた。(そうだ、この人だ。)「大丈夫か?」男の人の声で、私は彼のお腹に抱きついた。2人の兄も腕を掴んでいる。「未衣子?」勇希兄ちゃんは不思議に思ったかもしれない。初めて出会った男の人に抱きつくなど、普通はあり得ないのだから。『クソっ!奴に出会ったら考えが台無しになるじゃねぇか!』男の人の背後で、敵のロボが嘆いていた。だけど、ライフルの銃口はまだこちらに向けられている。まだやる気はあるらしい。『丁度いい、今のうちにまとめて落としてやるよ!』「おおっと、それはちょっと待ちな。」『ヒィッ!?』男の人がそれだけ言ったのに、敵のロボは大げさに反応した。やけにビビりすぎる。夢の中の通りだと、やっぱり彼は強いんだ。私は男の人から離れないまま、そう思っていた。「ここより西にな?青い海が広がってるとこあんねんけどな?」西の青い海…愛嬌湾の事かしら?『海!?』「先に行ってくれへんかなぁ?30分経っても来えへんかったら、お前の好きにしてええから。」決着はそこでつけようや。男の人はロボ相手に余裕を見せていた。『チィ、わかったよ!テメェ覚えとけよ!』敵のロボはジャンプしてそのまま愛嬌湾の方角へ飛行した。「さてと。」男の人は一時逸らしていた視線を私達に向けた。周りに集う私達にこう言ったのだ。「お前ら、一緒にくるか?」 ダウンロード copy #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート