【白井未衣子とロボットの日常】10・誓約の日《5》 1 カレーポーク 2023年10月30日 19:05 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。[レッド研究所]のクーランは頭を抱えていた。自分の部屋に1歩も出ずに、ある現状に悩まされていた。『強力なHRの不足』だった。まず、『自慢の息子』のラルクは研究所内どころか、火星圏タレスにもいない。彼は地球に潜んでいるからだ。次に、雇ったHR達の欠員。エスト、ヒスロ、ニシア、マルロの4名は既に倒されていた。依頼を行った時に拳で回線を切られたトンケも、つい最近倒されてしまった。5名全員が、[ラストコア]との関わりを持っている。「あそこにはラルクがいるが、強大な組織には見えんがなぁ…。だが結果ははっきり出ているしなぁ。」以前からクーランは情報をこまめに入手していた。マルロの報告以外でも、彼は偵察用に衛星やHRを飛ばしていた。原始地球のロボの正体も、パイロットの素性もわかっているのだが…。「やっぱ博識な俺が出向かんとダメだなぁ。いくらリーダー格でも、HRは思考力が欠けているわ。」クーランがため息つきながら呟いていると、部屋の奥のモニター画面が切り替わった。『クーラン様!』金髪の顔の良い男性が、真っ直ぐ見つめていた。音声のボリュームのせいか、クーランの身体が微動に揺れた。「…ああ、金星の王子様ね…。」相手を確認すると、彼は平静を取り戻した。金星圏メイスの、ビウス・エクステラ。彼がクーランの通信相手になっていた。実は彼もHRであり、[宇宙犯罪者]に指定されている1人である。本人はプライドが高く、『犯罪者』のレッテルを張られる事を不服に思っているが。「何か用?」クーランはとりあえず、話だけ聞こうとした。『家来から聞きました!他のHRが全て倒されたと!』「あー、うん。俺のとこのはな。」『でしたら、是非我々をお使いくださいませ!』キラキラと笑顔で話すビウス。聞き手のクーランは頭を掻きながら、苦い表情をしていた。「いや、いいわ。ちょっと俺に考える時間をくれや。」クーランの応答に、ビウスが吠え出した。「何故です!?我々は準備万全なのですぞ!」「…お前ら、何にも調べてねぇのか?」クーランは首を左右に振って、ビウスの過剰さに呆れていた。「知っていますとも!地球には憎きラルクが生存しているのでしょう!地球人と手を組んで!」「じゃあ地球人の素性まで…いやこれはいい。地球産のロボは?あと地球に協力する宇宙人は?お前さんはどこまで、この情報を知っている?」『子供が操縦するロボでしょう!』「ガキが扱うから、地球産のロボの守りが堅いんだろう?」クーランの答えに、ビウスは口を閉じてしまった。 ダウンロード copy #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート