【白井未衣子とロボットの日常】8・業火の日《3》 1 カレーポーク 2023年9月3日 08:40 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。「和希兄ちゃん、マルロは追いかけてる?」『今は順調だ。異常がなければ、このまま諸島の火山帯に誘導してくれ。』「わかった!」私は【パスティーユ・フラワー】でマルロを攻撃、していない。私達には奇策があったからだ。奇策を実行する為に、私はあえて『逃げていた』。『エネルギーの消費には気をつけてくれ。放射攻撃で1割が減少だ。』『数多すぎるんだよ、あいつら。』「あとは王子達とAIで倒していくんだね?」『俺達はマルロだけ専念すれば良いって事だ。どうやら彼も、単騎で挑むつもりらしい。』「ほんとだ。」私はモニターの地図を少し確認した。1体だけ、群れから外れていった敵の赤い点があった。『予備のエネルギーの補充操作は完了しておく。このまま諸島まで加速してくれ。』『攻撃してこないか?』「弾を打ってきた時はうまくかわすわ。バリアだけは作動させて。」『了解だ。』和希兄ちゃんからの反論はなかった。☆☆☆『加速した?本気で逃げるのか?』マルロのHR形態【チタン・キュレン】も、【パスティーユ・フラワー】につられてスピードをあげた。【フラワー】側の攻撃は、今回はマルロに対して1度も仕掛けてこない。このまま逃げ延びるのを押し切るのか…?ここでマルロは疑問に思った。逃げる行為は、戦う意志がないと同等の考えでもある。戦意がなく、さらに意思疎通が不可能となれば、逃げる選択肢が生まれる。ところが、先程の【フラワー】の攻撃を見て、[ラストコア]に戦意損失の意図がなさそうだった。自分の仲間達を、容赦なくほぼ1撃で壊滅させたのだから。(何か、策を考えているな…?)【チタン・キュレン】の動作が止まった。マルロが一旦、思考を整理しようとして。HRは変身型なので、操縦席の概念が存在しない。周辺の地形の確認は、ほとんど頭部のカメラアイがメインだった。『周りは海だらけ。だが、もう少し遠くを見れば…。』【チタン・キュレン】のアイカメラは、視界を広げた。マルロは海以外の地形を発見した。『岩だらけの山々か。なぜあそこには、緑がないのか?もしや、火山か…?』その時、マルロの心臓にズキっと痛みを感じた。『う…、まさか、炎?』マルロは動揺してしまった。天王星圏スイルの民であったマルロは、種族柄水中でも暮らせる生物でもあった。海王星圏ミラニアのニシア・ぺディルドみたいに、海洋生物と密接した生物ではない。しかし、天王星圏の星々は基本、氷で覆われた冷水の中で生活してきた。はっきり言うと、マルロは海などの水中戦が楽だった。ところが【チタン・キュレン】の武装は、水中戦では弱体化するという矛盾が生じた。水中戦が得意ならば、水中に特化した武装も持つはず、だが。(俺達[ヒーストン]は幼少期から虐げられてきた。スイルの種族柄、小柄な体躯は他の族にとって格好の獲物だったんだ。星も幾度か移っている。)生物とロボットの禁忌の子供であるHRは、嫌われ者の存在。故郷のスイルでも拒まれて、帰ることができなかった。(だから、この星の海で静かに暮らしたい。地球人に海底の生活は無理だ。ならば、俺達の故郷にしてもいいだろう。)【チタン・キュレン】の方向は、岩山と逆向きへ変わった。 ダウンロード copy #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート