【白井未衣子とロボットの日常】14・忘却の日《11》 1 カレーポーク 2023年11月16日 20:35 ※予告なく変更のおそれがあります。※設定上、残酷な描写があります。眠気は一瞬で吹き飛んだ。ハッ、と声を出して目を開いたから。数秒で[ラストコア]の、俺にあてがわれた個室だと分かった。非常灯以外は電気を消していて、室内は暗かった。あの明るいだけの空間は…夢だったんだな。「夢か…。だったら兄ちゃんが生きてる可能性も…。」手の甲にちょっぴり濡れた感覚がした。左手だけ、顔に近づけて正体を確かめた。水滴と同じ透明の雫が落ちていた。俺は寝ていた時の汗か、夢で流した涙かの区別がついていなかった。起きてすぐに頭が回らない。そこで、モノに判断してもらった。ちょうど壁にモニターがあった。モニターは普段は海底の景色を眺める窓代わりか、作業の為のパソコン代わりに使われる。今は睡眠中だったから、電源を落としている。真っ暗だがモニターの液晶は鏡代わりになる。俺は今、自分の顔がどんな状態か確認した。涙がこぼれ落ちた、しんみりとした控えめの泣き顔じゃなかった。俺の泣き顔は酷かった。起き上がったから手の甲に落ちただけで、ベッドの中でグズグズ泣いていたのがまるわかりだった。目下に涙が溢れんばかりに溜まっているし、顔も赤みを帯びていた。俺はさっきまで見ていた夢に没頭し、儚さと切なさを感じて、泣いていたんだと気付かされた。「ひょっとして、あれは正夢なのかよ…。」モニターと顔を合わせていた俺の声だ。俺以外誰も居ない個室だから、問いかけに応じてくれる人はいなかった。当然ながら、はっきりとした答えは明確にされなかった。モニターを見つめるのはやめた。俯いて、腕を伏せて、俺は泣き続けた。 ダウンロード copy #つぶやき #妄想 #まとめ #創作1 #ミコロボ 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート