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ユリ子さん【オンライン・キャプション】

キャプションに書ききれない作品情報を解説するnoteです。

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ユリ子さん
サイズ:A4(210mm x 297mm)
マテリアル:プリントにアクリルマウント
2016年9月制作

手持ちの作品でもかなり古いやつ。絵の具ではなく、印刷です。

デジタル作品しか作成していなかった当時、たまたまPixivで展示会のお誘いをいただき、参加するために制作した作品です。展示会のテーマは「夢野久作」でした。

持ち込みで搬入した際、ギャラリーオーナーさんに「プリントかあ…」と露骨にガッカリされたのがかなりキツく、これをきっかけにアナログで作品制作しようというモチベーションを得ました。今思えば最初に頭を叩いてもらえてよかった。

この作品は、Illustratorでデータを作り、アクリルマウント(印刷した絵の上に透明のアクリル板、裏に不透明のアクリル板をそれぞれ接着する加工)という方法で装丁してます。

ユリ子さん is 誰

夢野久作の「少女地獄」という短編集に収録されている話の一つ、「何んでも無い」に出てくる姫草ユリ子というキャラクターが元ネタです。

ある日突然診療所に訪ねてきて看護婦として働かせてほしいと頼みこむ美しく気立ての良い少女……というのは彼女の表の面であり、実は重度の虚言癖の持ち主という二面性のあるキャラクターとして描かれています。

短編の中では、嘘に嘘を重ねることで立場が苦しくなっていく様子が描写され、読み進めながらいたたまれない気持ちになること請け合いです…

青空文庫で読めます

少女地獄は、ユリ子の出てくる「何んでも無い」他2点の「少女」を主人公とした短編で構成されています。

どれも登場人物に嫌~~~なパーソナリティの持ち主がおり、読んでいてなんとも憂鬱な気分になる短編ばかりです。面白いよ!

夢野久作モチーフの作品をもう一つ作ってます。詳細はこちらから。

絵の解説はマガジンにまとめていますので、興味がある方は他のnoteも見ていただけると嬉しいです!


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