ヒプノシスマイクキャラの名前について考察する その2

noteのダッシュボードという機能を知らず、なんなら本文の改行すら知らなかったんですが最近覚えました。
前回の考察、累計15,000viewを超えていて目を疑っています。ありがとうございます。
色々ある中ですが、新ディビジョン&その他登場人物の考察をしていきたいと思います。
2022/9/9:前回と合わせ、修正・追記しました。

【オオサカディビジョン】

1番手:白膠木簓/Tragic Comedy

「白膠木」は植物の名前。ウルシ科の落葉高木で、うるしほどではないが、かぶれることもあるらしい。紅葉が綺麗な木でもあるらしく、見た目とは裏腹にかぶれ(=毒)があるという意か。
葉にできるこぶは「五倍子・付子」と呼ばれ、タンニンの原料になる。
「簓」は複数の意味があり、竹を使った打楽器・掃除道具・ものが細かく割れる様(転じて、擦り切れる/役立たずの意味も)など。彼の境遇・過去を考えるとなんとなく「擦り切れたもの」なのかなーと思ってしまいますね。

MCネームは「悲喜劇」を指す。単なる喜劇ではないところが、彼の闇の部分を示しているような気がする。

2番手:躑躅森盧笙/WISDOM

「躑躅」は白膠木と同じく植物の名前。ツツジ科。偶然の一致かもしれないが、先が「5つ」に割れる花でもある。
また同じ漢字で「躊躇する・足踏みする」という意味を持つ。「足踏みする」がおそらく彼には相応しい。一歩踏み出した彼が楽しみですね。
「盧笙」って熟語は無いが、響きがよく似た言葉に「盧生の夢」というのがある。これは「邯鄲の夢」と同じで、人の世の儚さの例え話。
「盧」はおそらく植物のアシ。イネ科の多年草で、パスカルの有名な言葉「人間は考えるアシである」のアシ。
「笙」は雅楽で使われる管楽器。竹製で、「天の声」とも例えられる音色を出す。

MCネームは「賢さ・学問・知識・博識」。これをチョイスするあたり、実は誇り高い人間なんだろうなと思う。

この2人、苗字に「5」にまつわる植物が使われている・日本古来の楽器の名が使われていると共通点めちゃくちゃ多いですね。
コンビを組んでいて、そして「5番目のディビジョン」として登場したのも必然なのかもしれない。

3番手:天谷奴零/MC MasterMind

考察しようにも、明らかに偽名なんだよなあ……。
「天谷」という地名はあるが、「あまだに」と読むのでおそらく無関係。
「零」という漢字には数字の「0」以外に「零れる/欠け落ちる」という意味がある。おそらく後者の意味合いも含まれているのだろう。

MCネームは偉大な知能、あるいは首謀者/指導者。そこはかとなく、1984のビッグブラザーを連想させますね。

【ナゴヤディビジョン】

1番手:波羅夷空却/Evil Monk

「波羅夷」は仏教の中で最も重い罪を指す言葉。通常、淫(エッチなこと)・盗(盗み)・殺(殺人)・妄(悟りを得たと嘘を吐く)の4つを指す。ちなみに8条ある場合など、いくつかのパターンがある。
字は違いますが、「空劫」は仏教における世界の段階を表したもののうち、最後。
1「成劫」=自然界と生き物が出来る
2「住劫」=それが維持されて平穏な状態
3「壊劫」=自然界と生き物が次第に壊れていく
4「空劫」=壊されて何もなくなった状態
仏教的にめちゃくちゃ縁起の悪い名前してますね……。
「却」という漢字自体は「退ける/取り払う」という意味。なので「空劫」を「取り払う」という意なのかも。

MCネームはまんま「悪僧」ですね。仏教尽くし。

2番手:四十物十四/14th Moon

「四十物」はいくつか説があるが、魚の漬物。生ものと干されたものの間であることから「あいもの」、始終であることから「四十」(種類の数という説も)とされる。
「十四」はそのまま数字の14。月齢の14は満月。また、愛知には「十四山」という山が存在する。

MCネームは、前述したとおり月齢の14は満月なのでそれだろうか。

3番手:天国獄/Heaven&Hell

「天国」はキリスト教世界における神の国・死後の世界。また、かの有名な小烏丸を打った刀鍛冶の名。
「獄」は牢獄のこと。おそらく地獄を指しているような気はする。MCネーム的にも。
ちなみに地獄は仏教概念でも同じ名。
仏教における極楽=西方浄土で、別に天上にあるわけではない。
キリスト教における天国は天上にある神の国。
仏教・キリスト教ともに地獄は地下にあるとされることが多い。

【その他関係者】

東方天乙統女

「東方天」は東方を守る神を指すと思われる。十二天なら帝釈天(インド神話におけるインドラ)、四天王なら持国天。東方天と言われるのはおそらく持国天の方。
宝珠・刀を手に持ち、青色の身を持つとされることが多い。
「乙統女」はおそらく当て字。「統」って文字が入っている人間との関係を匂わせている。
「おとめ」は若い女性・未婚の女性を指す言葉。五節の舞の舞姫を指して使われることもある。

勘解由小路無花果

「勘解由小路」は平安時代に存在した公家。昔の平安貴族には「家学(その家の専門)」があるのだが、勘解由小路は儒学。礼節・上下関係を重んじる彼女らしい名字と言えそう。
「無花果」は植物の名。漢字は花が見当たらないのに実がなることから。キリスト教における知恵の実の木という説も(所説ある)。また、アダムとイヴが楽園追放の際に身体を隠したのがイチジクの葉とされることもある。

碧棺合歓

名字の考察は割愛。
「合歓」は植物の名。一般にネムノキと呼ばれる。マメ科の落葉高木。夜になると葉が閉じることからこう呼ばれる。
また、「ごうかん」と読んで「ともに喜ぶこと・男女の共寝」を指す。

邪答院 仄仄

読み方と漢字は一部異なるが「祁答院」という氏族は昔あったらしい。
勘解由小路と同じパターンだが、同名の地域名もあり「渋谷」の姓を持つ一族が支配していた時期もあるらしい。
名字の由来としては「祈祷院神興寺」という説もある。お寺となるとシンジュクの名前とも由来が近いですね。
「仄仄」の意味で言うといくつかあるが、全て「かすか」「わずか」に由来する意味となっている。夜明けとか。
個人的には薄暗さを示す名前なのかなと思ってます。

とりあえず新ディビジョン+α含めて書き終わりました!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2022/9/9追記:仄仄さんを足しました。他は文章や形式を整えた程度しか弄ってません。
5周年おめでとうございます!

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