理学療法士が介護支援専門員取る意味あるの?

私は理学療法士と介護支援専門員(ケアマネ)の二刀流で仕事をしています。その視点で理学療法士が介護支援専門員を取る意味があるのか、自分の経験も含めて意見を述べたいと思います。

私がケアマネ取ろうとしたきっかけ

 ケアマネを受験したとき、確か回復期リハビリ病棟に勤務してたと思います。理学療法士6,7年目くらいだったと記憶しています。

 ケアマネを取って仕事をしようとかは1mmも考えておらず、介護保険の知識を得たいという理由です。

 これ結構理学療法士がケアマネ取る理由で多いんじゃないかなって勝手に思っています。

理学療法士にケアマネの知識っているのか?

ケアマネの仕事をしない場合、私が思う結論から言うと、

  1. 介護保険領域で仕事をしたいと思わない場合は当然いらない。

  2. 介護保険領域で仕事をするとしても、そこで理学療法だけやるのだったら、多分そんなに必要はない。

  3. 介護保険領域で管理職や起業したいとか思う場合は、持っておいたら有利には働くと思う。

 今小規模ではあるのですが、通所リハ(定員10名)の責任者をしている立場としては、特に居宅介護支援事業所のケアマネさんと関わる時は、向こうはそういう知識はある程度持っている前提で話してこられるので知識があったほうスムーズ話できるとは思います。

 しかし特に管理職の場合は絶対に必要とも思いません。なぜなら、地域理学療法の勉強をしていればある程度は分かるからです。

 しかもケアマネは試験合格すると研修があります。仕事も休まないといけません。ケアマネ業務をするのであれば、職場が補助を出してくれるところも多いですが、自己研鑽で受ける場合は補助も出ないでしょうし、そこそこお金もかかります。

 ケアマネ取ると、研修などで知り合いは増えると思うので、そういうのは管理職や起業などでは有利に働く場合もあるとは思います。

私がケアマネを取って良かったと思う時

 

1,手当がついた

 まず今の職場は院長がケアマネを確保しておきたいという考えがあって、ケアマネもってるだけで手当があることです。

 これは私の職場が介護病床(今は介護医療院)を持つ有床診療所という特殊職場であるからということなので、理学療法士でケアマネもってるだけで手当付く職場は多分そんなにないと思います。

 私は現在ケアマネ兼務となっています。仕事も増えましたが、兼務になってからは手当上げてもらいました。

 その他介護保険関連の仕事を院長からバンバン振られて、対応しているうちにたいして管理もできないのに管理職となり、手当つけてもらいという好循環となり、院長の信頼を得るという意味では良かったと思います。

 

2,ケアマネさんの視点が分かり、同じ視点で話ができるので、話しがスムーズに進む


 特に自分が施設ケアプランを立てるようになってから思うのは、ケアマネさんがどういう意図でケアプラン立ててるとか、どういうタイプのケアマネさんとかいうのは分かりますね。

 なので、利用者さんの話しやお願いなどするときにそこを配慮すると色々スムーズに行きます。

 ケアマネさんのタイプというのは、色々ありますが、利用者さんの要望に忠実に立てる人、ケアマネの考え中心でケアプラン立てる人、そこにケアマネの専門性(自立支援)を上手いこと入れる人に大きく分かれますね。

3,ケアマネを上から目線で色々いうことは出来なくなる。優しくなれる。知り合いも増える。

 twitter上や地域理学療法(リハ職だけ集まる)の研修、地域ケア会議などでの理学療法士のケアマネに対する物言いが上から目線だなと思うことはよくあります。

 ケアマネは介護福祉士からなる人が一番多いので、知識不足というのは理学療法士からするとあるのかもしれませんが、ケアマネって更新するのに5年に1回(実務し始めた最初は2年を目安に初任者研修もある)研修受けないといけないんですよ(実務をしないでいいのであれば、受ける必要なし)。

 これ結構大変なんです。丸1日の研修が3,4日あって、グループワークもあって、事前レポートあって、終わりにテストもあって、本当に大変です。理学療法士って更新しなくていいでしょう。

 もちろん理学療法士の中にも認定理学療法士取ったり、自己研鑽を積んでいる理学療法士いっぱい知っています。しかし、それ以上に勉強しない理学療法士も知っています。

 そういうのを肌身で知っているので、ケアマネさんには優しい接することができます。すると相手も優しくしてくれます。研修で一緒になるとより話ししやすくもなり、顔見知りも増えます。

4,介護保険制度を広い視野で見ることができるようになる。

 管理職をしていると、介護保険に対する理解がある程度必要になってきます。特に介護報酬改定の時はより必要となります。

 そういう時に、理学療法士の視点というのはどうしても身体機能向上とそれに関連した加算というところに目が行きがちになると思うんですよね。でもそこだけじゃないんですよ、介護保険って。口腔栄養とか入浴とか色々あります。また家族説明とかもするので、より家族の重要性が分かったり、利用者を広い視野で見れていると感じています。利用者の生活という視点をより感じながら、理学療法をすることができるというのは他の理学療法士にはない私の武器でもあるように感じます。

理学療法士からケアマネへの転職ってありなのか?

 視点を少し変えて、ケアマネへの転職を考えてみましょう。

 私の考えはケアマネへの転職はなしですね。ケアマネ単独では理学療法士より給料下がりますしね。

 ケアマネが給料高くないのは、ケアマネがいる居宅介護支援事業所は単独では収益が上がりにくい(最近少し変わってきていますが)こともあると思います。

 あと時々耳にするのが、地域包括支援センターに勤められたら、色々予防とかに関われるのではないかということです。

 確かにその可能性はあると思いますが、給料の話ばっかりで申し訳ないですが、包括も給料安いですね。でも、もしかしたら全国的にはそういう立場で活躍されている人もいるのかもしれませんが、私は知りません。

 私ケアマネの研修で作業療法士からケアマネに転職した人を2人ほど知っています。(理学療法士もいるとは思いますが、私は知りません。)

 詳しく話はしていないので、なぜ転職されたのかは分かりませんが、そういう方もいるようです。

 印象としてケアマネって日頃の業務は個人プレーで動けるので、書類作成とかは好きとか大きい職場で職員間の人間関係しんどいとか、理学療法飽きたとか、居宅のケアマネであれば理学療法士と違って事業所だけにいることは少ないので、一つの場所で仕事するのがしんどい思う人はいいのかもしれません。


最後に

 ケアマネを取るのであれば、私のようにケアマネの兼務などを考えている場合、管理職や介護事業の起業などを考えている場合などは良いとは思います。

 私個人としては、前に書いたようなメリットはありましたし、前のnoteで書きましたが、私双極性障害持ってて、休職の経験もあって職場も変わって給料下がっていた時期もあったので、理学療法士だけで仕事していたら、今の職場にも雇ってもらえなかったかもしれないし、今ほど給料貰えてなかったかもしれないので良かったと思っています。(今そんな高いわけではないですよ)

 しかし、数年前からケアマネの研修はより大変になったので、理学療法士をメインとして仕事やっていきたいと思う人にはそんなに勧めません。それより認定理学療法士の地域理学療法とか介護予防を取ったり、地域包括ケアリーダーとか介護予防ケアリーダーを取ったりすることである程度の知識は、今は得られると思うのでそれほど勧めません。

 以上私の意見でした。

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