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ベルギーは私のツボじゃない

大学院のプログラムは、たまたまぶるぶるだっただけで、決してベルギーが好きで選んだわけではなかった。笑 ベルギー留学の話はあまり聞かないのだが、それはやっている人数が少ないからであって、EUがあるから英語は通じるだろうし、西ヨーロッパだし、問題ないだろう、と思っていた。
ところが、来る前に気づいたとおり、暮らしやすくはあるのだが、やはりツボじゃなかった。


天気最悪

まず、天気である。降水量は東京の方が何倍も多いし、乾燥してるんだろうな~と思って来てみれば、1年のうち200日は雨が降る国だった。それも、多く降るのではなく、ぱらっと、しかし傘なしでいられるほどではない…という雨が降る。天気予報もあてにならない。
足場が悪く、毎日waterproofの靴を履くことになる。当然ロングスカートなんて履けない。おしゃれができない、ヒールも履けない。

加えて緯度が高いので、冬になると日が途端に短くなる(春は途端に長くなる)。12月の日照時間は24時間だったらしく、つまり残りの30日は、曇!雨!であった。11月には"November blues"というイベントを大学でやるくらい、天気が悪いのである。

景観

素敵、と友達には言われるけれど、来る前に気づいたとおり、私のツボではなく、あまりテンションが上がることは、ない。苦笑
強いて言えば、Art Nouveau/Art Decoの建物が多く、有名どころじゃなくてもそこら中にあるので、おっ、と思うくらい。建物の色使いも、落書きがとても多いところも、家がくっついていて低層で高い建物がないところも、ツボじゃない。

アールヌーボーな個人宅。なんでこうつながってるのかしらね。

喫煙

路上でも、大学内でも、外ならどこでも喫煙可。喫煙所というものは、そういえばあまり見た覚えがない。健康にも悪いし、いいこと何もないと思うんだけどなあ…と聞いてみたところ、一部の公園では禁煙のところもあるそうだ。なんで吸うのか?といえば、親がHippiesで子供も吸っているとか、昔coolだと思われていたとからしい。

私はたばこのにおいが嫌いで、頭が痛くなる。においがついたら取らないといけないのも面倒である。

信号

車には黄色があるのだが、歩行者用には"点滅"がない。つまり、いきなり赤になる。信号機がないところも多いので、勇気を出して渡らないと、車も困る。止まってはくれるわけだが、ひやっとすることもある。

社会主義/福祉国家

EU全体でこの傾向で、ベルギーの所得税は60%らしい。
そうなるとお金を使わない時間の過ごし方になる。服や外食の代わりに、旅行や家具にお金を使うと聞いたことがあるけれど、合わねえ…つまんねえ…と思った。笑

朝型、平日型

日曜はお店が開いていないことが多いし、平日も早く閉まるので、夜は飲む遊び方しかできない。週末はlibraryですら、開いていない。

気性

アメリカと比べると、人が笑わないし、笑わせてくれない。社交的じゃない上に、文化的にauthoritarianで厳しいところもある(Flanders)。電車で乗り過ごして困ったことがあり、近くにいる人が助けてくれないか見たのだが、目を逸らされた。

かと思えば、personal spaceがとっても狭いらしく(Wallonia)、私が座っている目の前や隣に、何も言わずに座ってきて荷物を広げる。道でも、誰かのために道を空けるとか、まわりの人に注意する、という教育はないようで、非常に落ち着かない。

Family values

大学生が毎週実家に帰る、という話はしたけれど(してない?)、家族で過ごす時間がとても多い文化だと思う。仕事の時間も短いので、家族と過ごす時間のほうが大事…ということになるのだけれど、子供がほしくないとか、できない人は肩身狭いんじゃ…?と思う。
私は毎週家族と過ごしたいとは思わない。笑

地元志向

大学でも県人会的なもので同郷の人とつるみ、卒業したら地元に帰って家を建てる、という地域経済が回っているところは(そしていじめもないらしい)日本の自治体が真似できるところなのかもしれないけれど、その分都市がないがしろにされているところがある。通勤するだけの場所で、住んでいるのは田舎だから。専門用語で、その名もBrusselizationと言う。

移動が宿命の私としては、合わないな、どうりで海外でベルギーの人に会わないわけだ、と思う。そして、人が悪いわけではないけれど、その理由でpartnerにもしたくないと思う。

男たち

ナンパの文化は日本だが、アメリカでは電話番号を聞いてくるものだった。それが、こちらに来てからない。私だけではないので、
「It's not you! 友達の友達とつきあう文化なの」と言われた。

おしゃれじゃない

スカートの人が少ない。気候の差はもちろんあって、自転車だからパンツとか、雨が多いからということもあるのだろう。メイクもしない。しても色がない。アメリカでは、がっつりメイク!という人を結構見たのだが、こちらでは皆無である。
ノーブラでも、脚や脇をを剃らなくてもいい。Deodrantや香水を使わないのは、いいにおいがしなくて少しつまらない。っていうか普通に気になる。

こうすべきだと思っていたものは、私が好きだったもの

こんな環境に来ると、世の中こうすべきだろう、と思っていたものが、実は私の好みだったことに気づく。

  • おしゃれが好きだ。女性らしい(主観)服装が好きだ。

  • 外食をするのも好きだ。

  • 買い物をするのも好きだ。

  • 笑わせるのも好きだ。

  • 新しい家がいい。

おしゃれをしたくないとか、お金を使いたくないとか、それでも幸せという人(私から見るとつまらない人)には、合うのかもしれない。私には合わない。

今後

ここで重要なのは、こんな環境で、私自身がどうするか、である。

  • Springのみここにいて、ベルギーを去る。

  • FallはErasmusで違う大学に行く。

  • Springはthesisのみにして、違うところでintern/仕事をしながら仕上げる。

  • 卒業後1年働けるので、そのときに有利になるように、integration programはやっておく。

  • せっかくなので、フランス語・オランダ語も学んでおく。

ベルギーに行ってみた結論が、やっぱりアメリカがいいわ、だとしたら、
それは受け入れればいいだけだ。

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