「青色」との出会いと、思い。フォトグラファー・葵が掲げるテーマのはなし。|Artist Interview - 葵 2/4
What’s “Artist Interview” ?
写真のCURBONが、「写真の階段の登り方」をテーマに、活躍中のアーティストにインタビューする連載企画。フォトグラファー・葵さんのインタビューを、全4回に渡って掲載します(全記事は、記事末尾を参照ください)。
葵 profile
2001年生まれ。高校一年生の冬にフィルムカメラで学校生活を撮り始め、TwitterをはじめとするSNSで発信。プールで撮影した青の写真が話題になり、米原康正氏のグループ展に参加。2021年3月、高校生活の集大成となる個展『未完成な青』を開催。青が好き。
・Twitter ( @aoii6327 )
・Instagram ( @aoii6327 )
・note ( @unfinished_blue )
葵さんといえば、「青色」の写真を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
現在の葵さんは、「青色」「肌」「未完成」の3つをテーマに掲げて活動していらっしゃいます。今回は、「青色」をテーマとして撮るようになったきっかけを伺いました。
以下
インタビュアー: 片渕ゆり
インタビュイー:葵さん
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純粋に色として、青色が好きなんです。ちっちゃい頃からずっと変わらず。
はじめて青を好きだと思ったのは、幼稚園に入る前です。幼稚園で使うコップだったり、タオルだったり、必要なものを買い物に行きますよね。イオンみたいなところで。
そのとき、「男の子はここ」「女の子はここ」という感じで、売り場がはっきり分けられていて。
女の子用のコーナーには、明らかにピンク色のものばっかりが並んでいました。反対に、男の子のところには青や黒が並んでいたんですよね。
きっぱり色が分かれていて、それを見たときに、「嫌だな」っていう感覚があったんです。
ちっちゃい頃だったから、言葉には出来なかったんですけど。社会の固定観念に対する反骨心みたいなものを覚えて、「ピンクじゃなくて青が好き!」って思った記憶があります。
それ以降、「青が好き」という気持ちが自分のアイデンティティーのように感じられて、「青色」をテーマにしようと決めました。
ーー 性別と色が、勝手に紐付けられてしまっていることに対して、ささやかな反抗心を抱き続けてこられたんですね。
そうですね。青が好きな気持ちは、あのときの経験から始まった気がします。
でも、反骨心とは関係なく、純粋に色としても好きなんです。好きすぎて、持ち物が青ばっかりになりすぎて。最近は、意識して「違う色にしなきゃ!」って思って、青のものを買おうとして、白や黒のものを選びなおしたりしています(笑)。
ーー 放っておくと全部が青になっていきます?
いやほんと、そうなんです。髪の毛も青。
ーー 青の髪、すごく似合ってますし、葵さんのトレードマークですよね。今でこそ状況は変わってきていますが、性別と色って、長らく紐付けられていましたよね。その違和感をずっと忘れず、テーマにまで昇華させられたことが、葵さんのすごさだなと思います。
編集後記
何かを純粋に好きだと思う気持ちと、違和感に対する反骨精神。その両方を抱き続けてきた葵さんだからこそ、彼女の撮る「青色」には説得力があるのかもしれません。
次回は、葵さんが掲げているあと2つのテーマ「肌」「未完成」への思いやきっかけについて取り上げます。何を撮ろうか悩んでいる人、軸となるテーマを探したいと思っている人、ぜひ次回も読んでみてください。
Interviewer / Writer : 片渕ゆり(@yuriponzuu)
大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いから退職。2019年9月から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している
Editor :伊佐知美(@tomomi_isa)
「旅と写真と文章と」をこよなく愛す編集者、フォトグラファー。日本一周、世界二周、4年間の旅×仕事の日々を経て、2020年夏より日本で一番人口の少ない沖縄県読谷村にて、海と空とさとうきびに囲まれた暮らしを開始
葵 Interview Index
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