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子育てしながらLLB•ロースクールに通えたワケ(普通のおばさんがイギリスで弁護士資格に挑戦した話)

子育てしながらアタフタと勉強してた頃、「小さい子供がいるのによく大学に通えるね」と言ってもらえる事がよくありました。でも私の場合は、子供がいたからこそ続けられたのかもしれないなあ、と思います。

法律の勉強は確かに過酷。複雑怪奇な法律の世界に迷い込むと、そっちの世界からこっちの世界(シャバ)に気持ちを切り替えて戻ってくるのが難しくなることも。もし自分が子なしシングルだったら、時間を自由に遣える分、切り替えが難しくなっていたのではないかと思います。あっちの世界に行きっぱなしになったり、昼夜逆転したり、孤独な勉強や試験のプレッシャーで、メンタルがヤラれていたかも。

しかし私は学生である前に子育てママ。勉強中「今やっと乗ってきたところなのに…!」と残念に思う事も多かったけれど、時間になれば、きっぱりと教科書やノートを閉じて小学校やアフタースクールクラブに迎えに行かなければなリませんでした。母親に戻る事でハッと我に帰り、正気の世界に戻る。これが精神面でとても良かったと思います。

基本的なマイルールは、昼間に勉強し、息子が帰ってからは母親としての役目に集中する。そのため昼間の時間を無駄にせず、メリハリができたのもよかった。母親としての役割を果たすため、夜に寝て朝に起きるという規則正しい生活をできたと思います。

もちろん息子がいつも健康でいてくれたことも大きいです。試験前などは、いつも「もし息子が熱をだしたら試験に行けなくなる→血を吐くほど(吐いてないけど)勉強した努力が無駄に…😱」と言う可能性を心配していましたが、大学とロースクールの通算6年間、息子も自分も体調を壊す事なく試験に臨めました。これに本当に感謝。(しかし、もしその様な事態が起こった時には試験を欠席して子供の看病をしようという覚悟も決めていた。)

それからイギリスの大学って、なんだかんだ休みが多いです。アカデミック・イヤーは前期と後期に分かれていますが、前期は9月から12月に授業、クリスマス休暇を挟んで1月〜2月に試験。後期は3月頃から始まり5〜6月頃試験。6月に後期試験が終われば3か月の長い夏休みに突入するので、試験期間を除けば、定期的に授業に通うのは1年のうち6か月位です。これは助かりました。

初年度の前期授業が終わり、クリスマス休暇に入ってホッと一息ついた時の事はとても良く覚えています。とりあえず、最初の3か月間をクリアした!3か月前には英国法の事なんて何も知らなかったのに、今は法律について他の先生や生徒と語っている自分がいる。学問の澄んだ青空が少し見えて来ました。学問の世界はこんなにも美しいのかと喜びで心が震える様な感覚を覚えました。

最後まで読んでくださってありがとうございます!サポートしていただいたら、イギリスでは滅多に食べられない美味しい日本食を食べに行きます!