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ジェネラリストとして入ったスタートアップバックオフィスで、スペシャリストを目指す

2022年、新しい仕事を始めた。
アラフォーというにもギリギリの年齢だったけれど、なんと未経験領域でのスタートである。
具体的には、スタートアップ企業のバックオフィス全般、いわゆるスタートアップバックオフィス(SBO)と呼ばれているものだ。

バックオフィスの仕事といえば、総務、経理、人事、労務、法務 …  
私のこれまでのキャリアの中で、はっきりと名前がつく形でこれらの仕事を担当したことはない。
私のキャリアの大半は、製薬メーカーの研究部門。その中でもバックオフィス系ではなく、現場研究者(10年)→研究部門の企画戦略スタッフ(6年)なのだから、履歴書の内容的にはこれっぽっちもかすっていない。

フリーランスになる直前、4ヶ月だけ働いた大学教授秘書の仕事は、すごーく薄目で見れば、ちょっと似てるかも?と思ってもらえるかもしれないが、これもまたバックオフィスではない。

それでも、そんな私が採用してもらえた。
その理由は多分、こうじゃないかと思う。

  • 企画戦略スタッフ時代の仕事が社内会議事務局から外部との共同研究まで幅広く、多様なタスクに対応できる

  • 教授秘書時代、人事労務や経理、契約担当者と連携して仕事をした経験がある

  • 組織立ち上げや引き継ぎなしの仕事など、ゼロから始めたり、ごちゃごちゃな状態を整えたりする経験が豊富

上記は採用面談での会話から私が推察をしたものだけど、間に入ってくれていたキャリアコンサルトさんも同じようなことを仰っていたので、概ね当たっているだろうと思っている。

ざっくりまとめると、未知への対応力、自走力、仕組み化 といったあたりの能力への期待だと思う。いずれもポータブルスキルだ。
まだ混沌とした組織での何でも屋として活躍できる人、つまりジェネラリストとして採用されたのだと考えると、未経験での採用も納得がいく。

バックオフィス業務は、先に書いたようにいくつもの専門性が必要になる。そのため、一般企業であれば、それぞれが部署として存在し、経理なら経理の、労務なら労務の専門家がいる。
だが、初期のスタートアップでは、そこまでバックオフィスに人を置けないのだから、なんらかの専門性が高い人よりも、業務を委託した外部の専門家とうまく連携して全体を回していくジェネラリストの方がマッチするのだろう。
もちろん、大企業の総務、経理、人事、労務、どの部署でもやっていける複数スキルの持ち主がいれば最高だろうけれど、そこまでの高スキル人材はそもそも絶対数が少ないはず。
バックオフィス領域の1つに突出したスペシャリストか、未知でも模索しながら全てを回していけるジェネラリストか。スタートアップの選択肢としては、後者になるのも頷ける。

正直、これは私にとって、とてもありがたい状況であった。
なぜなら、未経験の領域にチャレンジし、新しい専門性を獲得する機会をもらえたのだから。

まず、スタートアップバックオフィスというポジション自体が私にとっては新しいスキル獲得の場になる。先に書いたような、総務、経理、人事、労務…といったバックオフィス業務を、外部の専門家とも連携をして回していく。これは、他のスタートアップでも通用するスキルの獲得になるだろうと思っている。

そして、その次のステップ。ジェネラリストとして進めていく中で、自分で調べながら業務内容を理解したり、他者(外部の専門家)に判断を仰ぎ決断したりする経験が積み重なっていくはずだ。そうやって少しずつ、その分野の専門性を身につけていけば、いずれはスペシャリストになれるのではないか? そんな期待を持っている。

もちろん、全てのスペシャリストになるのは難しいだろうし、そこまでは求められていないのもわかっている。スタートアップが順調に成長をしていくことができれば、いずれはバックオフィス業務も、特定の分野に特化した専門家を雇い、大きくなっていくことが可能だろう。そういう企業はたくさんある。

でも、例えば何か一つ、「ここを私の強みにしよう!」という分野を決めて、そこだけは他者を頼らなくても良いレベルを目指すというのはアリだと思う。

今、狙っているのは知的財産関連(主に著作権)の分野だ。
ちょうど昨年、特許法の理解を深める目的で知的財産管理技能検定2級を受け、合格した。その過程で新しく学んだ著作権の知識が、今、スタートアップバックオフィスの仕事で役立ちそうな気配がある。
実際に仕事で関わるようになると、興味も増すし、もっと学びたくなるという好循環が起こりつつある今が絶好の機会だ。
日々の業務はしっかりこなしつつ、著作権周りの学びを継続し、仕事で活かしていくことで、一つステップアップできたらと考えている。
知的財産管理技能検定の1級は、専門業務別に分かれていて、著作権は「コンテンツ専門業務」になる。
最終的にはこの合格を目指して、1年頑張ってみようかな、なんて思い始めているところだ。

ジェネラリストとしてスタートした仕事だけれど、やっぱりスペシャリストを目指したい。2023年は、この思いを忘れず、仕事をしていこうと思う。


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