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読書日記 「自由へ飛び立つ翼の育て方」 Ryucrew 著


お気に入りのYouTuberは?

みなさんは、お気に入りのYouTubeチャンネルがありますか?
ここ数年でYouTuberがとても増えましたね。
コロナの影響も大きかったと思うのですが、テレビで活躍しているタレントさんたちが自分のYouTubeチャンネルを持つのが当たり前になったし、有名人でなくてふつうの人がVlog的に始めたチャンネルにたくさんのサブスクライバーがついたり。
私は、海外在住の日本人のチャンネルを見るのが好きです。特に、私と同じように高校生の子育てをしている日本人女性が作っている動画が好きですが、そんな私のストライクゾーンからは外れているのに、一番好きなYouTuberがこの人、「Ryucrew」さんです。
↓  これは、3月末に本の出版を記念して開かれた、イベントのYouTube動画です。


Ryucrewさんの魅力

いつかおすすめ動画に上がって来たので、何気なく見たらもう!
ちょっと(いや、だいぶ、かな??)早口の関西弁、CA(キャビンクルー)という仕事柄あちこちの国へ行くのに、なぜかどこへ行っても彼の周りには大阪がまとわりついている、アラサー男子なのに醸し出す雰囲気はほぼおばちゃん、海外旅行は決してハードルが高いものではなく、スッと行ってサラッと楽しめるもの、そんなフットワークの軽さが大好きです。
コロナが終息しやれやれ、と思ったら恐ろしいまでの円安でなかなか思うように海外旅行ができない今、彼の動画で旅行気分を味わっています。

そして、彼のせっかちな大阪人気質でしょうか、20分程度の動画を5日おきぐらいで更新しています。
いつも動画の終わりに「では次の動画でまたすぐにお会いしましょう」って言うのも「またすぐに次の動画が見られるのか〜」って観る側をホッとさせる言葉です。
本当に、あっちゅう間に次の動画が出ますしね。

著書について少しだけ

そんな彼が出したこの本、どんな人でも楽しめます。


初の著書「自由へ飛び立つ翼の育て方」

著者はカナダ・バンクーバー在住。
カナダのLCCのCAでいつもカナダ国内、北米と中米、ヨーロッパを飛び回っています。
そして、数ヶ月前にはこの航空会社が成田にも就航したので、仕事で日本に来られるようになりました。
大好きなオカン(Ryucrewさんはふつうにお母さんと『オカン』と呼んでいます)のところへ乗務後、会いに行けるようになって私もうれしいです。

留学時代

著者は、大学生の時にカナダに留学しています。
これは、著書ではなく彼のYouTubeで言っていたと記憶しているのですが、カナダを留学先に選んだ理由として、英語にあまりクセがないことと、治安が良いこと、アメリカやイギリスに比べて生活費が安かったこと、を挙げていました。

私は1990年代に4年間イギリスに、2002年から8年間アメリカに暮らしました。
両方とも英語圏の国だったことは幸運でした。そして、大きな違いは、インターネットがあったか、なかったか、だったので、私はネット環境が整っている今は海外で暮らしても寂しいことや不便なことはないと思っていました。

Ryucrewさんがカナダ留学していたのは10年ほど前とのことなので、2014年ごろでしょうか。
もう当たり前に携帯も持っていますね。
それでも、言葉が通じない海外での暮らしは大変だったようです。
限られた留学期間だから、日本人コミュニティとは距離をおくとか、だんだんその国に慣れてきて友達が増えていくとか、いつの時代でもそこらへんは変わらないんだな、と思いました。


目次をちらり。

元旦の航空機事故について

YouTube チャンネルと同じく、軽妙なおしゃべりで進んでいくエッセイですが、唯一、怖かった章がここでした。

元旦夜に起こった羽田空港でのJAL機と海上保安庁の航空機事故。
これについては、Ryucrewさんが勤務する航空会社でも大きな話題になったそうですが、キャビンクルーのみんなは、あれはJALだったからできた全員脱出であって、これが他の国の航空会社では無理だっただろう、と言う箇所。
日本人はあれほどの極限状態でもキャビンクルーの指示を守り、勝手な行動を起こす人がいなかったから、整然と全員が機体から脱出できた、と。
これが、海外の航空会社だったら我れ先に、しかも荷物も持ってドアに殺到するだろう、とクルーのみなさんが話していたそうで、ここを読んで私はこれからも「信頼の翼・JAL」に乗ろうと決めました。

このニュースに関連して、元客室乗務員だったと言う女性がテレビのインタビューで「私たちは、航空機内において保安要員なんです」と答えていたことが印象的でした。
Ryucrewさんも著書の中で、パイロットもCAも華やかな職業に見えるけど、海外ではブルーカラーだと認識されている、と。理由は、不規則な勤務体系、時差が伴う激務、それゆえに家族と一緒に過ごせる時間が少ない、などだそうです。
好きでないとできない仕事のようですね。


こんな子供に育てたい?

スッと行ってサラッと楽しんでいるように見える舞台裏

上の方で、私は著者が海外旅行のハードルを感じさせず、「スッと行ってサラッと楽しんでいる」と書きましたが、本当に彼のYouTubeチャンネルを見ているとそんな風に感じるのですが、この本の中ではその舞台裏と言いますか、彼のフレキシビリティがあってこそ、視聴者にそう見せているんだ、と思わせる章がありました。

実際、そこを読むと、決してスムーズに目的地へ行っているわけではないんだな、と思いましたし、意外と薄氷を踏む思いです。
旅行好きで旅慣れている人だからこそ、こういうことができ、旅の動画が作られるんだ、と納得でした。

あなたはどの目線で読みますか?

私は著者の「オカン」さんと年齢が近いので、母親目線で本書を楽しみました。
息子がここまで自立してくれたら安心です。

Ryucrewさんと同じCAの仕事をしている人や、海外在住の人たちも楽しめるでしょうし、就活生にもぴったりだと思います。
これから留学したいと思っている学生にも。

先に彼のYouTubeチャンネルを観るもよし、本書から入るのもよし、です。

4月からの新しい環境に少し息切れし始めているあなた、本書を読んでひととき、リフレッシュしてみてはいかがでしょうか。




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