【エッセイ】 父と桜と平城宮跡
今年と去年はお花見ができなかったが、その前の春休みは息子を連れて奈良の実家を訪れた。
実家から平城宮跡が近く、私が幼い頃からお花見と言えばここだった。
だだっ広い史跡ながら、我が家がお弁当を広げる場所はいつも決まっていて、目印がないのでなんとも説明しにくいが、立ち並ぶ桜の下を歩いていると父が「よし、ここにしよう」と言うその場所がいつも同じなのだ。
私は特に桜を美しいと感じる年齢でもなく、ただの春先のピクニックなので場所はどこでも良かった。
2019年のお花見は、両親と私、息