中央アジア諸国の警察組織に関する研究活動の進捗

👉前回の研究発表で指摘を頂いた箇所
①研究内容に独自性が欠如している
→率直に独自性が何か分からない、、、
確かに本研究での主要な独自性は
1. 軍事・警察組織を中立権力として捉える
2. 中間権力から中立権力への変遷を説明する


同地域の警察組織に関する独自性は
3. 市民社会における信頼性(忠誠心)を高める
4. 政変と抗議活動から信頼性の強度を確認する

なので一瞥すると議題ではない前半の独自性が高いとは思います。ただし第3項における警察組織の忠誠心、第4項における政変と抗議活動は、報道記事や報告書で事例が紹介される程度で、忠誠心が遠心化する構造の研究は管見の限りありません。

警察組織の信頼性(忠誠心)はローズの政府間関係論を用いて説明を試みます。同理論では政府内で活動する行為者の関係を類型化しました。
a. ヒエラルキー型(上層優勢)
b. ボトムアップ型(下層優勢)
c. ネットワーク型(相互交流)

 c類型では「信頼感」が政治主体の関係性を構築する要素となります。本研究は東西冷戦の終結直後のa類型、2000年代のb類型とは異なるc類型を論文内で支持している点で、過去に執筆された主要な論文とは異なります。

②キルギス共和国が対象で「中央アジア諸国」と題するには無理がある
 はい、仰る通りです。比較対象として他の中央アジア諸国(加えて旧ソ連諸国)も扱います。

③権威主義国家で民主的な改革は可能なのか?
 春学期でも同じ問題に衝突しました、、、さらに先行研究でも繰り広げられています。権威主義体制における民主的な制度の発見・確立は先行研究でも蓄積されています。しかし現実に民主的な制度を定着させることは困難だと思います(認識の甘さ?)。


夏季休暇はタジキスタン共和国の警察改革を調査しました。過去の記事で紹介しています。

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