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「欠伸と温もり」

駅のホームは何でこんなに風が吹き抜けるのだろう

冬がまだ町中に残る中、ホームで電車を待つ


室内で温まった体がだんだん冷えて、
お腹が満たされてホッとしたのか
疲れていた事に気づき、体がやけに重く感じた


寒いわけではない

私の左はこんなにも温かいから


「温かいな」と感じた矢先

眠気からか欠伸が出てきた




油断してた


そう、わたしは油断していたのだ。





いつもなら目を開けて、
手で抑えて恥じらいがある欠伸をするのに



まるで寝起きの欠伸のような…

目を瞑って音が出るような欠伸



気づかなかった

そう、私は欠伸に気を取られて気づかなかったのだ
それは一瞬の温もりだったから




左頬に当たった温もり


驚いて左を向いたら


優しく微笑む、また大きい温もりがいた



目と身体の熱が目覚めた

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