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「筋肉の難病」を通して、優しい世界を
生まれつきの「筋肉の難病」と聞いたら、どうイメージしますか?
何が日常生活でできない、と思いますか?
世界でも珍しい病気らしい私の病気を通して、恐らく人生の晩年に感じる世界を。
今の私には当たり前であり日常を、少しでもお伝えできればと思います。
まずは自己紹介を。山口真未(やまぐち まみ)と申します。
ファイナンシャルプランナー(FP)として、色々な方のお金の相談に寄り添いつつアドバイスをするお仕事をしています。
今はフリーランスとして活動していますが、その前は10年ほどJR東日本で障害者雇用として正社員で働いていました。
出身は千葉県、今も千葉県のとある場所で、私の妹夫婦と2世帯で暮らしています。
私は独身ですが、妹夫婦には2人の子供がいるため、私にとっては姪っ子・甥っ子と日々、わちゃわちゃとしつつ、在宅でお仕事をしています。
子供の成長ってすごいなぁと思いつつ、世の中のパパママには尊敬しかないですね。
さて、最初の質問に戻りましょう。
私自身の病気は生まれつきの筋肉の難病で、簡単に言うと「全身の筋肉が赤ちゃんのように弱く、また老人のように脆いもの」です。
病名は「ベスレムミオパチー」といいますが、初めてという人が多いはず。
正直、お医者さんでも、専門医でないと知らないかもしれません。
よく筋肉が弱いと説明すると「筋トレすれば?」と言われますが、残念ながら全く効果はありません。
むしろ筋トレのリバウンドで、筋肉痛によって動かしづらい期間ができると、その間により病気が悪化する可能性も…。
また自力で歩けるものの、20歳頃より外出時は転倒防止等のため、「ロフストランドクラッチ」という杖を使っています。
「ロフストランドクラッチ」とは、1本の脚と体重を支えるグリップ、腕を支えるカフを備えた杖のことで、体重も分散しやすく、握力の弱い方や、手首に力が入りにくい方に適している杖になっています。ちなみに、私はいつも杖の名前が言えず、ネット検索してコピペしてます(笑)
ただし歩けますが長い距離は大変なため、ショッピングセンターなど広い場所では車イスも利用しています。
その杖も車イスも家の中では使っていませんが、それも今だけ。
私の病気は緩やかな進行性のため、いずれは歩けなくなり日常的に車イスを使い、そして寝たきりになる生活が待っています。
杖や車イスって30代の私が使うと異質のように見えますが、歳を重ねるにつれて使うことが、そこまで異質に見えない世代がきますよね。
今あらゆることで、「普通」の定義が色々あると思っています。
例えば年齢が上の方々ばかりの地域なら、杖や車イスを使う人の方が多い場所もあるかもしれません。
今は縁遠いものや、ちょっと不便な日常生活は、私にとっては今の日常であり、皆さんにとってもいずれ訪れるかも。
もしかしたら、自分たちの前に親など身近な人が体験するかもしれません。
少しでも私が体験している世界、見えているものを知ってもらうことで、誰にとっても優しい世界になりますように。
そんな願いを込めつつ、これから私の日常をご紹介してきますね。
登壇者プロフィール
山口 真未(やまぐち まみ):
1990年生まれ。障害者ファイナンシャルプランナー(FP)。
生まれつき”筋ジスの仲間”と言われつつも、正式な「ベスレムミオパチー」の診断は大人になってから。高卒・障害者雇用で大手鉄道会社の事務で10年以上勤務したが、病気の悪化により退職。そこで改めて、お金の大切さに気付く。現在は、障害者だからあるお金の悩みと寄り添いたく、障害者FPとして活動中。
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