三木学

文筆家、編集者、色彩研究、美術評論、ソフト開発他。 共編著『大大阪モダン建築』、『フランスの色景』、『新・大阪モダン建築』『キュラトリアル・ターン』 芸術色彩研究会共同主宰 レビューサイトeTOKI共同発行 https://etoki.art/

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長い浜

長い浜 むかし、ある村に、はての見えない長い長い浜がありました。その浜はどこまでも続き、浜のはてを村人の誰も見たことがありませんでした。   何人もが浜のはてを探しに挑戦したことがありましたが、誰も見つけることできず帰ってきました。   あるとき、一人の少年が、よし自分が浜のはてを探しにいこうと思いたち、数日の食料と水を持って旅に出ました。 少年は長い浜を歩き続けました。しかし、いっこうに浜のはては見えません。そして、少しずつ少しずつ食料を食べました。   そ

¥100
    • デコーディング・ワンダー

      The Terminal KYOTOという京都の町屋を改装した展示空間(喫茶もできる)で、6月23日まで開催されている展覧会「デコーディング・ワンダー」は、発明的ともいえるアプローチで、今回、金澤韻さんは、アーティストとしてあえてクレジットされているけど、ある種のキュレーションの新しい在り方を提示するものになっていて、必見だと思います。 展覧会におけるキュレーターのテキストは、作品の解説を担うもので、展示はされているけど、同時にこれは作品ではありませんよ、という暗黙の了解が

      • 激動の時代にフランス、パリに集った人々の肖像「モディリアーニ-愛と創作に捧げた35年-」大阪中之島美術館 三木学評

        「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」展 会期:2022年4月9日(土)– 7月18日(月・祝) 会場:大阪中之島美術館 5階展示室 大阪中之島美術館で、初の特別展「モディリアーニ-愛と創作に捧げた35年-」が開催されている。1990年の美術館準備室の設置から約30年を経て、2022年に開館し、6000点を超える膨大なコレクションの中から選ばれた開館記念展「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり」は、オミクロン株の大流

        • ウィーン・日本をつないだファンタジーと生命感溢れたデザイン「『マイ・ファースト・リチ My First Lizz 上野リチのデザイン』青幻舎・2022年」三木学評

          2021年11月16日から2022年1月16日まで、「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」展が京都国立近代美術館で開催され、上野リチというウィーンと日本をまたにかけて活躍したデザイナーの先駆的で幅広い活動が改めて紹介された。上野リチの大規模な展覧会が開催されたのは、2009年、京都国立近代美術館と目黒美術館で開催された上野伊三郎+リチ コレクション展以来のことになるかもしれない。 上野リチこと上野リチ・リックスは、1839年にウィーンに生まれ、ウィーン工芸学校

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          生死を併せ持つ木のある風景「畠山直哉「津波の木」PURPLE」三木学評

          畠山直哉展「津波の木」 会期: 2022年3月26日~5月8日 会場: PURPLE(京都) 京都の美術出版社として、世界的にも知られている青幻舎と赤々舎が組んで、京都に写真を中心としたコミュニティスペース「PURPLE」が誕生した。お気づきのとおり、青と赤を混色しできるのが紫だから、ということだが、意外に交流を表す色としてはいいかもしれない。それに、紫は古来より高貴な人が身に着ける色であり、明治以降、化学染料がつくれるようになってからは、一般の女性にも愛されてきた。 京

          生死を併せ持つ木のある風景「畠山直哉「津波の木」PURPLE」三木学評

          誰がアートとその価値を決めるのか?「グレイソン・ペリー『みんなの現代アート』ミヤギフトシ訳、フィルムアート社・2021年」三木学評

          みんなの現代アート──大衆に媚を売る方法、あるいはアートがアートであるために 本書は、イギリスでもっとも著名なアーティストの一人であるグレイソン・ペリーによる、現代アートの入門書といったところだが、アート界の内部から見た暴露本のようなものでもある。イギリス人特有ともいえる皮肉とユーモア、ウイットに富んだ口調で、ペリーが「不可解で意地悪なサブカルチャー」(p.14)と呼ぶその奇妙な生態系が紹介されている。邦訳では『みんなの現代アート』となっているが、原タイトルは『Play

          誰がアートとその価値を決めるのか?「グレイソン・ペリー『みんなの現代アート』ミヤギフトシ訳、フィルムアート社・2021年」三木学評

          抽象の中に見た胡蝶の夢「ダミアン・ハースト 桜」国立新美術館 三木学評

          ダミアン・ハースト「ダミアン・ハースト 桜」展 会期:2022年3月2日(水)~5月23日(月) 会場:国立新美術館 企画展示室2E 展示風景 ゴールド・スミス・カレッジ在学時から、作品制作、キュレーションを行い、90年代、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)の旗手として、今日までイギリス現代アートを牽引してきたダミアン・ハーストの大規模個展が国立新美術館で開催されている。 牛やサメを頭から真っ二つに割り、ホルマリン漬けにした著名な「自然史」シリーズをはじめ

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          『キュラトリアル・ターン』 (KYOTO Design Lab Library)を 編集しました。

          キュラトリアル・ターン (KYOTO Design Lab Library)   https://www.amazon.co.jp/dp/4812219256/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_Ab.PEb54QX4SS 

          『キュラトリアル・ターン』 (KYOTO Design Lab Library)を 編集しました。

          三木学(みき・まなぶ)略歴

          文筆家、編集者、色彩研究者、ソフトウェアプランナー他。独自のイメージ研究を基に、現代アート・建築・写真・色彩・音楽などのジャンル、書籍・空間・ソフトウェアなどメディアを横断した著述・編集を行っている。 編著に『フランスの色景』、『大大阪モダン建築』、『新・大阪モダン建築 -戦後復興からEXPO`70の都市へ-』、ヤノベケンジ『ULTRA』(すべて青幻舎)、など。寄稿に『小豆島にみる日本の未来のつくり方』(誠文堂新光社)、『ジャパノラマ』(ポンピドゥーセンター・メッス)、空間編

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