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②つづき

 日が昇ってから歩いてみると、Barralは本当にのどかな田舎町だった。たまにすれ違う人はみんなお年寄りだし、おばあちゃん達は畑を耕している。ニワトリや犬の鳴き声もよく聞こえる。

 少し歩いたところに、その教会はあった。正直に言うと想像していたよりしょぼくて残念だったし、その時は精神が参っていたので水晶に感動する心の余裕もあまり無かった。

 でもやっぱりポップで可愛らしい。教会に埋め込まれた沢山の水晶を見て、作る時にせっせと石を埋め込んでいた人たちのことを想像して何だか笑ってしまった。
 さてこれからどうしようと少し途方に暮れていたら、お祈りに来たらしい村人のおばあちゃんが「教会はこっちだよ」と話しかけてくれた。まだ見切れていなかった所が地下にあったらしく、近くのMuseu(水晶が沢山展示されている)にも案内してくれた。

 この村では水晶が沢山採れること、聖母マリアの奇跡の話、ポルトガルのお年寄りの中には読み書きができない人も多いということ、交通の便が悪いからFátimaよりも巡礼者は少ないが、ミサの日は多くの人が車ではるばるやって来ることなど、丁寧に教えてくれた。
 ここまでタクシーを呼ぶことができずに歩いて来たと言ったら、絶対に車の方が良いと言ってわざわざ彼女の携帯でバス停のあるPonta de Barcaまでのタクシーを手配してくださった。
おばあちゃんの優しさに触れ、私の心は癒された。

聖母マリア出現の奇跡について。わざわざ読み上げて説明してくれた。

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