第五牧牛(ぼくぎゅう)
序
前思纔(わず)かに起これば、後念相随う。
覚(さとり)に由るが故以(ゆえ)に真となり、
迷に在るが故而(ゆえ)に妄となる。
境によって有なるにあらず、唯だ心より生ず。
鼻索(びさく)牢(つよ)く牽(ひ)いて、
擬議(ぎぎ)を容(い)れざれ。
頌
鞭策時々身を離れず。
恐らくは伊(かれ)が歩を縦(ほしいまま)にして
埃塵(あいじん)に惹かれん入らんことを。
相い将(ひき)いて牧得(ぼくとく)すれば純和(じゅんな)せり。
羈鎖(きさ)拘(こう)すること無きも
自(おのずか)ら人を逐(お)う。
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