引いた相手にどうするか 第6節 バルセロナvsエルチェ マッチレビュー
激闘のバイエルン戦から日数がたち、カンプノウに帰ってきた。今回の対戦チームはエルチェ。カディスと同じく今シーズンは苦しんでおり、いまだ勝利できていない。そのため勝ち点3を獲得するのは必須事項だ。
バイエルンに負けてしまったことを引きずって負けることが1番さあクなシナリオだが、どうなるか。
たくさんの方に読んでいただいているバイエルン戦のマッチレビューです。まだの方はぜひ!
それでは振り返っていく。
スタメン
バルサは若干メンバーを落として試合の臨んだ。ハフィーニャやブスケツ、ガビなどを休ませてメンフィスやケシエ、デヨングを起用した。デンべレは久しぶりに得意な右サイドでのプレーとなった。CBはエリックガルシアとアラウホの見慣れたコンビになってきた。
エルチェは5-4-1の布陣。とにかく守って守ってカウンターを狙う。注目選手はゴールキーパーのバディーア。180㎝とゴールキーパーにしては小柄な体格だが異常な反射神経でバルサに立ちはだかり、メッシに認められるほど。
いきなりの退場劇
本来なら1つ目のトピックとしてバルサのボール保持時について書くはずだったのにそうはいかず。試合の流れを大きく変えたエルチェのCB、ヴェルドゥの退場に影響について。
前半15分に背後へ飛び出したレヴァンドフスキの決定機を阻止したということでヴェルドゥが一発退場となった。5バックの真ん中でもあり、エルチェのキャプテンでもあったヴェルドゥの退場はエルチェの守備面と心理的側面に大きな影響をもたらしただろう。
ヴェルドゥが退場するまでは5-4-1でスペースを埋めながらがっちりと守っていた。高い位置でもミドルゾーンでもプレスはかけず、とにかくゴール前でバルサの攻撃を耐えしのぐ。
今シーズン大量得点を記録しているさすがのバルサでも5-4-1の統率されたブロックを前にすると手こずってしまった。攻撃のキープレイヤーであるレヴァンドフスキや、ぺドリはボールを受けても前を向かせてもらえず、デンべレはエルチェのSBを突破できたとしてもカバーがいるため、ドリブルでなんとかするというのは少し難があった。というかそもそもデンべレは1対2の状況を作られており、ドリブル突破はそこまで有効ではなかった。
しかし、バルサを手こずらせていたエルチェもヴェルドゥが退場したことで5-4-1で守りたかったエルチェは4-4-1でゴールを固めることになり、引き込んだ守備に少しずつ隙と対応しきれないシーンが現れることに。
これは1点目のレヴァンドフスキのゴールシーン。このゴールの一連の流れにはエルチェが10人になったことによる変化が表れている。
まず1つ目はデンべレに余裕ができたということ。ヴェルドゥが退場してもなお、デンべレに対して2人で対応するという点は変わっていなかったものの、退場する前よりもデンべレを深い位置までドリブルさせてしまった上に、次のプレー選択をさせる余裕まで与えてしまった。これによってデンべレはPA前で待っていたぺドリへなんなくパスを通すことができた。
もう1つはバルデのオーバーラップについていけなかったこと。本来の5バックであれば、エルチェの右SBがこのゴールのアシストとなったバルデのオーバーラップについていけたはず。しかし、最終ラインの枚数が1枚減ったことでサイドハーフがバルサのSBを見るために低い位置まで下がらざるを得ない状況になったが、後方から走ってくるバルデの認知に遅れたのか、テテモレンテが一歩遅れる形となった。
デンべレからぺドリ、ぺドリからバルデという高速の揺さぶりに加えて、オーバーラップという後方からの追い越しはただでさえ守備プランが崩れているチームにはかなりの脅威であった。
最後まで集中を切らさなかった守備
こちらもボール保持時と同じく、エルチェがボールを持っているときの局面の話をするつもりだったが、この試合でエルチェがボールを持っている時間はほとんどなく、ボールを保持してもロングボールで勝負するスタイルだった。
なので今回はこの試合で打たれたシュートをたったの1本に抑えたことについて触れていく。
シュートを1本に抑えることができた理由は
・退場による単純な数的優位
・高いボール保持率とハーフコートゲーム
・後方でのデュエルの勝利
などが考えられる。
退場による数的優位と支配率の高さは深く結びつく要因。人数が少なくなればエルチェはズルズル下がらざるを得ないのは当たり前である。そうなるとバルサはエルチェ陣内に押し込んでやりたい放題になる。また、ハーフコートゲームになったことでエルチェがボールを奪ったとしても目指すべきゴールがかなり遠く、ロングボールを主に使っていたためほとんどをアラウホにつぶされていた。
今シーズンここまで少ない失点で勝利し続けているバルサだが、その要因はゴールキーパーのテアの好調はもちろん、若さを取り戻したDFラインの選手たちの好調さ、1つの武器となっているハイプレスでもあると思う。
今回はDFラインの核であるアラウホに触れていく。エルチェ戦の最終ラインはクンデ、アラウホ、エリックガルシア、バルデという並び。この4人の平均年齢は21.25歳という驚異の数字。(クンデが23歳という事実に驚いた、、)
やはりこれからのDFラインのリーダーとなってくるのはアラウホで間違いない。これまでは大先輩ピケが長年にわたってDFリーダーを務めてきたものの、今シーズンは出場機会がほとんどない。そのため、アラウホがDFリーダーとして最終ラインを統率することが多くなる。ハイプレスを武器とする今のバルサにハイラインは欠かせない要素であるため、最終ラインの統率は大きな仕事。エルチェ戦でも一気に最終ラインを上げるときにアラウホが「上げろ!上げろ!」というようなアクションがあった。
今でもビルドアップ時の足元の不安要素は若干あるが、これまでに比べれば相当うまくなった。さらに、アラウホがとても上手くなったと思うのはロングフィードの精度。左サイドの深い位置へ届けるフィードはまさに大先輩のピケを彷彿とさせる。
これからもテア含め鉄壁の守備に期待。
なぜ3点しか取れなかったの?
前半早々に相手選手が退場し、監督も退場。前半で2点を奪ってこれは大量得点だ!と予感していた方も多かったと思う。特に後半は早くにレヴァンドフスキが3点目を入れただけで終わってしまい、物足りなかった。
自分なりに点が入らなかった原因を考えてみると、ぺドリがボールを持っていた時にぺドリより前の選手が全員エルチェの最終ラインと同じ高さにいたことだと思う。
この状況ではぺドリがボールを持つと平行サポートする味方の選手がいなくなり、前で待ち構えているだけの味方にパスを出すか、後ろに下げるしか選択肢はなく、これが攻撃を停滞させた原因だと思われる。
今回はここまで。いかがでしょうか。スコアだけ見れば快勝のスコアですが、内容を考慮すると不完全燃焼だった印象です。勝てたからよかったけど、欲を言えば5バックをバルサがどう攻略するか見たかった気持ちもある。(インテルが5バックだから)
インターナショナルマッチウィークで少し期間がありますが、余裕があればなにか書こうかなと思っています。
では。
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