『MONDAY(2000)』
酒に酔った男の悲劇。
天気予報を読む声。悪い夢でも見たのか、突然ベッドから起き上がる男。部屋をゆっくりと見回す。スーツ姿だ。そしてメガネをかけるとラジオを消し「駄目だ思い出せない。」と俯つむく。すると何かを思い出したのか、シャツの胸ポケットからタバコを取り出す。その時何かが落ちる。拾って見ると御清め塩と書いてある。場面は変わり、近藤家。焚かれた線香が映る。そして大きな祭壇に向かって手を合わせる先程の男。どうやら近藤家の葬儀に行っていたようだ。娘の横に座る喪主の母親らしき女性が挨拶をする。すると1人の男が「いい写真だ」と喋り出す。横の娘は兄がヘアモデルをやっていた時の写真だと言う。すると突然1人の女性が北ってどっちだっけと呟く。すると娘が棺の向きが北に向いていないことに気づく。そして全員で棺を動かすことに。棺の中のミツオは眠っているように綺麗だった。すると電話がかかってくる。なにやら先生から心臓のペースメーカーがまだ動いており、このまま火葬すると爆発してしまうということを知らされる。先生は慰安旅行に出かけており、自分たちで処理して欲しいと頼まれる。胸を開いて赤と白の線が出て来るから赤い方の線を切るのだそうだ。まるで爆弾処理のようだ。胸を切り開いて欲しいと頼まれるも、躊躇するが、ラジコンが趣味だという先程の男、タカアキに任せることに。恐る恐る糸切り鋏で胸の縫い傷を開くと配線コードが現れるのだが、血液のせいなのか、どちらも赤くなってしまっている。見分けがつかず妹が選択することに。すると突然ミツオの目が開くとピーッという機械音がなり出す。それに驚いた葬儀参加者は畳の上を一斉に後退りすると、ミツオは爆発。そしてホテルのタカアキはようやくその事を思い出す。顔を洗い部屋の外へ出ると、荷物を運ぶベルボーイと目が合う。新聞に目をやると社会悪には「悪」で制裁という見出しを見つける。妻をホテルに呼び出すも全く話を聞こうとしない。そして死体が爆発したと笑って話すと妻は黙って出て行ってしまう。カクテルをシェイクすると顔も一緒に振ってしまうバーテンダーにオーラが見えるという男。(野田秀樹氏)そして手相を見て笑う。ビー玉が転がり、女が止めると一目惚れ!?音楽に合わせて用を足す。トイレから戻ると客が総入れ替えされ、ヤクザの連中が揉めている。先程の女はヤクザに取られてしまう。男はヤクザの経営する店へ連れて行かれる。酒に酔ったタカアキは、誤ってライフルで花井組の二代目を射殺してしまう。そしてもう1人も殺してしまう。その後もライフルで殺していたことが発覚する。武装した警察が男の居るホテルへと侵入する。序盤はラーメンズのコントのようなシュールな展開が続く。宮藤官九郎監督や松尾スズキ監督とも近さを感じた。後半シリアスな方向に話が転んで行くのだが、どうしても物語の強度の弱さと軽さが気になってしまい、物語に入っていくことが出来なかった。最初の出オチでピークを迎えてしまったような印象は否めない。
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