Jablkový perník
チェコ留学中、ルームメイトのチェコ人の女の子がほのかにリンゴの香りがするスパイスケーキを分けてくれたことがありました。
彼女は毎週末実家に帰っていたのですが、この時は彼女のおばあちゃんお手製jablkový perník(ヤブルコヴィペルニーク、リンゴのスパイスケーキ)を持って帰ってきたのでした。優しい甘さで、スパイスとほんのりとりんごの香りが広がって、シンプルな見た目からは予想できなかった豊かな味わいに驚いたのでした。
レシピを教わって日本でも作ったのですが、日本のリンゴは水分が多いからか上手くいきませんでした。
今回のお休みでレシピの整理をして久々にこのケーキのメモを見つけ、再チャレンジしてみることに。リンゴもチェコのものに近い固くしまったものを、更に水分を切って使ったのですがやはり思い通りの焼き上がりにはならならず…。
ところが試食をお願いしたチェコ人の方から新たなレシピを頂けることに!彼女のお母さんのレシピでは、あの懐かしいケーキにかなり近い味わいになりました!彼女のお母さん、すごい!!
このケーキにはすりりんごをたっぷり混ぜ込んであるのですが、すりりんごでスパイスケーキを作るなんて日本人には無い発想だよな〜と改めて思います。
生地以外で意外と難関だったのがPoleva(ポレヴァ)。アイシングなどお菓子の表面にかけるコーティングのことです。
チェコにはこのpolevaをかけたお菓子が多いのですが、ネットショップでの販売ではこれが曲者なのです。
包装したまま数日置くと溶けてしまうし、溶けたアイシングがなどが生地に馴染むとケーキ自体の味も変わってしまうのです。折角の生地の風味がぼやけてしまうのは何だか残念。
このjablkový perník(リンゴのスパイスケーキ)も上にはチョコレートのアイシングが欠かせません。生地だけでも美味しいのですが、やっぱりpolevaがある方がより美味しいし、それが定番の形でもあります。
なるべく溶けるのが遅くなるように配合を微調整して、理科の実験のように何パターンも試したのですが、このケーキは水分が多いからか砂糖のアイシングが解けるのを多少は遅らせても完全に防止するのは、私には不可能でした。
このことをまたまた友人に相談したところ、このケーキにはガナッシュに近いコーティングが掛かっていることも多いとのこと。方向性を変更して、現在再挑戦中です。
友達のおばあちゃんが作ってくれた甘ーいアイシングも美味しかったけど、ビターなガナッシュも合う!チェコ人のOKも頂けて、やっと試作の終わりが見えてきました。何度も試食してもらったお友達には頭が上がりません汗。
こんな感じで子供たちを寝かしつけた後、コソコソと実験を重ねるのが最近の密かな楽しみなのでした。