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黒柳さんの原点

〈黒柳〉
いまはこんなに元気な私ですが、小さな頃は病気で苦しんでいたこともあったんです。
5歳を過ぎた頃、結核性股関節炎で入院し、石膏のギプスを腰から足の爪先までグルグル巻きにはめられて、上を向いて寝ているだけの生活が何か月も続きました。
お医者様からは「よくなっても、将来は松葉杖をつくことになるでしょう」と親は言われたそうです。
〈福島〉
それは心配されたでしょう。
〈黒柳〉
そんな時、隣の病室に、同じくらいの年で同じ病気の女の子がいることを知りました。
私はその後、奇跡的に全快しましたが、その子は後遺症で足が不自由になってしまったんです。
退院後しばらくして私が歩いていると、向こうからその女の子がやってきました。松葉杖をついていました。その子は、私の足を見ました。以来その子が見えるたび、私は急いで横道に隠れました。

ある時父と散歩をしていてやはり横道に入ろうとした私に父は「どうしたの」と聞きました。
そして私が事情を話し終えるとこう言ったんです。
「そんなにかわいそうだと思うんなら、隠れないで行ってお話ししてあげればいいのに」。

その時はどうしても勇気が出なかったのですが、私がいましている福祉やユニセフなどのことを考えると、出発点はこの時の父の言葉ではなかったかと思うんです。

月刊『致知』2013年10月号


子どもの時に勇気が出なかったと語る黒柳さん、
でもずっとずっとできなかったことを忘れない黒柳さん、

自分だけ幸せではダメだと感じて隠れてしまったが、「お話ししてあげれば」と言う父の言葉の方が正しいことも子ども心に強く感じていたのでしょう。

それが大人になってからもずっとずっと活動する原点になっているということ。

みんなで幸せにあることをいつも願って行動してある姿に感謝いたします。


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