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旭大市立化 住宅ニーズに影響?

こんにちは。(株)キュービック不動産広報です。
もうすぐ大学入試が本番を迎える。大学生は賃貸住宅オーナーにとり大切な「顧客」。今回は大学の形態の変化が賃貸住宅のニーズに及ぼす影響について社長に聞いてみました。(北海道経済2024.2月号掲載)

 現在、旭川市内には3つの大学があります。どの大学の周囲にも、学生が住むことを見込んだ賃貸住宅が存在しますが、その状況は大学によってさまざまです。

 緑ヶ丘の旭川医科大学周辺の賃貸住宅は高級感が目立ちます。中心街から離れていても、家賃は高めに反映されています。入居されるのは医師をはじめ富裕層のご子息が多く、「2LDKの新築に住ませたい」といったご相談が少なくありません。

 北門町の北海道教育大学旭川校の周辺にも、かなりの数の賃貸物件があります。医大の学生とは経済的な状況が異なり、リーズナブルな家賃の物件が中心です。永山の旭川大学周辺は、中心街からさらに離れているということもあり、より手頃な物件の比率が高まります。

 2023年4月に私立の旭川大学は旭川市立大学へと転換しました。これにより全ての学部で年間授業料が値下がりし、親の経済的な負担が軽減されました。その分を家賃に上乗せすることができれば、今後新築物件、やや広い物件が増えていくかもしれません。古くなった物件の建て替えも増えるでしょう。公立化で入試の競争倍率は上昇しており、これも家賃に微妙な影響を与える可能性があります。

 不動産関係者から見れば、旭川大学が市立化して今後も存続するのは朗報です。少子化の影響で、全国各地で閉学が相次いでいますが、旭川市内でも東海大学が旭川キャンパスを2014年春に閉鎖し、忠和など周辺地域では学生向け物件への需要が大幅に減りました。学生に代わり、社会人への賃貸を目指す物件もありますが、旭川市中心部からやや距離があり、値下がりは避けられません。

 旭川はまだ一定の都市の規模があるため、大学が一つ撤退しても壊滅的な打撃にはなりませんが、いまピンチに直面しているのは、北海道医療大学が2028年に大半の施設を撤退させることを決めた石狩管内当別町です。

学部1年生の定員は合計735人で、人口約1万6,000人の街にとってはかなりの規模です。少子化に悩む道医療大にとっても、キャンパスの都市移転は生き残りをかけた重大な決断なのでしょうが、学生向けの賃貸住宅オーナー様への打撃の大きさは容易に想像できます。

一方で移転先となる北広島市では、ファイターズ新球場の効果もあってかねてから不動産価格の上昇が続いており、今後、賃貸住宅ブームに沸きそうです。

 今年もこれから、大学に進学する方への物件のご紹介が本格化します。希望に合った優れた住環境が、楽しい学生生活を後押しするでしょう。