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入居審査「不合格」の理由

こんにちは。(株)キュービック不動産広報です。賃貸住宅への入居希望者が現れるのは、空室をひとつでも減らしたいオーナーの心理ですが、あきらめるしかない場合もあります。今回は賃貸住宅の入居審査について社長に聞いてみました。(北海道経済2023.9月号掲載)

 住まいを貸したい人と借りたい人の間をとりもつのが私たちの仕事です。入居者募集中の物件に「住みたい」という人が現れれば、契約を結んで住んでもらいところですが、現実には申し込んでいただいた方の2~3%が、事前審査を通ることができません。

 大半のケースでは「NG」を出すのは弊社ではなく、家賃保証会社が調査を行い、入居を希望される方の信用リスクが高いため保証ができないとの結論が出ています。

 昔の賃貸住宅であれば保証人がつくのが一般的でしたが、社会における人間関係の変化を受けて、最近は家賃保証会社が有償で入居者と契約を結び、未払い家賃が発生した際に補てんするしくみが一般的です。家賃保証会社としては、過去にお金にまつわるトラブルを起こしている人のためにリスクを負うわけにはいかないため、事前に調査を行います。

 調査の際に利用するのが指定信用情報機関です。クレジットカード、分割払い、銀行ローンなど個人の債務返済に関する情報は、この期間を通じて貸付事業を営む企業の間で共有されています。

たとえば、A社のカードで過去に返済を滞納してたことのある人がB銀行で住宅ローンを申し込むと、審査担当者がパソコンを通じて指定信用情報機関にアクセスして過去にトラブルがないか調べます。A社での滞納歴を見て、「これではリスクが高すぎる」と判断して、貸し付けを拒否する可能性も十分にあります。

家賃保証会社も同様のしくみを使って、事前にリスクを判定しており、一部の事例で「保証不可」の判断を下しています。

 重要なのは、個人にお金を貸す幅広い業界で情報が共有されているということです。お金を借りたり、クレジットカードで買い物をしたり、消費者金融を利用したりした後、期限を守って返済しなければ、その記録が残って、いつか予想外の場面でその影響が出てくる可能性があります。

 少数ながら、弊社として入居をご遠慮いただくしかないとの判断を出すことがあります。たとえば一戸建ての大きな住まいに1人で住む、逆にワンルームの物件で家族5人で住むなど、通常想定されるのとは違う使い方は、周囲の居住環境に悪影響を及ぼす可能性もあり、ご再考いただくしかありません。

 当社では、入居率を100%に近づけることを目標に掲げています。できることなら希望者すべてに入居していただきたいところですが、オーナー様のために家賃滞納や周囲とのトラブルのリスクを最低限に抑えるのも大切な役割です。そのため、入居審査で一部の方の入居をお断りするのもやむを得ないことだと考えています。