akirakodaira

立教大学大学院博士課程後期でファッションプロパティのライセンスビジネスの国内導入過程に…

akirakodaira

立教大学大学院博士課程後期でファッションプロパティのライセンスビジネスの国内導入過程について研究しています。研究と大学講師(ファッション、リテール)、コンサルタントの3つの領域で活動しています。研究の過程や、授業の内容、コンサル的な話を紹介していきます。

最近の記事

外観は「デザイン」じゃなくて「スタイル」

前回、私が研究テーマとして「デザイン」に着目した理由について、その背景を書いた。今回はデザインという語義と、現代のデザイン概念が形成されてきた経緯について、整理してみたい。 デザインというのは誰でも知っている言葉であるが、おそらく使う人によって解釈が異なっている。行政の施策でも、色や形のデザインを戦略的に利用しようとしていた時期から、デザイン力そのものを海外に発信しようとする時期を経て、「デザイン経営」が宣言されていたり、現在では高度デザイン人材の重要性を説いていたりする。

    • なぜ「デザイン」に着目したのか

      私はデザインについての教育も受けたこともなければ、絵心もセンスもないと思っている「非デザイナー」である。そんな私がなぜ「デザイン」に着目したのか。その背景を書いてみたい。 私と「デザイン」の関わりのきっかけ私は非デザイナーだが、今までの職歴の中で、良いものに触れる機会が非常に多かった。社会人になった当初は、百貨店の建装事業部という所にいて、素晴らしい建築デザインやインテリアデザインに意識しないままに触れることができ、そして職人さんの技や矜持というものについて身を持って学んだ

      • 「ドレス・コード?」展を観に行って考えたこと

        東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「ドレス・コード?–着る人たちのゲーム」展を観に行った。 なぜ観に行ったのか この展覧会は、ファッションが様々な分析視覚で語られる中でも、ファッションを「視る/視られる」という相互行為の中で成立するもの、つまり社会学的視点でキュレーションされている。 この展覧会、当初の予定からコロナ影響で変更になっていたのだが、楽しみにしていた理由がある。 博士論文の準備段階として、色々な先行論文を読みまくっていたとき、「ファッション・デザイナー

        • 「質的研究のデザイン」のお勉強

          なぜ「質的研究」か「質的研究」についての入門書を読んでいる。これから取り組もうとしている研究が、どうも量的研究で明らかにすることが難しそうだからだ。それは、演繹的方法(既存の理論モデルから研究の設問と仮説を導出して、それに実証データを用いて検証する方法)、つまり「私の仮説はこうです、データを取ってみたらそれが証明できました」にはハマらなそうなのと、何よりそっちの方がおもしろそうだから。 問題を大まかに示す「感受概念」から出発し、調査をしてみたら理論が作られた、という方がデータ

        外観は「デザイン」じゃなくて「スタイル」