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落下する夏

うだる様な暑さと身体にまとわりつく様な湿度に、今年も夏バテの予感をひしひしと感じているのだが、大人は夏休みもろくろく取れずにつまり私は今日も忙しく働き続けている。

しかし合間に相変わらず被写体依頼を頂き、それがある種自分の知らなかった自分との出会いの様で、写真とは
〝旅〟の様だなと思っている。

よく1人旅の異国の地で、自分を再発見するなんて言うけれど私は日本に居ながらにして、写真でそんな思いをするのだ。

自分を再発見 だなんて、なんだかひどく大それた事の様な気がしていたけれど、自分も知らなかった自分の表情に出会うのだから、再発見と言っても大袈裟ではあるまい。

花を見つめて、探る様な、試す様なそんな表情をした私が写っている。

まるで花と心中でもしたい様な。

そうして私は夏という季節の中に
落下していく。


#文章 #エッセイ #ノンフィクション #被写体
#65 #2017夏

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