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Subnautica #1 『サブノーティカ』の感想、その面白さを語る(バレなし)


先日、PS4『サブノーティカ』をクリアした。



海に潜ってキャッキャするだけのゲームくらいにしか考えていなかったため、遊んでいくうちにクラフト要素がガッツリあることに驚き、基地づくり要素があることに驚き、いやもうホラーゲームじゃねえかとキレそうになりながら、謎を解き明かす壮大なアドベンチャーが始まると、気が付けばそのどれもが新鮮と驚きと恐怖まみれの体験だった。
久しぶりに何日も朝まで遊び続けたゲームだった。

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ので、その感想と面白さを語ってみようと思う。
ネタバレは完全にカット、クリア後に攻略wikiなども見たうえで配慮してまったく予想もできないように書いた。つもり。


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いっぽうでネタバレ込みの話もそのうちしたいと思っており今回は#1とした。
とにかくこのページにはネタバレは無いので、これから買ってみようかという方が参考にしても問題ございません。

またそんな方にひとつ忠告があるとすれば、絶対にネタバレも攻略もプレイ動画も見るべきではないし、何なら私のように公式サイトやPVも見ないでいい。いやPVはワクワク感が出るので早めに見たほうがいいけど。


ここに何が居るのか、この先に何があるのか、情報が無ければ無いほどに楽しめる。今すぐにこのページを閉じてストアにGO。

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ストーリー紹介

導入を簡単に。

アルテラ社の宇宙船、オーロラ号は目的地とは違うもののある理由から未知の惑星に接近を試みるも、突如コントロールを失い墜落。
船員たちは脱出ポッドに乗り込み、海洋惑星の広い海に散り散りに叩き落されてしまう。脱出ポッドNo.5に乗っていた主人公が衝撃の気絶から目を覚ましポッドから顔を出すと、そこは未知の海のど真ん中だった…

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展開・誘導が自然

海洋サバイバルアドベンチャーと銘打たれているが、ゲーム開始直後は海がキレイだのアドベンチャーだの言っている余裕は一切なく、しばらくは常に死との戦いである。つまり乾きと飢え。

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周りを見渡す余裕ができ始めたら、宇宙船から爆散してしまった様々なツールの設計図がそこかしこに落ちていてサバイバルに役立つことに気づく。

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ツールが増えさらに余裕ができると、酸素ボンベなどを手に入れ、行動範囲が徐々に広がっていく。

そうしているうちに行動の中心となる拠点の重要性に気づく。電力を扱えるようになると乗り物やツールを安定して運用できるようになり、さらに行動範囲は拡大。

こうしてサバイバルをしながら他の船員を探したり惑星からの脱出方法を探っているうちに、あるものを発見、そしてあることが発覚する… この広い海すべてを相手にしたサバイバルアドベンチャーの始まりである。


このように序盤は生き延びるためにガチャガチャやっているだけで自然とゲームが進むようにデザインされている。オープンワールドは自由度が高すぎて何をすればいいか分からないという問題を解決できていると思う。
最初から持っているPDAに様々なデータが記録されていくが、サバイバル方法などマニュアルに値するものは初めから入っており、この通りに動いていればとりあえず死ぬことはない。世界観を崩さない誘導という面で見ても秀逸。

酸素による行動範囲の限定

オープンワールドと言えば見える場所すべてに行ける自由さが売りであるが、海中が舞台の本作では潜っていられる時間に限りがある。これによりゲーム制作者がまだ行ってほしくないところに不自然な障害物を置く、という残念要素が無く、自然な形で行動範囲が制限されている。

これ以上潜ったら死ぬ、とプレイヤー自らが足を止めてしまうのだ。

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これによりいきなり深海に潜って希少素材を手に入れて無双、ということはまずできないようになっている。だがエアパイプを延長しまくればできないこともないのがオープンワールドの醍醐味。まあ初回プレイでそこまで根気のある人もなかなか居ないだろうしそもそも無双ってなんだ。

ちなみに海面であれば勿論どこまでも泳いでいくことは可能だが、海面に素材は無いのであまり意味はない。またいわゆる世界の壁もあるにはあるが、見えない壁のようにあからさまなものではなく、これも自然にデザインされているので一見の価値有り。絶対にYouTubeで見るんじゃないぞ。

良い意味でゆるいクラフト要素、基地づくり

ビルダーというツールを作ると、基地作りができるようになる。
いわゆるクラフトや家づくりの要素だが、本格的なそれらのゲームとは違ってかなりゆるい。

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まず建物を構成するパーツが数種類の部屋と数パターンの通路しかなく、そのサイズなどはすべて同じ。
つまり予め用意されたブロックを連結していくだけのようなもの。

装飾も窓ガラスや照明くらいで、あとは内部にロッカーやら充電器などの設備を作って調査をしやすくしていくのが目標。まさに基地。

よくある土台を作って壁を作って屋根を作って部屋にして色がどうのこうの庭がどうのこうの…みたいな時間のかかる面倒な手順がなく、そういう"ガチ"なクラフトやハウジングがあるゲームを面倒に感じて遊ばない自分にとってはかなり丁度いいゆるさだった。なのでめちゃくちゃ熱中できた。

しかも一度作成したパーツはいつでもバラすことができ、使った素材は100%戻ってくる。よってビルダーさえあれば何度でもやり直すことができ、とにかく手軽で気軽に作っていける。ツールの作成に使う素材を取りに行くのがめんどうで建物をバラすなんてことも。

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サイズとデザインが共通というのは本当にラクで、適当に繋げても見た目がアンバランスにはならずそれなりに良い感じになる。
またあくまでも家ではなく基地でしかないので自分さえ許せれば見た目を気にする必要もないのもクラフト面倒派には嬉しい仕様。

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マップのないオープンワールド

道案内してくれるガイドもない。
そもそも海に道なんてものは無いので、準備や確認を怠るとマジで命取りになる。

唯一のゲーム的なガイドは、PDAのシグナル機能。信号を発するものの位置を記録し、HUDに表示し続けてくれる。たとえば脱出ポッド#5にもシグナルは表示されており、どこまで遠くに行ってもポッドまでの距離、方向だけは分かるようになっている。

そして墜落したオーロラ号がドーンとあるので、これを基準に方角を覚えていくことになる。

以上だ。


こんなに丸投げなゲームも珍しく、逆に感動した。これが孤独さや怖さをより引き立てており、間違いなくゲーム開始しばらくはポッド周辺から身動きがとれなくなる。

しばらくゲームが進むと他の脱出ポッドからの信号をキャッチし、発信場所のシグナルが表示されたりする。そこに行けば何かしら新しい発見があるためゲームとしての誘導の役割もあるし、シグナルはオンオフ自在なので動くことのない目印としてその後も最期まで役立つことになる。

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さらに役立つアイテムとしてビーコンがある。
海中に浮かせることでシグナルを出し続け、ラベルに名前をつけることができるので自分なりの目印となる。たくさん置きまくればマップを作ることも夢ではない、までは大げさだが、大げさなくらい置きまくっておかないと本当に彷徨い続けることになる。

自分の脱出ポッドの位置が常に分かるならそれを目指せば簡単に帰れるのでは?と思ったなら甘い。海をナメ過ぎである。

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この画像は基地のビーコンを目指しているところ。右上にある赤いのが脱出ポッド。

PDAというゲーム内資料からヒントを見つける楽しさ

PDAにははじめこそサバイバルマニュアルくらいしかデータがないが、スキャナーで様々なものをスキャンしていくうちにどんどんデータが増えていく。

未知の惑星ではどれが食べられる魚かさえも分からない。魚でも海藻でも落ちているモノでも、目についたものはとりあえずスキャンしていくのが未知の惑星を生きるコツ。

またほかの船員が残したPDAを見つけることがあり、行動の記録が残されていたりするのでこれらを集めていくうちに現状や問題点などが徐々にわかってくる。

前述のシグナルを頼りに進むのも大事だが、それだけで上手くいくほどそう都合よくはない。何をすればいいのか分からなくなることもあるだろうが、そんな時はこれまでに集めたデータを見返せば次に向かうべき場所のヒントが必ず見えてくる。

ストーリー

こういう体験を前提にした、本作で言えば海に潜ることが大きな目的のゲームはストーリーが薄いことが多いが、本作に隙はない。

とにかく設定も背景も補完もしっかりしており、最低限手に入るPDAだけでも話はちゃんと分かるようになっているし、物足りなければデータを集めて読み漁ることでより深く楽しめる。
脳内整理のためクリア後にPDAや他人の考察などを読み漁ったが、設定に矛盾や強引さが感じられないのが凄い。

どういう系の話かと言ってしまうと面白くないので説明しづらいが、真実を知って終わりではなくちゃんと完結までやってくれるので、最期にはきっと「いい話でござった…」となれるはず。

神経がすり減る深海の恐怖

とにかく怖い。しかしゾンビや幽霊を相手にする恐怖とはまた少し別物。
言葉で説明するのが難しいが、幽霊が「うわっ」という怖さなら、こちらは「うわぁ…」という怖さ。なるほどわからん。

かつて『バイオハザード』シリーズが「そこを歩くという恐怖」というコピーを出していたが、それが海という無限の世界で延々と続く。

暗く細い廊下の先に人の影が見えると怖いのと同じ。何もなくても何かがあるかも?が一番怖い。それを360度で体験できちまうんだ。

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ちなみに夜の海はこう。言うまでもなく自殺行為である。

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この画像は分かりづらいが海底に空いた穴を覗いているところ。もちろんこの中にも"行けてしまう"。底が見えないほど深いが、この先に進む勇気があるかどうか。


どうしても怖いなら音を消すのも一手。BGMと鳴き声が雰囲気を爆発させているのでかなり精神的に余裕ができる。白状すると私も時々無音でやっておりました。
ただし、音というセンサーを無くすということは、視界外からの突然の攻撃で心臓が家出するリスクが生まれるわけで……

さらに「これ以上はマジで怖くて遊べないので窓から投げたい」、というなら攻略サイトなどで目的地の予習をしてしまうのも最終手段として有り。まあ投げるよりは。

直感的な操作性

海モノは操作が独特になりがちなので、違和感なく動かせるのが地味にすごい。

左スティックで前後左右、L/Rで下降と上昇。
主観操作なので上にスティックを倒せば向いている方法に進むし、下に倒せば前を向いたまま後退する。潜る時は下向いて前進、上がる時は海面を目指して前進するだけでいい。L/Rはその場で高度が変えられるので位置を変えたくない時に便利だし、組み合わせれば視点を変えないままでも自在に動ける。

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洋ゲーらしさはあるがローカライズは完璧

UIのチープな感じなどはあるが完全に日本語に対応しており、PDA資料などにも違和感はまったくない。UIもすぐに慣れる。

販促

ということで遊んでみたくなったならPC/PS4,5/箱/Switchで検索。

環境があるなら選ぶべきはPCで、色々なストアで取り扱っているうえに要求スペックも数世代前のGPUで余裕なほど低い。

PS4はマシンパワーが足りていないのか後述の通り不具合が多いので要確認。Switchは続編とセットでパッケージされているので最もスターター向き。しかしPS4でこのザマなので発売後暫く様子見したほうがいいかも。他は知らん。

不満点・不具合

他は遊んでいないので分からないがPS4版は特に不具合が多いらしく、自分もいくつか遭遇した。

アプリケーションエラーが累計で5回ほどあり、これはアプリが強制的に落ちPS4のホームに戻されるというもの。
いずれもゲーム開始時のロード中に発生しているため、プレイ中に突然落ちてテンションが下がるということは一度も無かったのでまだ許せる範囲。

またロード直後は色々追いついていないのか、素材を採っても何も取得されなかったり、地形が明るい場所のはずなのに足元くらいしか見えなかったりしたことも。動き回っているうちに直ぐに解消される。

進行不可バグも多いらしいが、私は遭遇しなかったのでよし。

いずれもセーブをこまめにしていれば最悪の事態はまず防げるが、厄介なのはセーブ自体もかなりの負担がかかるようでガックガクになる。一応メニュー画面はポーズがかかるので、「セーブ中」表示が消えるまではポーズのまま待つのが吉。

あと仕様かパワー不足か分からないが、オブジェクトの読み込みがワンテンポ遅い時がある。海底にある素材を探していて何もないと思いきや近づくと急に出てくるとか。
乗り物を全速力で動かしていると海藻なども遅れて出てくるので画面を覆われるとびっくりするのでやめてほしい。まあ基本はゆっくりしたゲームなので頻繁にあるわけではない。


致命的な不満点こそ無いものの普通はこれだけ不具合に妨害されればクソゲー認定も止むなしなところ、それを押しのけて高評価の嵐なのだからゲームとしての面白さの凄さが分かるだろう。「エラー?じゃあもういいわ」じゃなくて「エラー?そこを何とか遊ばせてください!」と言いたくなる。大げさだけど。



以上、感想のはずがただの宣伝になってしまった。ネタバレを避けるとどうしても書けることが限られるので難しい。思いつつまま書いたので順番もひどい。

締めに良い感じの画像を貼って終わろうと思ったが良い感じの画像が無かったのでこれにて終了。


おわり

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