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C2C(CTOC)アプリの勉強:2サイドコンバージョンファネル(後編)

※この記事は、2018/03/07掲載のC2C社オフィシャルBlogの転載です。

2サイドコンバージョンファネルのお話(後編)です、アプリグロースの主要KPIである流通総額は「単価×コンバージョン数」、コンバージョン数は、「ユーザー数×コンバージョン率」は前回お話ししました。

従来のECなどのコンバージョンであれば、縦のじょうごのワンサイドだけでしたが、これがCtoCになると蝶番のように両サイドからの下記のような2サイドコンバージョンになります。

前編までお話しした、ユーザーストーリーの主語は、サービス利用者とサービス提供者でしたが、プラットフォームのオペレーターを主語にした場合は、それぞれのマッチングプロセスのコンバージョンとなります。

2サイドコンバージョンの図作成のポイントは、左右のユーザーストーリから中央のマッチングへのコミュニケーションループができるか?です。

コミュニケーションループは左右のユーザーストーリのアクティブ率(DAU)を複合的に組み合わせ、ループが切れないように設計する必要があります。

もう少し具体的に説明すると、ユーザーのアクティブ率の検証は、相談やお問い合わせ、共通課題やトレンドのフォーラム(フォロー、ライク、コメント)で2サイドのループを繋いでいく作業です、ループのゴールは予約なので、予約までのリードタイム、必要最小限のコンテンツ、アクションを見つけ出す事です。

これまでのナーチャリング、ユーザーエンパワーメントはワンサイドの場合、プラットフォーマーがコンテンツや在庫量のコントロールでKIP達成に向けてのアクションプランを作成できたのですが、2サイドのコンバージョンループの場合、プラットフォーマは提供者を直接コントロールできない為、マッチングに有効な変数が不安定になってしまいます。プロダクトフィットやMVP (Minimum Viable Product:実用最小限の製品) を超えられないアプリの多くはこの2サイドコンバージョンファネルのループコンバージョンの設計ができない、またはアンコントローラブルになっているケースがほとんどです。

アプリのグロースステップにおいては、いずれかの変数を仮固定、またはプラットフォーマーが一時的にコントローラブルにして、コンバージョンの測定を行うのがセオリーです。

事業モデルがスイッチ型の場合は左右対象モデルで考えますが、左右対象のコンバージョンファネルを最初からループ設計するのは難易度が高いので、まずは非対称からはじめ、各コンバージョンが安定してきたら、左右対象にした際のスイッチユーザーストーリを、非対称のコンバージョンファネルに重ね合わせ、各コンバージョンに上乗せしていきます。

ここまできたら、次にビッグデータのストックを開始してAIを活用します、具体的にはマッチング・予約トランザクションの総数(N値)を各定数、各変数と共にAIに学習させていきます。属性定数(年齢、性別)、行動変数(フォロー、ライク、コメント、予約)、マッチング因子(場所、時間、価格、趣味、職業)、評価指数(遅刻、キャンセル、レビュー、リピート率)を解析して個別ユーザーごとにサービス提供者と利用者の相性をスコアリングしていきます。アプリではスコアリングに基づき、各ユーザーのホーム画面やタイムライン、タイルに表示されるソートを行います、この状態がCtoCアプリの最初のゴールとなります、つまり利用者にとっては最適なサービス提供者を、サービス提供者にとっては最適な利用者を探せるアプリとなります。

以上2回に渡り、アプリグロースの方程式である2サイドコンバージョンファネルのお話をしてきましたが、最も重要なことは、検証チームが明確にステップを決め、そのスコープ内でのコンバージョンのKPIを設定することです、ここができれば、あとはキードライバーやキーファンクションを見つけるまで、ひたすらにプロトタイプ開発を進めるだけとなります。

村上英夫 / C2C PTE. LTD. 共同代表
九州大学大学院卒業
1973年生。福岡県大牟田市出身。学生時代に犬小屋設計で企業し、その後、大学院研究室の仲間と株式会社サハラ(現パイプドHD 証券コード:3919)を設立、メール配信プラットフォーム「SPIRAL」を開発、創業代表を務める。自身もインターネット総合プロダクションの株式会社ハイデザインズを設立し、多数の大手、人気アパレルのECサイト制作、開発、運営を行う、2010年アパレル特化型ECプラットフォーム「SPIRAL EC」を株式会社パイプドビッツに事業譲渡、その後ベトナムのEVOLABLE ASIA CO., LTD.の開発ラボで薛と出会い、CtoCプラットフォーム事業を開始、C2CPTE. LTD. 創業、共同代表を務める。


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