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「イキイキ輝く」を指標にキャリアを創る

会社の意向や当時の女性社員への扱いなどで、思うような働き方ができなかった時期も経験しながらも、自分がイキイキと輝く方向に進むことを諦めなかったなおみんこと戒能直美さん。自らのイキイキを頼りにキャリアを創っていくストーリーです。

Co-Active Story Vol.22 戒能直美(なおみん)さん
Profile:
短大卒業後パナソニックに入社。生産技術部門でパナソニックグループの実装技術の高位平準化と工場間の横串活動推進に従事したあと、調達部門で社内の電力調達を担当。
長い会社生活で、様々なチームで様々な業務を経験していた中、47歳の時に「もっと自分の力を発揮して、もっとイキイキと輝く毎日でありたい、そして誰もがそれを実現できるような支援を仕事にしたい」と思い、キャリアコンサルタントの資格を取得。その後、社内複業制度を利用し組織開発部門に飛びこみコーチングに出会う。
現在は、組織開発部門に異動し「誰もが自分の強みをベースにポテンシャルを発揮し、それを互いに尊重し合うことができるチームを増やすことで、毎日が楽しくてしょうがない人とチームがあふれる会社にしたい。」という思いで、システムコーチングも学びながら、人と組織のポテンシャルを引き出す活動に全力を注いでいる。

―今日はよろしくお願いします。まずは、コーチングを学ぶきっかけから聞かせてください。

私は、会社に入ってから20年以上技術部門にいて、40代半ばでいきなり社命で調達部門に異動したんですが、異動先では業務になじめず「この先、自分はどんなことで誰かの役に立つんだろう」「何が本当にしたいんだろう」って考えたんですね。その時に「対人支援のプロになりたいな」って思ったんです。

それで、まずはキャリアコンサルタントの資格を取りました。でも、それだけでは不十分だなと。もっと対人支援のプロになるために幅を広げたくて、コーチングも学びたいといろいろ調べていた時に、たまたま縁があって会社から機会をもらって学びました。


―対人支援のプロになりたかったんですね。

当時の私は本当に自己肯定感が爆下がりで、かなり悩んでいたんですよ。「私にはどんな価値があるんだろう」だったり「私は何を成し遂げるために生まれたんだろう」だったり。「この先もずっと仕事がしたい。貢献したいと思っているけども、何ができるんやろ」と考えていた時に、たまたま知り合いの人事の人に会って「最近どうしてるの?」という話の中で悩んでいることを伝えたんです。

その時、その人はキャリアコンサルタントの資格を取った時だったらしくて「僕な、最近こんなん取ったんだけど、あんためちゃめちゃ向いてると思うで」って言わはったんですね。それで、キャリアコンサルタントについて興味を持ち調べたら「なるほど」と。そう言えば、学生の時も友達にいろいろ相談されたし、そういうのがめっちゃ好きで。みんなが元気になってくれたらうれしいと思っていたし、「もしかしたら向いているかもしれん」と。その時、年齢も46だったので、今までの経験や年齢を活かせる道かなと思ったんですよ。


―そもそもなのですが、働くことについて結構、意欲的に捉えているように感じますがその辺はどう考えているのですか?

そうですね。これは、母の影響もあると思うんですけど、母もずっと仕事をしていて、イキイキしていたんですよ。だから、私もずっと若々しく、イキイキしたいなと思っていました。何がしたいっていうのはなかったんだけど…


―「イキイキ」働いていたい。

そうそうそう!


―じゃあ、そうやって働くうえで、どういうことがイキイキできることなのかなとか、そんな観点でキャリアチェンジも含めてやっていたなかで対人支援にたどり着いた。

そうですね。


―そんな中でコーチングを学んだ時は、どんな印象でしたか?

初めはね、正直びっくりしたっていうのが感想ですね。


―どんなところが?

どんなところ…。う〜ん、そうやね。フルフィルメント・コースに結構とまどいがあったかも。「何だこれ?」と思って。


―関わり方がってことですか?

先にキャリアコンサルタントを学んでいたじゃないですか。キャリアコンサルティングでは、クライアントさんが言わないことをこちらは言わないんですね。


―そうか。自分が感じたことや思ったことを言うということはない?

ないです。ないですし、同じ対人支援なんだけど、アプローチの仕方が違うから、すごく戸惑ったっていうのがありました。


―コーアクティブ・コーチングでは、感じたことは相手が考える材料として直感を口にしますからね。

うん、体を使うとかね。そういうのもちょっとびっくりしました。


―そうですね。体を使うのはコーアクティブ・コーチングの特徴のひとつですからね。他には、学んでいる中で自分について気づいたことや知ったことはありますか?

そうですね。意外と私、やさしい部分があるんだなって。自分のことをあまりやさしいとか思っていなかったんですけどね。


―そうなんですね。じゃあ、厳しいとか?

どちらかと言うと「厳しい」とか「きつい」とか思っていました。


―だけど、学んでみて自分にもやさしいところがあるなぁと。

自分でというより、周りから言われるようになりました。


―「やさしいよね」とか「やさしい人に見えるよ」とか?

はい。「うそー!」って思ってましたけど。


―「うそー」って思いながらもそう見えるんだな、と。自分が見ている自分と違う自分を受け入れてもらえるという経験でもあった?

そうですね。コーアクティブ・コーチングをやっている人って、みんないい人じゃないですか。素晴らしいなって思っててね。最初は、私とは違うと思ったけど、周りからは私もそういう風に見られているんだっていうことに気づいて。それが結構心地いいじゃないけども、私もそういう人間になれたみたいな。


―新たな自分の側面を知った経験になったのですね。ちなみに、学ぶ前は、職場ではどんななおみんとして仕事をしていたのですか?

若い頃は、割と運がよくて、愛嬌もあったから、なんでも上手くいっていたんですよ。根拠のない自信があったというか。もちろん努力もしてきましたよ。なので、人のことを「頑張れば、なんだって叶えられる。できない人は頑張りが足らんのや」みたいに見ていたんです。だから、嫌なやつだったんではないかな、と。


―と、自分の中では思っていた?

そう。自信過剰やったし。


―じゃあ、そこから経験を重ねて変わっていったんですか?

自分が異動先で苦しい状況だった時に、自分が「こうなりたい」と思ってもなかなか思うようにいかなかったり、自分の力を発揮したいのにできないもどかしさがあったり。「どうにもならへんこともあるな」とへこんだことがあったんですね。そういう時に初めて「こういうこともあるんだ」と。「今までこういう人たちの気持ちはわからんかったな。でも、周りを見たらこういう人いっぱいおるやん」って。


―そうですよね。ライフイベントなどもある中で仕事のキャリアを積んでいくっていうのは、なかなか思うようにいかないことも多いと思うんですけど、その辺の葛藤などはありましたか?

うん、ありましたよ。特に、私たちの若い頃って「結婚したら辞めるんでしょ」「子どもができたら当然辞めるよね」みたいな時代でした。「いやいや、仕事したい」って言ったら「は?」とか「え?子ども放っといて仕事すんの?」って周りから言われたりね。「関係ないやん。ほっといて。」と思っていたけど、そういう時代だったんでね。すごく生きづらいというか。でも、その中でもずっと仕事をしていきたいと思っていたし、「でも、どうやって?」とも思っていました。


―そうですよね。昇給や昇格なども、男性の方が有利なこと多いですからね。

対象にすら、ならなかったからね。


―それでも、あきらめる人も多い中で続けてきたわけですよね。その辺りは自分の中でどう整理をしたり、一歩を踏み出してきたのですか?

そうですね。「周りが認めてくれへんのやったら、認めてくれることせなあかん」と思ったんです。社内でモノづくり技能競技大会っていうのがあって、私は機械製図の部にエントリーしました。課題の図面をいかに早く正確に仕上げるかで順位を決めるんやけど「金賞取ったら、みんなの見る目が変わるやろな」と思って、仕事の後や土日も自主練して。私は短大の家政科卒なんですけど、周りはね、みんな理系で院卒の優秀な技術者ばっかりなんですよ。よく、まぁそれに出るよなっていうのがあるんですけど。


―へえ、すごい!

そうそうそう。で、そこに出て金賞を取りました。ははは。そしたら、周りの見る目が変わってきたんです。


ー結果を出したことで?

うんうん。そういう努力はすごくしたかもしれませんね。元々女性が少なくて、職場の花的なことを求められていた時代だったので短卒の私が、昇格するみたいなことを誰も期待もしていなかったし、自分でもなれるとも思っていませんでした。


―その中でも続けられたのはなんだったんですか?

今思えばですけど、自分のことを信じていたのかもしれないですね。周りから何を言われても「いやいや、私は大丈夫」って変な自信があった。


―そうですか。じゃあ、いろいろ制限はあったけど、こうなりたいなという何かがあって、それに向かって試験やコンテストに出たりしていたんですね。

そうですね。表彰されたりすることには、積極的に出ていました。電話応対コンクールとかも全社大会で最優秀賞を取ったりとか。女子社員が少ない中で出るもの、出るもの、賞を取っていくから、技術部門におった時は「すごいな」って言われてました。


―周りからの見る目が変わるとか、どんどんと期待されるとか、そんなことも感じた?

そうですね。でも、その時を振り返ると自信過剰な嫌な女やったと思う。ふふふ。あのまま行ってたら、多分、今の私はない。


―じゃあ、その自信過剰をへし折られるような異動の機会があったことが、結果的に対人支援へつながる入り口でもあったわけですね。

そうですね。異動先では、毎日毎日朝から晩まで数字を扱う業務だったんやけど、実は私、数字が大の苦手で。なのでミスも多く経理から毎日怒られ、同僚にも迷惑をかけてばかりで毎日がほんとに苦痛でした。本来は明るく、めっちゃ話好きなのに、あの頃は暗かったですね。技術部門とは違う職場の風土にもなかなか馴染めず・・・。そんな時に、キャリコンに興味を持ち勉強を始めました。

勉強を始めて感じたのは、やっぱり人が好きなのかなって思ってて。人にすごく興味があるんですよ。特に私がなんとかしたいって思うのは、自分のこれからの人生やキャリアに悩んでいる人や自信を無くして弱ってる人です。


―つい関わりたくなったり、応援したくなるのはどういう人ですか。

そうですね。例えば、本当はすごく力を持っているのに、たまたまそこでは発揮できなくて、シュンってなっている人とか。今で言うと、特に私と同世代の50代でバブル世代の人ってたくさんいるんだけど「働かないおじさん」とか「妖精さん」とか、あんまりいい感じでは言われないこともありますよね。でも、この人たちがこれまでがんばってパナソニックを支えてきたと思っているし。

確かに、いい時代を過ごして、そのままゴールに向かっている人もいるかもしれないけど、でも、まだまだ活躍できるんですよ。だけど、周りがそれを期待していないから諦めてっていう人もたくさんいるじゃないですか。それはもったいないなと思ってて。「まだまだできるで。これからや」と。


―そこはなおみんの熱が感じられますね。

そう。必要ない人なんて絶対いないじゃないですか。どんな人でも絶対、なんかいいもん持ってはるんですよ。それを自分が自覚して、活かしていけたらみんな楽しいし、会社にとってもいいじゃないですか。


―実際にコーチングをしてどんな風に変わった方がいらっしゃるんでしょうか。

最近関わった人で、「定年まであと1年やけど、これと言ってやりたいこともないし、この先どうしよう・・・」と言うてはったんですけど、これまでどんな人生を歩んできたのか・・・何を大切にしてきたか・・・どんなことに興味があるのか・・・に好奇心で色々と聞いたり、寄り添っていたら、最終的には出るわ出るわ、次々と。「なんか、何でもできる気になってきたわ。まだまだこれからやなー。」って、やりたいことで目をキラキラさせてはるんですよ。


―それはうれしいですよね。

はい、うれしいですね。「もう、これをずっとやっていきたい!」と思いました。


―これが天職だ、みたいな?

天職…天職かな、うん。どうかな。でも、やりたいって思う、ずっと。だから困っているとか誰かにすがりたいというものが出ている人には寄り添いたいです。私のアンテナがピピピと察知するんですね。


―そういう人を見つけるわけですね。じゃあ、見つけてもらえた人はラッキーですね。

そうなのかな。以前の部署で、私自身もしんどかったんですけど、私みたいにしんどそうな人が何人かいて。この人大丈夫かなと思った人に「ランチ一緒に行かへん?」って声をかけたりして、なんとなく気にかけていたんですよ。

そしたら、異動する時に「あの時に声をかけてもらったのがうれしかった」とか「ほんまに辞めようと思ってたけど、耐えられた」とかね。そういうのを聞いて、役に立ててよかったじゃないけど、やっぱりうれしいですよね。


―それをそのまま仕事にしていますね。なおみんがその人をサポートしたい、応援したいという想いをそのまま仕事に転換しているのがすごくいいですよね。まさに、なおみんの人柄をそのまま職業にしました、みたいな。

言ってて「私、そんなにええ人か」みたいな。はははは。


―コーチングを学んで、応援したい気持ちをそのまま形にするということを今やっているんですね。

はい。みんな本当にいいところがあるから、それに自分で気づいて意図的にそれを使えるようになったらみんなハッピーだなって。そういう世界を創りたい!


―そういう世界を創りたいと言ってくれましたけど、自分のキャリアや未来に向けて、どんな野望や展望、やってみたいことがありますか?

そうですね。今年、社内コーチング展開活動ワーキングというのをチームメンバーと一緒に立ち上げたんですね。それで、キックオフイベントをしたら、社内にコーチングに興味がある人がいっぱいいるってことがわかったんですね。

そのイベントに200名くらい参加してくれました。実は、隠れコーチではないけども、社内にコーチの資格を取っている人も結構いたんです。それで、私もそうだったんですけど、人事じゃない人がコーチングの資格を持っていても、どう活かしていいのかなかなかわからなかったっていう人もいるんですね。もったいないじゃないですか。だから、そういう人もコーチングができる場を創りたいし、コーチングを受けたい人もたくさんいるから。社内版のコーチングのマッチングサービスみたいなものを創りたいです。


―そこに向けて、今、邁進しているところなんですね。そういう姿は、ご家族の人にはどんな風に見えているんでしょうか。パートナーやお子さんから何か言われたりすることはありますか?

どうなんでしょうね。ちょうど私がコーチングを学んでいる時って、息子や娘は高校生や大学生で、自分自身で進路を決めていく時だったんですけど、家族にはあまり活かせていないなって。


―結構親の姿から感じ取っているものがあると思いますよ。

ははははは。でも、結局ふたりとも自分の好きな道に行けています。


―へぇ。じゃあ、自分の好きなものを見つけて、そこにチャレンジして仕事をやっている?

そうですね。


―そういう姿を見せているからというのもあるんじゃないでしょうか。だとしたら、うれしいですよね。

はい、うれしいです。


―自分のやりたいことをやっているっていうのは、きっと伝わるじゃないですか。言葉じゃなくて。それは一番うれしいですよね。

確かに。ふたりとも自分のやりたいことを仕事にしていますからね。


―今日はお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。


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