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自分を相手を信じる力を得ていく物語

これまでは自分の想いや考えを自分の内側に秘めることでそれをエネルギーにしていたという、りんちゃんこと林 美輪(りん みりゅん)さん。リーダーシップに参加して仲間たちとの関わりで、内に秘めたものを外に出して使うことをチャレンジし、それが自分のためにも相手のためにもなるリソース(資源)だと実感したそうです。自分を信じることが、周りを信じることにつながったという経験のストーリーです。

Co-Active Story Vol.23 林 美輪(りん みりゅん)さん(りんちゃん)

Profile:愛知県名古屋市出身。日本で生まれ育った在日コリアン3世。大学卒業後、総合広告代理店に営業職として就職し新規営業、広告企画提案を行う。その後、クラウドファンディング運営会社にて資金調達をサポートするキュレーターとして、プロジェクトページ編集や達成施策の設計、実行者のモチベートを行う。
大学在学中に出会ったコーアクティブ・コーチの、人の可能性に焦点をあて進化を促す在り方が忘れられず、コーアクティブ・コーチングを学び始める。2015年CPCCを取得しコーチとしてパーソナルコーチングを提供開始する。
2018年NPO法人ETIC.に参画し、社会起業塾コーディネーター、ローカルベンチャー事業など、起業家や起業家支援団体の伴走支援にコーアクティブ・コーチングを活かす。2023年9月、コーアクティブ・リーダーシッププログラム修了。


―今日はよろしくお願いします。まずは先日終えたばかりのリーダーシップ・プログラムがどういう体験だったか、感想から聞かせてもらってもらえますか?

リーダーシップ・プログラム、本当によかったなって。今それが一番に出てくる言葉ですね。一番よかったことは自分を含めた17人の仲間、トライブ(注:リーダーシップ・プログラムのチームの呼称)と出会えたことです。トライブとみんなで学んでいって、それぞれの人生の目的を探求し合って、そこに対して背中を押すみたいな関係性ができた。10ヶ月間本当にみんなで関わり合ったということが何よりもよかったですね。うん。


―これまでも人生の中で、学生同士や会社の同僚など、関わり合いは経験していますが、リーダーシップ・プログラムの関わり合いの何が特別だと感じたのでしょうか。

なんでしょうね。まず、全員があきらめていないというか。自分の人生にも仲間への関わり合いにもあきらめていない感じがあって。自分にも相手にもどんどん入り込んでいくっていうのが、これまでの学校や同僚っていうコミュニティとは違いました。

コーアクティブというのは、ひとりでやらないと思っていて。例えば、コーアクティブ・コーチングならコーチとクライアントで一緒にとか、コーアクティブ・リーダーシップでもコーリードと言って、2人のリーダーで創る場面があったり、プログラム全体がひとりではできないようなものになっていて。

絶対に相手を必要としているし、相手から教わることがあるし、そのフィードバックや関わり合いが、全く知らなかったことを見せてくれたり、体験させてくれたりしました。そうすると、私たちは関わり合っているという前提があって、創っていく感じになる。それは、必ずしも直接的に一緒に作業するということではないんですけど。


―一緒の場にいる時間は、リトリート期間の1週間とかそれが合計4回とか限られているけど、その関わりの経験はりんちゃんの日常の生活にすごく影響を与えたんだろうと想像しますが、それを経験をしてきたことで、りんちゃんの日常にどんな影響がありましたか?

私は、トライブの仲間から「力強い」っていうフィードバックを結構もらったんですね。関わり方や人に与える影響が。ただ一方で、それをあまり受け入れられなかったし、この力強さをあまり出してはいけないと思っていました。だから、これまでは感情や想いはあるんだけど、出すと言うよりは内に秘めている感じでした。

でもトライブのみんなの前でそれを出した時に、私の強みとして受け取ってもらえた体験によって、日常に戻った時にも躊躇なく出せるようになったし、「りんちゃん、力強いね」っていうフィードバックをよく受けるようになったのですが、それを受け取れるようになりました。


―内に込めていたものを出すようになった。

しかも、自分としてもどんどん使いやすくなっていて、例えば会議で発言をする時や進行する時に「ここで使えるぞ」っていう感じで意識的に使うようになりました。

「力強い」って言うのは、別に力を入れているわけじゃないんです。言いたいことがあった時に、自分に許可を出してスパンと言うと、そういう力強いインパクトになるってことだと理解しています。自分の思っていることや感じていることを100%許可できるようになったのが、日常での一番大きな変化かもしれないですね。


むすひトライブ

―周りに与える影響がパワーアップした感じですね。所属している組織など周りにはどんな変化が起こっていますか。

フィードバックは多く受けますし、以前よりも頼ってもらえるようになってきたり、周りから余計な不安がなくなったりしているのかなって感じます。


―頼もしい、頼りになるとか、心理的安全ですね。話しかけても大丈夫そうとか、お願いしてみようかなと思わせるような。

そうですね。私が会議で不安そうに話しているとみんなも不安そうになるけど、私が安心して話していると安心して関わってくるっていうのは本当にあるな、と。私がそう感じているだけかもしれないけど、相手にも影響していそうだな、と感じます。


ーそうですよね。そこは伝わりますよね。そうすると、みんなも話しやすいし、話す質も変わって、当然会議の質も成果も変わっていきますね。

リーダーシップ・プログラムへ行って、「自分がすごく頼りになる」ってことを掴めたのがとてもよかったです。さっき、ひとりでやらずに助けを求めて仲間とやっていく、仲間を頼るっていう話をしましたが、コーアクティブって何が起こるかわからないところがあって、結構カオスで未知な気がしています。そこから、枠を打ち破ってソリューションの時もあれば、ものすごい感情が色々出る時もあるし、なんかわからないけどそれが起こる時って、自分の軸が倒れてしまって、恐れや不安にキューンと引っ張られる感じがあります。

でも、「自分が頼りになるよね」ってところに立ち返ると、その場にいる仲間を頼ることができたり、その場で起こっている事を頼ったりできて、自分だけじゃなくていろんなものとクリエイトできる感じがあって。その感覚は、日常で困った時に結構使っています。


―なるほど。「立ち戻る」「頼る」と言うのは、すごく自分を信じる筋力がついた、まさに自信を持つ感じですね。

そうそう、そうですね。だいぶ持てた気がします。


―これはりんちゃんの人生にとって、結構大きな智慧になったと思うんですが、コーアクティブを学ぶ中で自分を信じる力、立ち戻れる力がほしいと思っていたのでしょうか。

うんうん。たぶん、それはずっと昔から思っていたと思います。いつぐらいかな、中学生とか覚えていないくらい、だいぶ前からだと思うんですけど。なんで自分を信じる力がほしいと思っていたかはちょっとわからないけど、不安だったのかな…。


―なんとなくそういうものがあって、どこかで追い求めていた。そんなものだったのでしょうか。

そうですね。


―こういう、そこはかとない不安という類のものって、誰の中にもありますよね。そこをそのままにしなかったっていうのが、りんちゃんにあったと思うんですよね。

あぁ、なるほど。そうですね。コーチングに出会う前、まだ大学生の時に授業で、講師としてコーチの人がやって来たことがありました。コーチという呼び方ではなかったんですけど。その人の関わりが、あきらめていなかったんですよね。

学生の可能性や持っているものに焦点を当て続けてくれていました。その関わりが自分を力づけてくれたし、そういう風に関わってくれたことに対してありがたいなって思うし、自分を立ち戻してくれました。

リーダーシップ・プログラムでのあきらめない関わりも自信の探求を続けさせてくれたと思うし、自分自身もそこに対して何かあるって思っていたんでしょうね。信じたいこととか、願っていることとか、なんかわからないけど、多分それが私の中にもあるから、見ないわけにはいかないっていうか、見つけないわけにはいかないっていうか。

自分への期待や尊重とか真っ当な扱い方っていうところに対してあきらめないことには、結構貪欲かもしれないですね。


―そこをあきらめずに、「もっと知りたい。もっと信じられるようになりたい。そのためにはどうしたらいいんだ」ってところを持ち続けた。あきらめなかったっていうのがここに辿り着いている大きな要因ですね。

そうですね。


―日常では、割と自然にあきらめることもありますよね。そこを自覚的にあきらめる、あきらめないっていう選択をしている感じがして。りんちゃんがあきらめなかったのは、そこに対して意思があるって感じが伝わってきます。

そうですね。自分を信じることが、相手を信じることにもなるし、そうですって言える感じです。私が自分のことを信じることができるということは、私が日常で誰かと関わる中で相手が大事にしているものも見れるということじゃないかと考えています。


―そうか。相手がどんなことを大事にしているのか、どういう人なのかも含めてそこはしっかり見たいし、見つけられるようになりたいし。そういう思いが元々りんちゃんの中にあった。

そうですね。まだ言語化できないんですけど、最近すごく思うのは、なんて言うんでしょうね。なんかね、信じたいのは、含まれているっていうか。ダイバーシティ&インクルージョンとか言うけれども、自分が自分の自信や自分のことに対してあきらめないのは、一人ひとりが大事にされることにつながっている気がするんですよね。

そういう社会がいいし、私が知らないところで誰かが誰かを含んでいて、助け合っていてということがいっぱい起こっていると思うんですけど。そういうことにすごくリスペクトがあるし、上手く言えないけど、自分を大事にするってことは、一人ひとりが大事にされる可能性がいっぱいあるっていう、そこにつながっている感じがするんですよ。


―あぁ。自分を大事にするってことは、自分のためだけじゃなくて、人のためになるっていうことなんですね。

そうそうそう。そんな気がしています。


―そして、それは「恐らく絶対そうだろう」みたいな確信めいた実感を持っている感じですね。そこはまさに信じているところと言うか。

そう。そうですね。私がそれを言えたら絶対に伝えられる、伝わる。私の真実として話したいっていうのがすごく強いですね。


―自分の真実を伝えるんですね。

そうですね。


トライブの仲間とコーリード

―それはとってもパワフルだし、まさにリーダーですね。りんちゃんの周りには、そういうインパクトが起こるんですね。それは「パワフルだよね」っていうフィードバックも来るでしょうね。

そうですね。


―こういう経験をして、そういう力を得て、今後これをどう活かしていきたいですか。

そうですね。まずは、関わっている非営利組織団体や、社会起業家、事業に挑戦する人、コーチングのクライアントに関わる時に活かしていきたいです。私は今、NPO法人ETIC.(エティック)という組織で、個人や社会課題に関わることなど、いろんな話を聞いたり、そこに対してプログラムを提供していて、その中でも、社会課題に向き合い課題解決の現場に奔走する社会起業家に対してWAKEUPのコーチたちとコーアクティブ・コーチングを提供していくWAKEUP FOR PEACE(うっぴー)という活動をしているんですけど、 そこにおいて、活かしていきたいです。在り方としては、私が真実を自分で伝えるとか、まっすぐに関わるって言うんですかね。いろんな課題背景や現場に対して、できる限りちゃんと見たり、知ったりすることをしていきたいと思います。コーチングでもクライアントさんに対してそんな風に関わりたいなと思いますね。


エティック×ウエイクアップ WAKE UP FOR PEACE メンバー

―そうですか。とっても楽しみですね。今日話を聞かせてもらっているときに、りんちゃんが自分の大事なことを話しているとき、こちらの胸にスーッと言葉が入ってくる清涼感のあるインパクトを受けました。これを日常で届けているのでしょうね。ありがとうございました。

はい、ありがとうございます。


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