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コーアクティブ × 看護

看護師長としてスタッフとの面談で以前は相手よりも自分が話していることが多かったという大野さん。学んだことで相手が話す量が多くなって、元気になっていく変化を実感するようになりました。その関わり方とあり方を身につける中で、大野さん自身にも変化がありました。

Co-Active Story vol.5 大野 朋加さん
プロフィール:
職業:看護師(看護師長6年目)(2019年現在)
2015年4月基礎コース受講
2015年11月コアカリキュラム修了 
2016年9月リーダーシッププログラム参加
2018年4月にCPCC資格取得


Q:本日はインタビューよろしくお願いします。

はい、よろしくお願いします。


Q:まずコーアクティブコーチングを学ぼうと思ったきっかけは何だったのですか?

きっかけは夫がコーアクティブ・コーチングを学んでいまして、楽しそうに学んでいるように見えたんですね。仕事だけでなく自分の人生にも役立っているようなことを言っていましたし、実際近くにいてコーチングを学んでから彼の雰囲気が変わっていったんですね。それが気になって「コーチングっていいの?」って聞いたのがきっかけです。ちょうど色々と悩んでいたんだ頃だったと思います。


Q:当時のお仕事はどんな役割だったのですか?

看護という職場の中で管理者となって2、3年目でした。スタッフを35人くらい抱えていて、患者さんに直接関わるよりもスタッフと関わることがほとんどでした。スタッフを通して患者さんを知ることになっていました。それでスタッフのことをよく知る必要があったのです。

目標面談が年3回あるのですが、そこでスタッフが何を考えているのか、何を目指しているのかを聞き出したかったのですけれど、気づけば自分の思いを伝えていることの方が多く、苦痛まではいかないけどどう聞いていいかわからずにいました。

私はカウンセリングも学んでいたんですけど、なかなか人の気持ちはよく分からなくて、面接をしていても一問一答みたいで、聞いたら答える、それで会話が終わるみたいな。全然話が深まらなくて、やっていて自分も相手も楽しくないし。夫にコーチングについて聞いたのはそんな時でした。

それで「そんなにコーチングがいいなら私にやってみてよ」って言ったんです。それでやってもらったらたったその一回で自分の中の奥が見えて、これまで経験したことないような感覚があったんですね。それでこれは面白いと思ったんです。


Q:自分の奥ってどんなものですか?

どんな気持ちを持っているかに気づいたり、心や体の声を聞いてみるような感じです。奥を見ていくと響く感じ(生き生き感)も出てきて「これ、やってもらうのもいいけど、自分がやりたい!」って思いました。それでまず基礎コースだけ行こうと思って早速申し込みました。


Q:受けた時の印象は?

内容は面白いなとすぐに思いました。ただ実は受ける前に自分はコーチングができるだろうなとなんとなくの自信というか、カウンセリングもやっているし、人の話は他の人より聞けているはずと思っていたんですね。それが全然できなかったんです笑。それでちゃんとコーチングを身に付けたいと思い、応用コースも行くことにしてコース終了後の帰り途中でスマホから申し込みました。

Q:決断が早いですね笑。普段からですか?

そうそう、普段からですね。


Q:コーチングを先ほどの目標面談で活かしたのですか?

はい、これまでとは違い意識が自分ではなく相手に向くようになったので、結果的に私よりもスタッフが話す時間が多くなりました。時々「じゃあ立ってみよう」とか言って体を使ってみたり。これまでの看護師長との面談でそんなことされたことなんてもちろんないわけですからちょっとびっくりしていました。スタッフの間で「大野さんとの面談はなんか面白いことやらされるよ」という話が回っていたみたいです笑。

面談でコーチングを使うようになってからスタッフが自分自身のことをよく知ることで元気になっていきました。自分にはどんな強みがあるか、私からも伝えたりして、ちゃんと自分のことを見てくれているというのが伝わると安心をして元気になるんですね。その姿を見て私も元気になりました。時には自分と向き合うことは元気になるだけじゃなくて課題に向き合うこともあるのですが、それも一人じゃなくて必ず私も一緒に向き合っていくからねって伝えることで次に進めるようにしていきました。


Q:朋加さんの応援している気持ちがそのまま伝わるようですね。

そうですね相乗効果というか、スタッフがどんな気持ちを持っているのか、どう捉えているのか、何を大事にしているのかなどいろんな側面がわかるようになったのは私も嬉しくて一緒に頑張っていこうとお互いに思えるようになりました。


Q:どんな関わりがお互い元気になっていく方向に進んだのでしょうか。

特にコーアクティブコーチングの凄さは礎だと思っていて、スキルも大事だけど、本当にその人には可能性があるんだって信じて見て応援することが大事だと。そのスタッフを私が応援してあげる姿勢はまさに礎そのものなんです。

これまでダメ出しされていたスタッフが可能性を見られるようになったことで、自分のいいところを見られるようになったし、だからこそ自分の課題にも向き合えるようになったんだと思います。


Q:相手をどのように見るかが大事ですね。それがあるから変化が起こったのですね。

そう、一人一人の変化が見て取れるので楽しくて仕方がなかったです。


Q:まさに相乗効果ですね。

そうなんです。

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Q:朋加さんはコーアクティブをどのように捉えているのですか?

私の言葉で言うと「共に歩む」って感じなんです。私は一緒に歩んでいくサポーターになりたいのです。下から支えると言うよりは一緒に歩きながら伴走している感じ。「アクティブ」ってついてるくらいだから行動もあるわけじゃないですか。相手が躊躇していたり迷っていたりしているときに「大丈夫だよ!」って背中を押せる。そんなイメージもあってそれが私の言葉では「共に歩む」なんです。


Q:黒子とは違ってサポーターとしての存在感がありますね。

いつもべったりくっついているわけじゃないけれど、はっと気づいた時に私の存在を思い出してくれればいいし。そういうスタンスでいたいんです。看護とコーアクティブコーチングはすごい相性がいいんです。


Q:エンパワーするって感じですね。

そうそう、エンパワー大好きです笑。

Q:コーアクティブコーチングやリーダーシッププログラムで学び始めてから4年ほど経ちますが、ご自身の変化をどのように感じられますか?

「コーチングやっていて何が一番よかったですか?」って聞かれた時にすぐに出てくるのが「楽になったよ」です。

今までは「マネージャーは分からないとは言えない」とか「他からこう見られたい」という意識がありましたが、それを手放せたことで楽になりました。

私「分からない」って言うのが苦手だったんです。分からないことがあっても知ったかぶりをしちゃうとか「分からない自分」や「できない自分」とかを見せないように頑張っていました。


Q:人からこういう人だと思われたいと自分を作り上げる感じ。

そうです。あるべき姿を勝手に自分で作り上げてそれに向かって頑張っていましたが、実はそれをすることが結構疲れることだと気づいたのです。それで手放すことにしました。というかそうなっていきました。


Q:最初からそういう自分を変えたくて学び始めたわけではなく、スタッフとの関わりを学びたいと思って始めましたよね。それが作り上げている自分に気づき、それを手放すことになったのは何かきっかけがあったんでしょうか?

一つじゃないと思うのですがコーチングを受けるのも大きくて、自分の本心じゃないことが出てくるとコーチは見逃さないじゃないですか。「あー、バレちゃったか」みたいな笑。弱い自分も受け入れたり、心の中にある痛みとか。そんなものと向き合うことでそういう変化が起きたんだじゃいかな。

結果的に「私は何者なんだろう」という問いにコーチングをしていても、受ける側にいてもそこに行き着く感じがしていて、そしてやっぱり自分なりの腑に落ちる答えがあるんです。一旦そこまでたどり着いたら、何を大事にするのか、手放すのかがはっきり見えてきました。そうやって楽でいられる自分になりました。


Q:自分と向き合うことの価値を感じていますね。

まさしくコーチングってそうだと思うんですよ。自分が経験したからこそいいよって思う。


Q:今後の自分についてはどんなこと描いていますか?

自分が体験したことを伝えていきたい。一言で言うと人を育てたい。リーダーを育てたいという思いがありそこに向かっていくのが自分の今とこれからのキャリアです。


Q:明確ですね。

自分の人生を自分がリードすることがリーダーだと学び、リーダーでいることによってどこまでも自分の時間や世界を広げていけて、人との関係性も楽になるし、全てにおいてリーダーであることが自分の人生を歩んでいるんだっていうのを実感できているので多くの人にそうなってほしいと思います。本当に学んで欲しいと思っていますし、時間や環境で学びに行けない人には、私は何ができるだろうと問いを持っています。

看護の仕事をしているからかもしれないけど「生まれてきてこの命一度限り。ならば命を使い切りたい」と私は思っていてそのためならなんでもやるし、どんなことでもチャレンジしたいし、私を使って欲しいと思っています。そのためには私自身が自分を使っていく必要がある。それが根本にある。


Q:看護とコーアクティブの重なるところですね。

そうですね、話していて私もそう思いました。コーチングもリーダーシップもコーアクティブは生き様だと思うんですよね。だからこそ人に伝えたくなるし、生きにくそうにしている人を見るとコーチングの基礎コースに行ってみたらというようにしています。


Q:楽になったなあと言っていましたが、後悔しない生き方とかベストを尽くす生き方のようにも聞こえます。

だからこそ迷う時もあるんです。自分をちゃんと使っているかなとか、人との関係性はどうなってるかなとか。色々迷うことはもちろんあるのですけど、学んだことは自分の中にあることは実感しているので、確信しているので、だから今歩いていけるんだろうなと思います。本当にこの世界を教えていただいてありがとうございます。って感じです。


Q:今日は素敵なお話ありがとうございました。
2019/03

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