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【第3章】RBV(リソース・ベースド・ビュー)って何?どう使えるの?

※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら

「世界標準の経営理論」の第3章「バーニーの理論をようやく使えるものにしたのは誰か」、RBVについて成立過程から実務にどう使えるのかまでを丁寧に紐解いた章である。自分がこの内容を正確に伝えるのは難しいと思いつつ、超訳で考え方の触りだけでも伝えられたらと思う。


RBVとはそもそも何か?

MBAの授業において説明があるSCPと並んで必ず学ぶRBV(Resource based view)。日本では「資源ベース理論」とも呼ばれており、SCPと同様、経済学の考え方から派生して研究が進められている。
経済学では生産関数と呼ばれ、何らかのリソースを投入するインプットと、そこから生まれるアウトプットの関係性においてインプットの側に着目した研究である。(SCPはアウトプットに着目の方したと言える。)
インプットについて、同じリソースであれば同じアウトプットしか期待できないので、競合と差をつけるためにはリソースで中でも希少なものを独占したり、優秀な人材を確保したり、立地の良い土地をお店を建てたり、など工夫ができるはずと研究は発展してきた。

バーニーの理論はどんな内容

そんな研究が進む中で1991年に発表されたのが、ユタ大学のジェイ・バーニー教授の理論だ。この論文はこの研究において約67,000件引用されており、この数字は世界で最も読まれている経営界の論文と言えるかもしれない。(ポーター教授の引用数は約3,000件)
ではどんな内容なのかというと、企業に必要な「持続的な競争優位」をどうすれば獲得できるか、が記された内容になっている。(※競争優位とは他社にはできない創造戦略を引き起こす力」)
具体的な内容を集約すると大きくは以下の2つになる。
1.リソースに価値(valuable)があり希少(rare)な時、その企業の競争優位性に繋がる。
2.さらに、模倣困難(inimitable)で、代替(non-substitutable)が難しい時、持続的な競争優位性となる。(模倣困難とは、蓄積経緯の独自性、因果曖昧性、社会的複雑性が絡まり、他社がマネできないこと)

これを読むと、ふむふむ確かにそうだよなと頷きつつ、「で会社にどう活かすのか」と言われると頭を抱え込んでしまう。このままでは理解することで評論することは出来ても、具体的なアクションを自身でイメージすることは抽象度が高く難しい。また、インプットばかりに着目しているが、アウトプットで何が求められているかを考える視点が重視されていないから、アウトプットにニーズがなかったということが起きうる危うさもある。詰まるところメッセージ性が弱いのだ。

実務に生かすためにはどうすべきかを考えたポーター教授

そんな状況から、一歩踏み込んだのがポーター教授が発表した「戦略の本質」だ。ポーター教授は「ライバルからの模倣を困難するには、外から見ると複雑だが、内部では一貫性が保たれている行動システムの構築が重要」というメッセージを示すことで、実務で活かせるようにしてくれた。
具体例として、サウスウエスト航空では、コスト削減と生産性の向上を経緯方針として定めた上で、提供するのは単中距離フライトのみ、機内食なし、飛行機を1機種のみに統一、効率化のための徹底した従業員教育など様々な施策が実施され、他には真似できないサービスを提供している。
本のサウスウエスト航空の事例を読んで、日本ではサイゼリヤもコスト削減と生産性の向上を追求し、安価に質の高い料理を提供している点で共通項があると感じた。似たようなコンセプトのお店はあるが、サイゼリヤほど徹底している企業は他にないように思う。

ここまで書くとバーニー教授よりポーター教授がすごいように思えるが、バーニー教授は世界最大の経営戦略論の学会の会長を務めるなど重要ポストについており、優劣をつけるものではないと言えそうだ。



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