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「目的の目的」を探る

私が会社員だった頃、企画書を作成する際、
上司から「目的の目的」まで考えるように指導を受けました。

思いかえすと、この言葉に出会ったことが、
仕事の本質を見つけるきっかけになりました。

例えば、部内で「メールライティング研修」を計画する際、
最初の目的は「社員のメールライティングスキルを向上させること」
になりますよね。

ただ、これだけでは本当の目的は見えてきません。

なぜなら、「メールライティングスキルを向上させる」
こと自体に、何か特別な理由があるはずだからです。

これが「目的の目的」です。

もし社内のメールライティングスキルにばらつきがあるとすれば、
本当の目的は「メールライティング品質の均一化」でしょう。

また、無味乾燥なメールを顧客に送っている部署ならば、
「顧客満足の向上」が、

メールを書くのに時間がかかる組織の場合は、
「生産性の向上」が、「目的の目的」になります。

「目的の目的」を考えると、
研修のコンテンツやアプローチまでが大きく変わることがわかります。

「目的」とは、つまり「何のために」。
目的がない仕事は、やがて「単なる作業」と化す側面もあります。

私はよく、若手社員から「最近仕事がつまらない」
という悩みを相談されます。

話を聞いた後、いつも、ある質問をします。
「今の仕事って、そもそも何のためにある?と質問されたら、
どう答えますか?」と。
そして、その答えをもらった後、もう一度問い直します。
「それは何のためでしょうね?」と。

すると、多くの人が、自ら考え、答えを見つける過程で、
表情が緩んでいくのがわかります。

自分の仕事の「目的の目的」を考え、理解ことは、
仕事の意味や、自己の存在意義を再認識する方法なのです。

もし、あなたが最近、仕事が作業のようになっていると感じたら、
または、そんな部下や後輩がいたら、そっと問いかけてみてください。
「目的」とそのまた「目的」を。

お読みいただき、ありがとうございました。

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