会場で見た補助犬 お土産ガジェット ユニバーサルデザイン
<会場で出会った補助犬とそのユーザー>
いつもながら、CSUNには、たくさんの補助犬(アシスタントドッグ)とユーザーがいる。盲導犬、聴導犬、介助犬に、精神障害の方に同伴する補助犬(エモーショナルサポートドッグ)も。日本では存在しないので、海外から同伴で来る場合には空港でいろいろ大変だと思う。犬種もさまざまだ。ラブラドルリトリバーやゴールデンリトリバーだけではない。CSUNの会場には、シェパードやコリーや、おっきなプードルもいる!かっこいい。
ずっと前には政府高官のアシスタントドッグとして、ドーベルマンを見かけたこともあった。護身も兼ねるのかな。ガードマンより低コストかもしれない。杖を使う歩行困難者が介助犬を連れているケースもある。会場でお友達犬?に出会ったのか、とっても嬉しそうにクンクン鳴いているのも見かける。いやあ、コロナは大変だったよね~、なかなかお出かけできなかったけど、君んちはどうだったの???なんてしゃべっているんじゃないかと思ってしまう。
会場となっているホテルは、当然ながら部屋は補助犬歓迎で、会場前には補助犬用トイレが3つも!整備されている。今回は写真を撮り忘れたが、ここではよく犬を見かけた。日本のホテルも京王プラザには標準整備されているが、他でも同じように進めてほしいと思う。
<会場で見かけたタグ>
会場の机の上には、さまざまな色のタグが並んでいる。タグ、というべきか、シールと呼ぶべきものなのか、よくわからないが。。「袖をつかんで」とか、「握手OK」、「距離を置いてね」とかの、コロナ禍における対人関係の距離を示すものが多いのはいかにも、今回の会らしい。で、その中に、「私を彼と呼んで」とか「彼女と呼んで」といったLGBTQに関するものが目を引く。「それは私に聞いて」というのもある。自分の性別や性自認、そして呼ばれ方を、自分で決める、私に決めさせて、という意思の表れだ。アメリカでは、履歴書に性別や年齢を書く欄はもうない。DEI(Diversity,Equity,Inclusion)は、こういう小さなところから進むのである。
で、そのタグの中に、‘Happy to HUG’というのがあったので、私はためらわずこれを選んで自分のカンファレンスバッジにつけた。自分の意見をこういう形で発信できるというのは、面白いと思う。その中に、さりげなく自分の多様性を伝える内容があるというのが、今のアメリカなのである。
<会場で見つけたガジェット>
CSUNの会場には、ちょっと嬉しいガジェットが、お土産として配られていることがある。コンファレンスバッグの中には、小さな消毒用のスプレーが入っていた。これが薄くて持ち歩きに便利なうえ、表面に点字がついている!そして可愛い!日本に帰ってからも愛用している。
更に嬉しかったのが、JANという障害者の就労を支援する組織のブースでもらった、拡大機能つき定規である。センチもインチもあるし、何より、これをかざすだけで「世の中の文字は小さすぎて読めなーい!」モードから解放されるのである。薬や食品表示を見るためにスマホを持ち出してカメラの拡大機能で読んでいたけれど、その苦労からも解放された。薄くて使いやすいのでカバンの中で邪魔にならない。画面ではSonyの資料を拡大している。読みやすい。なんてアクセシブルなんだ。高齢者には有難いグッズである。
また、Crawford社からもらったペンも面白かった。普通のペンに見えるのだが、なんとUSBメモリーなのだ。この会社の以前のCSUNのパワポが入っていた。せっかくなら今年の分をくれるといいのに。これもUSBとしては、なかなか使い勝手が良い。こういった、UDなガジェットを入手できるのも、CSUNの楽しみの一つである。
<LAX空港のアクセシブルトイレ表記は「All Gender」>
最後におまけの写真。これは帰路にLAXの空港で見たアクセシブルトイレ。アメリカの誰でもトイレの表記は、今はほぼほぼこの’All Gender’である。LGBTQの人が入りやすいよう、また異性介助が必要なときにも使いやすいよう、この表記が使われる。もちろん車いすユーザーや、子ども連れが使ってもいい。ユニバーサルなのだ。
この表記を見るたびに、私は、日本のUDトイレを、誰でも使えるようにするのは止めて、車いすユーザーだけにしようという運動を思い出す。自分たちはそこしか使えないのだから、他の人は使わないで、という主張である。確かに自分たち用だと思っているのに、車いす以外の人が使っていると腹が立つという意見もわからないでもない。だが、車いすユーザー以外でも、ここしか使えない人は存在する。その人たちが必ずしもわかりやすい障害を持っているとは限らない。だから、排除しないでほしい、という気もするのだが。欧米ではこれを車いす専用に、といった意見はまず存在しない。普通の個室も奥側に一つくらい大きめのものがあるし、そもそも空港のトイレは、大きなトランクを持つ人の利用を前提としているため、個々のブースがかなり大きく、手動の車いすなら問題なく使えてしまうからでもある。地価の高い日本では難しいのかもしれないが、このALL Genderのサインを見るたびに、日本がこのトイレを「車いす専用」にしないで済む、ユニバーサルなデザインを考えたいと思う。
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