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J2 第3節 徳島vs仙台 マッチレビュー

 こんにちは、神戸在住セレサポのセレサポ神戸です。

 3月4日に、曜一朗を見るために徳島まで行ってきました。なぜ仙台戦を選んだかというと、元彦と山田くんも見たかったので、一石二鳥ということで笑

 徳島は、J1ではあまり見ないスタイルのサッカーをしていたのでとても面白かったです。今回は、その試合のマッチレビューを書いていきます。

スタメン

 両チームのスタメン、フォーメーションはこのようになってました。

 徳島は4-3-3、仙台は3-5-2でした。曜一朗と元彦は対面でマッチアップする形になっていました。

繋ぐ徳島とプレスの仙台

 試合は、徳島がボールを支配し、仙台が前線からプレスをかけるという形で始まりました。10分ごろまでは仙台のプレスが強く、徳島はボールを運ぶことができませんでした。

 その原因は、両チームのフォーメーションの噛み合わせにありました。

仙台のマンツーマンプレス

 カカがキーパーからボールを受けた時、仙台は2トップと両WBが徳島の4バックに対してマンツーマンでプレスをかけます。この時仙台の3バックは、徳島のボールサイドのWG(ここでは西野)を捕まえにいき、逆サイドの西谷は完全に放置です。

 西谷が手を上げてボールを要求している場面が何度もありましたが、仙台のプレスが強く、カカはロングボールを展開することができません。

 カカは浜下にパスするしか無くなりますが、浜下にもプレスがかかっているので、縦に蹴り出すか、キーパーまでバックパスするという選択肢しかありません。

 この、仙台のプレスは効いており、徳島はボールを前進させることができていませんでしたが、前半8分と9分にいいプレーがあったことで、試合の流れは徳島に傾きます。

前半7分のシーン

 このシーンも、仙台のプレスを受け左サイドで詰まりそうになりましたが、左WGの西谷が出てきた小出の裏へ走り込み、そこに安倍からロングボールが出ました。

 このボールは長くなり、キーパーにカットされましたが、この試合で初めて裏への動きを見せたことで、仙台のDFは思い切りマークを捕まえに行くことができなくなりました。

前半9分のシーン

 このシーンでは、仙台の2トップが徳島のCB2人と白井を見る形になり、フリーになったカカが、仙台の2トップの横からドリブルでボールを持ち運びます。そこから、中央に絞った西野へズバッと縦パスが通り、仙台DF陣を中央に引きつけてから左サイドの西谷に展開しました。

 このシーンの、2トップの横からボールを運ぶというのがヒントになり、徳島のビルドアップの形が変化していきます。

変化した徳島のビルドアップ

2トップの横のスペースを使う

 まず徳島の両SBが高い位置を取ります。これによって仙台の両WBはついて行かざるを得ないので押し下げられます。(緑のゾーン)

 それして柿谷と杉本が、ピンクのスペースに落ちてきてボールを受けます。

 この状況で、仙台のIHが柿谷と杉本を捕まえに行ったので、エヴェルトンの横の危険なスペースが空いてしまい、絞っている西野や西谷に、カカや白井から縦パスが何本も入って、徳島の攻撃の起点となっていました。

 この形で、前半10分〜25分あたりまでは、徳島がいい攻撃を展開できていました。

プレスをやめた仙台

 徳島がうまく変形したことで、仙台はうまくプレスをかけることができなくなりました。そこで仙台は、プレスをやめ、待ち構えて守備をすることを選びました。

 2トップが徳島のアンカー白井を見て、柿谷がボールを持った時に中島は当たりに行くのをやめ、ピンクの危険なゾーンを埋めていました。

 これにより、徳島はボールを回しているもののゴール前に進めず、無理にゴール前にボールを入れると仙台の屈強なCB3枚が跳ね返され、仙台はボールをなかなか奪えずカウンターができないという膠着状態に陥りました。

柿谷の位置を修正した後半

 前述の通り、前半の徳島は、CBがボールを持った下図のような形でボールを運んでいました。

前半の陣形

 この形でうまくボールを運んでいたのですが、途中から仙台に引かれてしまい、ゴール前までボールを運ぶことができませんでした。

 また、狭いスペースで技術を発揮する柿谷と杉本が敵ブロックの外におり、サイドのドリブルが持ち味の西野、西谷が中央の狭いスペースにいたため、各選手の長所が発揮されているとは言いづらい状態でした。

 そのため、後半の徳島は以下のような立ち位置に変更しました。

後半の陣形

 前半との大きな違いは、柿谷の位置です。前半よりトップの渡に近いポジションを取るようになりました。

 その分杉本は低い位置を取り、白井と2ボランチのような形になっていました。そしてWGの二人は本職であるタッチライン側へ戻りました。

 後半の陣形の狙いは明確で、柿谷をゴールに近い位置でプレーさせることです。

 そしてそのスペースを開けるためにWGはサイドへ開き、ボランチ2人が低い位置でのビルドアップを助け、高い位置にいる柿谷にボールを届けようという意図が感じられました。

 しかし、配置的には前半のいちばん初めに戻ったような状態であり、相手のプレッシャーがかかりやすい状態になっていました。

中島とエヴェルトンに消される柿谷

 また、カカがボールを持った時の柿谷へのパスコースは中島がうまく切っており、エヴェルトンも柿谷を常に監視している状態で、柿谷にボールを届けることができていませんでした

 どう状況を変えるかなと徳島ベンチの出方を見ていたところ、コーナーキックから仙台が先制しました。元彦のファーサイドへのドンピシャのキックは美しかったです。

 その後、徳島は繋ぎにおける凡ミスが増え、仙台がチャンスを作るという、仙台の流れで試合が進みました。

仙台の退場と徳島のパワープレー

 流れが悪かった徳島は、杉本と外山に変えて、児玉と坪井を投入し、フォーメーションを3-4-3に変更しました。

 これによって高い位置でボールを受けられていなかった柿谷はボランチへ、左WGの西谷が左WBになり、このような陣形になりました。

まさか曜一朗が中盤の底をやるとは

 それとほぼ同時に、徳島の決定的なチャンスをファールで止めたキムテヒョンが退場となり、それによって仙台は、5-3-1のブロックで逃げ切ることを選択しました。

 ここからは、引きこもって守る仙台と、なんとかこじ開けようとする徳島という構図になっていきました。

 このような形で、徳島が攻め立てました。しかし、仙台も屈強な3CBを中心に粘り強く守備をし、ゴールを割らせません。

 終了間際になると徳島は、カカと安倍も攻め上がり、後ろには柿谷1人という時間帯もありました。(曜一朗がそんな役割を受け入れるとは笑)

 この猛攻が実り、ロスタイムに徳島が同点に追い付きます。右からのクロスに対してエリア内に6人が飛び込んで行きました。

 ボールは大外の西谷の足元まで届き、そこからのマイナスの折り返しを坪井が落ち着いて決めました。

 このシーン、DFはボールを目で追いますから、仙台のDFの目線は

右サイド

上空のボール

左サイド

となり、マイナスの坪井の位置を確認できないんですね。なので坪井がこんなポッカリと空きました。

 11人なら、前から戻ってきて坪井をマークする人がいたかも知れませんが、10人では仕方ない失点であり、徳島としては待望の同点弾でした。

まとめ

 結局この試合は1-1の引き分けとなりました。

 徳島のサッカーは、J1であまり見ることのない、ゆったりとした繋ぎを重視するサッカーで選手たちも狭いスペースを苦にしなかったので、見ていて面白かったです。

 試合としても、プレスをかける仙台、かわす徳島、ならばとブロックを組む仙台、という戦術的な動きが多かったという点でも見応えがありました。

 また、徳島の改善点としてはこの試合のように相手に引いてブロックを引かれた時の崩しをできれば、より上位にいくのではないかと思います。

 連携面は試合を重ねるごとに良くなると思うので、これからに期待ですね。

 曜一朗が、今まではしていなかったプレーやタスクを楽しそうに引き受けていたのも印象的でした。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました🌊

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