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『経験ゼロなクラスメイトπ』感想

 どうもです。

 今回は、2021年10月29日にプレカノより発売された『経験ゼロなクラスメイトπ』の感想になります。

主題歌「海と星とティアドロップス」
作詞:雪沢やか、作曲・編曲:片山将太、ボーカル:逢瀬アキラ

 「海と星とティアドロップス」は夏っぽい爽やかソング。コーラスのシンガロングできるパートがあるのエロゲソングでは珍しい気がしますね。
 プレイのキッカケは、原画を担当している"Re岳"先生のファンだった為。元々同人誌も買っていたし、今ではラノベのイラストも担当してますね。本作で初めて原画を手掛け、コレ以降は無いのでレアだとも思います。
 因みに、購入したのはR18版なんですが、2023年3月31日を以て戯画・プレカノブランドは解散してしまったのでR18向けのサイトは無くなってます。親元のエンターグラムはあるので、全年齢版が表向きには販売されている形です。

 では感想に移りますが、雑感とキャラクターの印象を軽く書いていきます。こっからネタバレ全開なんで自己責任でお願いします。


1.雑感

 特段メッセージ性の強い作品では無かったと思います。でも、主に2つ良かった点があったので、それを書いていきます。

 1つ目は、一つ明確なテーマを提示して、それに対するアンサーを出して終えた事。本作のテーマは理沙が抱えていた焦燥感だったと思います。大人になると何かが変わってしまうんじゃないか、みたいな漠然とした不安。高校3年生部活引退後の受験を控えた時期に焦点を当てていたので、あの頃の独特の雰囲気を味わった人ほど共感しやすい導入でした。主人公である一真と過ごしていく中で、不安を紐解いていくと、実は変わる事への恐怖もあって。でも、別に変わらなくていいんじゃないか。子供っぽい欲望はずっとあったっていい。自分達のペースで、自分達の道を進んでいけばいい。コレが本作が出した答えでした。好きな気持ちに素直に全力で生きて、三人でいつまでも一緒にいる。猪突猛進な一真のキャラクター像や、幸せに溢れたエピローグが説得力としても十分だったなと。全力で生きていると、その結果がどうであれ後悔は絶対にしないよなと私も思います。

 2つ目は、エピローグまでの逆算的な作り方が巧かった事。プロローグで恐らく結婚式でのスピーチだろうって事は判明してしまい、エピローグで回収されました。そこの期待を上回ってこなかった点は残念と捉える人がいてもおかしくないですが、自分はどちらかと云えば好印象でした。想い出を振り返るなら、3人の中では本作で描かれた時期なんだろうな、って云う納得感が余韻として良かったので。あの出逢いから全員合格までの時期が、ずっと忘れられない程に濃かったんだと。そこに注力した作り方なら、確かに大学生活が描かれなかったのも頷けましたね。時間で言えば半年と短かったかもしれないけれど、あの時期が青春と呼ぶに相応しく、その尊い想い出に一緒に浸れた様な気がして嬉しかったです。


2.キャラクターの印象

©プレカノ/ENTERGRAM

星名理沙ほしなりさ(CV. 冬峰小鈴)

 オドオドしてるイメージもありますが、それ以上に好きなモノが定まっている芯の強い娘だったと思います。守備範囲外には滅法弱いけれど、それ故に初々しいフレッシュな反応を魅せてくれたのが可愛いかったですね。恥ずかしがりはするけど、ちゃんと負けず嫌いなトコも芯の強さから来てるだろうし、陸上部で競い合った経験からも納得できるモノでした。そんな性格も活かして、恋愛と勉強を両立させ結果が付いてきましたから。成長過程も込みで可愛がりたくなる、応援したくなるメインヒロインでした。


宮園海雲みやぞのみくも(CV. 祭場あかね)

 サブヒロインと呼ぶには勿体無い位には魅力的でしたね。理沙の親友であり、主人公の一真とは双子の姉に当るとの事で、立ち位置を確立させたのも良かったなと。一真とお互い絶対に幸せになる約束をした、気持ちの強さが背景にはあったのも頼もしかったです。家族を大切にしているし、誰かの為に泣いてしまうのは絶対にイイ娘で間違いないですから。男っぽい雰囲気でありながら、女の子らしい趣味も沢山あって、しかも料理上手と家庭的で。親しみやすいのもあり、傍に居てくれると凄く安心できる存在でした。


3.イラスト・音楽・システム

 原画は、Re岳先生。プレイするキッカケでもある位、好きなイラストレーターさんだったので、大満足ですね。落ち着いた印象に仕上がった統一感ある色遣いでありながら、リボンやピアスみたいな小物で細かいアピールが良いんですよね。ぐるぐる目やハート目などデフォルメチックな遊び心もある表情の豊かさも微笑ましくて好き。限られた要素で女の子を可愛く描き切る姿勢が本作でも伝わってきて、改めて本当に良かったです。

 音楽は、山本こーすけさん。BGMは8曲+主題歌(ShortとInst)と少なかったですが、特に違和感あるモノも無かったですね。「サマーエントランス」や「雲を抜けたらそこは」など夏らしい爽快感ある楽曲が良かったです。

 システム面は、さすが戯画の姉妹ブランドなだけあって隅々まで親切設計で、配慮が行き届いてましたね。設定可能項目の多さに毎度ビビる程ですw  


4.さいごに

 良作でした。エネルギッシュでアグレッシブで気持ちよく一直線な物語がとても良かったなと。ロープラにしても尺が3時間未満なので短い気がしないでもないですが、変にダラダラとつまらない話が続くよりは全然好印象。テンポよく無駄も無かったので、プレイ感はとても快適でしたね。雑感でも触れた通り、大人を意識する焦燥感、青春の温度感、子供らしい欲望、などがバランスよく描かれていたと思いますし。プレイ後には、全力だった頃の想い出って、ずっとずっと憶えているモノだよなと改めて思わされました。

 とゆーことで、感想は以上になります。改めて制作に関わった全ての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 ではまた!


©プレカノ/ENTERGRAM



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