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『向日葵の教会と長い夏休み』感想

 どうもです。

 今回は、2013年3月29日に枕より発売された『向日葵の教会と長い夏休み』の感想になります。

OP「ヒマワリの教会」
歌:はな、作詞:藤倉絢一、作編曲:松本文紀

 OPムービーでネタバレ全開なのはちょっと良くないなぁとは思いましたが、「ヒマワリの教会」の曲自体はノスタルジックな雰囲気が漂っており、優しいメロディラインが良いですね。
 ただプレイのキッカケとなった曲は、上記では無く、ED曲である「さくらとことり」ですね。エロゲソングでは有名な方だと思いますし、自分もかなり前から曲だけは好きで滅茶苦茶聴いてました。同ブランドのサクラノシリーズも一段落した事もあり、ようやくプレイに至ったと云う感じです。

 では感想に移りますが、受け取ったメッセージと、ヒロイン毎の感想を書いていきます。こっからネタバレ全開なんで自己責任でお願いします。


1.受け取ったメッセージ

 難しく考える必要ない作品だったかなと思っていて、公式サイトにもある本作のキャッチコピーをまずは、引用させてください。

変わらないものがある。
変わっていくものもある。
それでも――帰りたくなる場所がある。

『向日葵の教会と長い夏休み』公式サイトより

 物語はヒロイン4人分、どれもメッセージ性の強さより、ハッピーエンドを迎えて欲しいと思いたくなる、そんな印象の方が強かったです。ただ、上記のメッセージ(或いはテーマ)だけは根底にあったと感じているので、こちらを少しずつ紐解いていけたらと思います。

 ”変わらないもの"、"変わっていくもの”、正直よくあるテーマではあります。事象や摂理とも言えるし、感覚や感情でもある。コレをどう表せばいいのかを本作は提示してくれていました。以下、詠と陽介の会話ですね。

「難しいな。変わってないようで、すべてがゆっくりと変わっている……こんな感覚をどう言えばいいのか……」
「なつかしい……」
「懐かしい……?」
「うん……わたしは、そういう単純な言葉でいいんだと思う」
「いろんな言葉を重ねて、いろんな気持ちを置き換えて、でもそんな言葉だけじゃ、ぜったい足りない……」
「この空の色、海の音、空に向かって咲く向日葵、朧白の風、朧白の香り、朧白の景色……昔あった世界と今ある世界。重なる世界。ばらばらのことが、きっと一言でつながる……」
「ここにある風景は、ただ、懐かしい……?」
「きっとね、そう思えるだけの時を刻んできた人のためにある言葉なんだよ……今日まで生きてきたんだから、その一言でいいんだと思う」

詠-『向日葵の教会と長い夏休み』

 "懐かしい"…その一言でいいんだと。確かにその一言だけで時間も場所も人も、その時の感情だって想い出せます。雛桜√でヒナが”あの時"の感情を想い出したくて再び教会の屋根に登ったエピソードはかなり象徴的ですね。この"懐かしい"を感じさせる事に注力していた作品であり、その"懐かしさ"を大切に守って欲しいと本作は伝えてくれていたと思います。それ故に"雰囲気ゲー"と称されるのも頷けました。"懐かしさ"を伝えるのに雰囲気は切っても切り離せない要素ですから。田舎を舞台に、朧白教会や黄色い向日葵畑、朧白港から海の家、伝承に猫耳メイドまで、多くを変わらない象徴として際立たせ、時間経過も合計8+10年と長め。流れる音楽やテキストの情景描写も含め隅々まで丁寧に美しい雰囲気が作られており、"懐かしさ"を守ろうとする姿勢が感じ取れました。

 本作から溢れる"懐かしい"はどれも尊いモノだった事からも、どちらかと云えば"懐かしい"は凄くポジティブなモノで、自分の存在や人生を前向きに突き動かしてくれるモノだなと思いました。だから私達は"懐かしさ"を守ると同時に、"懐かしさ"に守られてもいる。"懐かしさ"はきっと自身を守ってくれるモノでもあるんじゃないかと。ここから次の話を広げていきます。


 キャッチコピーにもあった、"帰りたくなる場所"、もう少し簡潔にすると、"帰る場所"、居場所や故郷と言ってもいいかもしれません。そこに戻りたい…帰りたい。この時に"懐かしい"と云う感情も伴っているはずで、その感情を呼び起こしているのは、朧白の夏、朧白と云う土地、朧白で共に暮らした人達、朧白での想い出…等でしょう。陽介を初めとした彼らにとって、これらは間違い無く"帰る場所"だった。その全てを守りたい。守る為には、変わっていかなきゃいけなかった。朧白代表の月子が言ってましたね。

「この村の自然……雰囲気……ゆるやかに流れる時間……みんなの笑顔……変わらずにいてほしいって思うもん……」
「けど、守るっていうのは言い過ぎだけど……つづいていくために、変わっていかなきゃいけないものもあると思うから……やっぱり私は変えていきたいかな……」

月子-『向日葵の教会と長い夏休み』

 この"変わっていかなきゃいけない時"に自分を支えてくれる、大袈裟に言うのなら守ってくれる存在も"帰る場所"だったと思うのです。"帰る場所"があったから、守られているからこそ、停滞ではなく、行動を起こしていける。そんな風に私の目には映っていました。陽介が元々都会での生活を頑張れていたのも"帰る場所"があったからでしょう。どの√でもこういった一面は見受けられましたが、中でも印象的だったのはルカ√での以下の会話。

「ここに帰ってきて痛いくらいそれがわかった。俺が頑張れるのは――心の帰る場所があるからだ」
「心の……帰る場所?」
「ああ、……そうだよ」
「もしも都会でうまくいかず、しみったれた人間になったとしても、この場所は昔のように俺を迎えてくれるだろう」
「自然や仲間、変わらずに待っていてくれる場所、ボロボロになった翅を休める場所があるとわかっているから、俺は頑張っていられる」
「朧白があるから、みんながいるから、ルカ、おまえがいるから、俺は飛ぶことができるんだ」

陽介、ルカ-『向日葵の教会と長い夏休み』

 いつだって"帰る場所"がある安心感、心強さは偉大だと思います。"帰る場所"が無い孤独感なんて想像したくもないですし、"帰る場所"が多いに越した事はない。家族を亡くしていたり、家庭がいつもすぐ傍に無かったりした陽介達にとってその存在は相当なモノだったはずでしょうし。

 "帰る場所"がある事は決して当たり前ではなくて、変わり果ててしまう可能性だってある。そう考えると、自然と何とかしなきゃって気持ちにもなりますよね。それに、上記の会話の様に待っていてくれる人もいる訳です。待っていてくれる人がいるから、帰りたいとも思う。この気持ちについても、いくつか印象的なシーンがありましたが、中でも名シーンは以下かなと。

「ヒナ、言ってくれたよな。"おかえり"って」
「……うん。ずっと、待ってたから。陽介のこと」
「あの一言で、俺は救われた。絶望の一歩手前にいた俺に、帰る場所があったことを――故郷ふるさとを思い出させてくれた」

雛桜、陽介-『向日葵の教会と長い夏休み』

 鮎ヶ瀬のバス停、陽介と雛桜の再会シーン(上記の会話はそれを想い出してる会話)ですね。バス停でずっと陽介の帰りをヨミと一緒に待ってるヒナのCGは見る度に胸に来るモノがあります。

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 この時、陽介は"一筋の光を見た気がした"とも言っていて。その言葉も踏まえると、陽介の存在を世界に繋ぎ止めてくれていたと言っても過言では無いんですよね。唯一とも言える"帰る場所"があったからこそ"今"があった。いつどんな時も、実はずっとその連続でしかない、これまでもこれからも。なのに慣れすぎてしまって、ある瞬間ハッと気付かされるんだと思います。"帰る場所"があって良かったって、"懐かしさ"と共に。だからこそ、それだけじゃなくて、これから頑張ろうと思える気持ちや、また久々に帰ってこようと思える気持ちとかも湧き出てくるんじゃないかと思います。

 詰まる所、本作では、過去を振り返って懐かしむ的な"懐かしい"よりも、そこからもっと未来へ目を向けさせてくれる"懐かしい"の方が強かったんですよね。なので、陽介達にとって"帰る場所がある"という事実は、何よりも心強い支えであり、この事実そのものが未来への"希望"にもなっていた。朧白の皆んなも、そう口にしていました。

「私にとっての朧白教会は、思い出の宝箱みたいな場所だし、今でも拠り所なのよ」
「それが、変わらずここにある――"希望"ってやつかなぁ」

ルカ-『向日葵の教会と長い夏休み』

「そして、あなたたちは、わたくしたちの"希望"ですの」
「……ふふ、そうね。もしも朧白教会がなくなってしまったとしても、私たちの"希望"がなくなるわけじゃない」
(中略)
「あなた方が希望と共にある限り、わたくしたちは、またいつでも帰ってまいりますわ。故郷へ」

金剛石、ルカ-『向日葵の教会と長い夏休み』

 自分のお守り的存在として、これさえあれば大丈夫だって。現実と共に、いつも心の中にある"希望"を、守り育み続けていく事は重要だと思います。それこそ未来の人々にとっても"希望"になるステキな事です。冒頭に少し書いた、ハッピーエンドを迎えて欲しい、って云う気持ちをずっと胸に抱えていたのも、私にとっての"希望"だったのかもしれません。

 つらつらと書いてきましたが、凄く大雑把にまとめると、"懐かしい"≒"帰る場所"≒"希望"、という式が成り立ってもいいのかなと思います。"懐かしい"を呼び起こしてくれる様な、"帰る場所がある"、この事実そのものが"希望"であると。そんなメッセージを残してくれていたと思います。単純に懐かしい想い出って大切な財産ですし、未来への糧にも絶対になるので、これから生きていく上で増やしていけたら凄く幸せでしょう。

 受け取ったメッセージは以上になります。何か少しでも感じ取って頂けたり、考えのヒントになっていたりしたら、嬉しいです。

 なお、曲名やバス停で出てきた「希望の前で待ち合わせ」と云う言葉。最初は少し擽ったさがありましたが、最後のモノローグでは感動すら覚える腹落ち感がありました。特に"待ち合わせ"は言い得て妙だなと。時間・場所・人と云った、"懐かしい"を表現する上で欠かせない要素を内包している処とかも。折角なので、そのモノローグを記して〆たいと思います。

変わってゆくものがある。
変わらないものがある。
現在いまにとどまることのできない俺たちは、次の場所へと向かう。
――希望の前で待ち合わせ。
『希望』という名の未来への約束は、幸せへの決意でもある。
向日葵の咲き誇る道を、手をつないで歩く家族の姿は、あの日約束した未来の姿だろうか?
家族の在処、帰るべき場所、迎えてくれる誰か――。
いつも『希望』と共にあるそこは、俺たちが自分たちで育んだ故郷。
あの日鳴った祝福の鐘は、今もまだ俺たちの胸に響いている……。

『向日葵の教会と長い夏休み』


2.朧白おぼしろ 金剛石だいや(CV. 如月葵)

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 陽介と金剛石の2人で様々な試練を乗り越えていく恋物語。金剛石と瑠璃子の蟠りがメインではありましたが、陽介に重なる面影や父(夫)であるウィリアムに馳せる想い、そもそも愛情深い一面は親子でずっと通じ合っていたなと思います。キーとなったのは狐のお面で、ウィリアムの意志が時を越えた点からも、"時間"に関する"懐かしい"に焦点を当てた話だったかなと。瑠璃子が娘に同じ想いをさせたくないと云う気持ちは伝わってきましたが、そこには過去に囚われた後悔の念があって。この事から"懐かしい"と云う気持ちや感覚が"今"から目を背ける為のモノであってはならないと伝えてくれていました。金剛石が先に"今"の状態が変わってしまう事、"今"選択を取る事への恐怖に打ち勝ち、その姿を見て瑠璃子も背負ってきたモノから解放されて、最終的には親子揃って前を向けて良かったなと思います。雰囲気がファンタジックでロマンチックだった反面、エピローグではアットホームな感じで食事を共にしていて、その温かい感動が沁みましたね。


3.鷺月さぎつき ルカ(CV. かわしまりの)

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 陽介とルカは、不安と疑念を抱えてきた者同士で、独りの辛さも知っている者同士でした。そんな2人の恋愛を、薔薇と蝶と云う美しいモチーフの関係性の元で描き切ってくれたと思います。蝶にとって薔薇が"帰る場所"になっている点からも、"場所"に関する"懐かしい"に焦点を当てた話だったかなと。どれだけ距離が離れても、時間が経っても、様変わりしても、"帰る場所"は変わらず決まっている。極論言ってしまえば、貴方がいてくれさえすれば、そこが"帰る場所"になる。その事実に気付いた事で、"帰る場所"に残された側の孤独を受け入れられました。お互いにその孤独を知っているからこその、私には貴方しかいないって云う共依存的な関係も美しかったなと。ルカは凄い献身的で、錯覚や勘違いだけは嫌だからと理解に努め、愛情を惜しまない一途な姿が魅力的でしたね。"おかえり"と"ただいま"をまた言える様に、"帰る場所"を守り、ずっと待ち続けてくれていたと思うと、それだけでエピローグは感動的に映りました。"かわしまりの"さんの声やっぱ好き。


4.夏咲なつさき よみ(CV. 夏野こおり)

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 陽介とオリジナル詠、黒猫詠、3人の強い想いが紡いだ御伽話の様な物語の"続き"と、"続いていく"事の美しさを描いた話。道中、黒猫詠が罪悪感を抱いてしまうのも解る一方で、折角の尊き奉仕の精神が盲目的になってしまっていたのは心が痛みましたね。オリジナル詠も黒猫詠も、誰よりも周りの幸せを願っているのに、当の本人の幸せが遠のくシーンの数々は見てて辛かったなと。だから余計に、好きな人、好きな場所、好きな景色、好きな季節がずっと続けばいいのにと云う願いは、凄く健気で、人間らしい愛に満ちていると感じずにいられませんでした。その一方で、人生には死と云う終りがあるからこそ物語たり得ると、一度はそれを受け容れなければならなくて。でも、この時の別れの言葉が、"さよなら"ではなく"またね"と、"再会"を誓う事で希望を残してくれると同時に、"継承"と云う意味で物語はいつまでも続いていくんだと示してくれたのが非常に感動的でした。「私の最後は美しい華で彩られていたんだよ……」と、花が咲く夏のまま終りを迎えたい詠の気持ちや、母親にとって"再会"の感覚が間違いなくあったであろうエピローグも素敵でしたし。3人の繋がりに加え、あの世とこの世、人の生死が関わってきた点からも、"人"に関する"懐かしい"に焦点を当てた話だったかなと。それに、いつかあの世に行った時に、この世で過ごした時間、場所、人を"懐かしい"と思えたら幸せかもしれないなと、そんな事を思いました。


5.野々原ののはら 雛桜ひなざくら(CV. 雪都さお梨)

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 本作のメイン√であり、これまでの3人を要素を踏襲している√でもあったと思います。前者については、陽介とヒナが長い年月を掛けて育んだ大切な愛の物語。ヒナとの親子的な関係から恋人…夫婦になるのは、かなり変化が必要だったと思うんですが、その辺り時間をかけて丁寧に描いていて良かったなと。愛情を受け取ってよいのか最後まで自身の望んだ想いを我慢したヒナ、一緒にいたいのは自身の欲望を満たす為のエゴじゃないかと不安だった陽介、愛する事への恐怖を覚え罪悪感を克服できずにいた梢さん、3人の苦悩を絡ませながら話を展開してくれました。3人揃って、自分の所為で…って思い込みがちな責任感が強い性格が入り乱れていて。でも結局ソレって純粋な愛がある故の優しさから来るモノだよねって。与えるのも、受け取るのも"愛"だからこそ、一筋縄ではいかない複雑な心模様がありました。ただその中で良い意味で自分勝手になっていい、それこそ真っ直ぐに捧げ続けてきた愛を信じる人の元に、幸せが訪れてもいいんじゃないかと伝えてくれていた結末だったと思います。陽介とヒナが結ばれた事は勿論、梢さんの「生まれてきてくれて、ありがとう」に対して、ヒナの「生まれてくることができてよかった」とこれ以上ない返事が返ってきた事が凄く凄く感動的でした。
 後者については、10年間の長い夏休みが終わると共に、各√で焦点が当たっていた、懐かしい"時間"、"場所"、"人"を胸に未来へ進んでいくと云う事。これは朧白で新たな人生が始まった2人にとってもだし、先述した様にヒナの言葉を聞いた梢さんにとってもですね。後押しする様に祝福の鐘も鳴り、もう3人とも大丈夫だ、前へ進んでいけると思えて良かったです。
 最後に、絶対に忘れてはならないのが、ずっと見守ってくれていたヨミの存在。詠√を終えているからこそ、彼女がどういう存在か理解しているプレイヤー視点でのメタ的な感動を覚えるシーンは幾つもありました。神秘的でありながらも辻褄の合った、物語の先を願う彼女らしい美しき愛がそこにはあったし、奇跡を運び込んでくれてありがとうと言いたいですね。


6.イラスト・音楽・システム

 原画(メイン)は、"基4"先生、"高苗京鈴"先生、"硯"先生、"狗神煌"先生。2013年とかなり前ですが、この頃からグラフィック綺麗だったんだなと感動したのが最初の感想です。誰かの絵柄だけが浮いてるって感じも無かったですし、まとまりが良い。メインヒロインは4人ともスラッとした健康的なモデル体型で、髪も腰下までとかなり長いので、パッと見で"絵になる"キャラ達だったと思います。大人になったルカが非常に良い…。

 音楽は、松本文紀さん。松本さんも本当にこの頃から良い曲ばかり書くなぁと。ノスタルジックで温かくて優しい曲が多かったと思います。「空に瞬くひかり」「永遠を願うとき」「希望の前で待ち合わせ」が特に気に入っていて、あと「思い出の欠片をすくうように」は、すばひびで流れてても違和感ないメロディラインでイチバン好きですね(「夜の向日葵」連想する)。あとは改めて「さくらとことり」はエロゲ史に残る名曲です。

 システム面は、バックログジャンプ無いのがショックだったくらい。発売した時代的に仕方ないと思える部分もありますが、この頃でも実装できてるメーカーってありますよね…⁈


7.さいごに

 良作でした。ライターはJ・さいろー、藤倉絢一、紺野アスタ、黒田カイエの4名でしたが、キャッチコピーを崩す事のない統一感はあったので、そこまで気にならなかったですね。先述したメッセージ性もありましたし。文章・イラスト・音楽が噛み合った、ノスタルジックな雰囲気もずっと良く、明るくて温かくて、時の流れをゆっくりに感じる作風が魅力的だったなと。
 瞬間最大風速系の感動と云うか、派手な盛り上がりは決してないのだけれど、後からジワジワと沁みる感動も偶には良いですね。この感想を書いている間にも、段々と余韻が膨らんできました。朧白に纏わるファンタジー要素もある為、どこかフワフワした印象はあるのに実直に描き続けた、とても不思議な作品だったと思います。今からだともう10年以上前の作品なので、そう云った意味での"懐かしさ"も感じながらプレイする事ができました。何と言いますか、忘れかけていたモノを思い出させてくれて良かったです。

 とゆーことで、感想は以上になります。改めて制作に関わった全ての方々に最大級の感謝を。本当にありがとうございました。

 ではまた!


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