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『日向千尋は仕事が続かない』感想

 どうもです。今回は、先月の3/26(金)にスミレより発売された、『日向千尋は仕事が続かない』の感想を書いていこうかと。

 このOP曲と絵が良すぎた事、早瀬ゆうさんが気になるライターさんだった事が理由で購入に至ったって感じです。結果むっちゃ満足してます。サクッとプレイできた割りには内容充実で、ロープラもやはり侮れないなと(笑)

 とゆーことで、早速感想書いていきます。ダラダラ書くのもアレなので、良かったところを2つに分けてみました。


★ゴールインまで描き切った恋愛模様

 いきなりですが、偽物みたいな関係が本物になっていく恋愛物語ってやっぱ最高すぎません?何かロマンというか、偽物の中に本物があるんじゃないかと思わせる感じとか、徐々に境目が自身でも分からなくなっていく感じとか…。堪らなく好きですわ。

 今作も一夜限りの関係(しかもお互い初体験)から始まった物語だったので、もうどストライク。そっからセフレみたいになって、ほぼ同棲みたいになって、いよいよ恋人になって、最後にはまさかの夫婦に!正直、そこまでは描いてくれると思っていなかったので、千尋の花嫁姿を見れてのは本当に嬉しかった。幸福感に包まれる余韻大好きなので。もうこの先は見なくても絶対幸せが約束されてるなって思えるくらいのね。

 そんで、上記の関係が変わるタイミングで、回想シーンや未来を馳せるシーンを挟むことで、関係をワンランク上げる時の感情面の底上げを担ってくれたのが凄い良かったです。納得感も得られますし。千尋のもう一歩踏み出したいけど足踏みしてしまう心情や、拓人の徐々に男として覚悟を決めていく心情も、2人の幸せを望みたくなるものとして十分な描きだったと思います。早く結婚しろよ!とも、え、結婚早くない?ともならない絶妙なスピード感と言うか、ちゃんと段階を追っていくのは本当に好感が持てた

 お互いに学生時代とは違い社会人で、そうするとやっぱり自分以外の考えるべきことだったり、配慮しなきゃいけないことがどうしても付いて回る。個人で抑えておくべき問題かもしれないと、抱えるものも年々膨らんでいく。その辺の充実さでもあり、窮屈さでもある日常生活での問題を恋愛模様に繋げてきたのも見事でした。その時々のお互いにとって、側にいて欲しい、いなくてはならない存在へと変わっていく。変えたいと心のどこかで思っている自分を、外側から気づいて受け入れてくれたから、どうにか支え合っていけないかと。2人にとっての始まりの想いが、僅かだけどずっと残っていたからこその、想い出を引っ張り出すようにして、社会人とは思えない純粋に恋愛を楽しむ2人の様子は本当に微笑ましくて…。この点のギャップは一般的な社会人恋愛とは違う新鮮味をもたらしてくれました。

 学生恋愛も好きだけど、社会人恋愛ならではの良さもやっぱりあるから、今後この手の舞台年齢が高い作品(もしくはそこまで描く)増えたらいいなぁと勝手に想います。それに、恋愛のゴールが結婚だけとは勿論思わないけれど、結婚という人生の一大イベントまで描いてくれたらさ、人生を覗かせてもらった身としてはもう安心して感謝の気持ちと共に作品とお別れできるのでね(笑)



★日向千尋の脆さが魅せる美しさ

 お姉さんっぽいのかなぁ、でも仕事が続かないなら違うのかなぁ、とか色々と日向千尋がどんな子か想像しながらプレイし始めた訳ですが、想像以上に魅力的な女の子でした。学生時代から変わったところと、変わってないところ。同級生だった拓人目線で、ちょっとしつこいくらいに彼女の姿を描いてくれたなと。

 1番いいなぁ、好きだなぁと思ったのは、「器用すぎるが故に自信がないところ」です。まず、器用な人って割と自信家な人が多いイメージですが、彼女はそうではなかった。自分では器用だとは思っていないから、当然自信も中々湧いてこない。加えて、気持ちを無下には出来ない、妥協を許さない性格もあって、その器用さが要らぬとこまで働いてしまったり、自身を後回しにしてしまったり。何というか、その点に於いてはとても不器用な女の子だったなと。そんで、その脆さがどうしようもなく愛おしかったです。

 強さであるはずなのに、自身は弱さだと思っている節がある。そう思っても仕方ない結果まで付き纏っている。でも、器用だからそれを見せない様に振る舞うこともできてしまう。奥底の鳥かごに閉じ込められた本心を開け放てる余裕も場所もない。そんな時に訪れた拓人との再会。彼ならばもしかしたら…みたいな想いを千尋は抱えていたかもしれないですね(オタクの妄想)。そして、それを受け入れて支えてくれた時、彼女の脆さは美しい一面を魅せてくれました。あれだけ繊細なのだから心の感度は高く、それだけ美しさを秘めているのも必然。感性はその人固有のものなので、やっぱりそれが前面に出てきた時、"いいな"と思わずにはいられませんでした

 千尋はピロートークで本音を語ってくれたり、甘えを受け入れる余裕ができると彼女も徐々に彼女っぽい行動をしてきたり。男心をくすぐってくる感じも堪らなかったです。あそこまでされたら、拓人が覚悟を決めるのも時間の問題というか、学生時代の気持ちを掘り起こしたくなるのも無理ないなと。そして、身体と時間を重ねていく中で、お互いに掘り起こしたからこそ、その気持ちは当時より一層輝きを増していたなと思います。"実はずっと好きでした"っていう数年越しの恋愛ってやっぱロマンチックよな。

 千尋を演じてくださった葵時緒さんのお声も素晴らしかったです。何と言っても、言葉の隅々まで感情の入れ具合がむちゃくちゃ上手。「うん…」っていう一言だけでも、溢れんばかりの感情表現。息遣いというか、呼吸の盛り込み方なのかな。距離感を大切にしてる感じが良かったです。あとは、振れ幅も大きくて最高でした。怒ったり、笑ったり。声量も、勢いも。これだけ感情表現豊かだと、何気ない会話だけでも楽しめてしまうもの。彼女の出演作品には今後とも注目していこうと決めました(笑)



 プレイ後、居ても立っても居られなくて勢いで書きましたが、感想は以上になります。とりま大満足してる様子を察していただければ幸いです。

 全体的に粗さも殆どなく、システム面も問題なし。テンポよく挟まれるギャグは普通に声出して笑ったし、Hシーンは神アングル多くて文句なしにエロかった。そんで、社会人らしい仕事の様子を盛り込んだ日常は活気とせわしなさがあり、それも相まってメインの恋愛模様もしっかり厚みがあって、ホントに完成度高かったなと思います。購入キッカケだった音楽もどれも最高でしたし。早瀬ゆうさんのシナリオいいなとも想えたので、過去作も近いうちにプレイしたいですね。因みにHOOKSOFTの新作は購入予定。

 シリアス難解ゲーも好きだけど、恋愛物、特に純愛ゲーのイチャイチャしてんのをニチャニチャしながら見るだけでもやっぱ至高だよなぁ。と改めて気づかせてくれた作品でした。幸せのお裾分けに感謝。

 とゆーことで、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。また、改めて制作に関わった皆さん、ありがとうございました。

 ではまた!

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