見出し画像

【Capital DAO Protocol】DAO Workerについて

Capital DAO Protocolの中でも結構ややこしい、DAO Workerについてホワイトペーパーをもとに要約・解説しています(2022/3/21時点)。
Capital DAO Protocolのホワイトペーパーの全体像や、プロジェクトの最近のアップデートについては、下記の記事を参照してください。

※Capital DAO protocol($CDS)は、リスクの高いいわゆる草コインへの投資です。投資はDYOR(do your own research)のうえ、すべて自己責任でお願いします。
※筆者はCapital DAO protocolに投資し応援しているLINEグループの副管理人をしていますが、プロジェクトとは何の関係もない一個人です。


DAO Worker:ダオワーカー

Capital DAOは、多くのKOL(インフルエンサー、エンジニア、事業開発者、デザイナー、マーケターなど)を含む、コミュニティ主導の組織です。
KOLにはプロジェクトに貢献した分の報酬と、IDO割り当てのためのSeedが提供されます。これらのインセンティブは、貢献意欲を増幅させます。
P2P(Peer to Peer:個人-個人間)の通信を可能な限り実現するため、基本的な通信はここに行います。ただし報酬の分配に関しては、不払いや契約不履行の可能性があるため、DAO Workerプラットフォームではスマートコントラクト(自動実行プログラム)が管理するエスクロー(中立的な第三者の仲介)を活用し、安全かつ透明性の高いやり取りを可能にします。


Capital DAO Starter ダッシュボード

Capital DAO starterのプラットフォーム上に、DAO Workerのためのダッシュボードが作られる予定です。
このダッシュボード内で、プロジェクトとDAO workerとして仕事を行いたいユーザーの双方が、情報を検索しマッチングすることができるようになるものと考えられます。以下、ホワイトペーパーの内容を要約しています。

公表されている、ダッシュボードのイメージ。


インフルエンサーを探す

プロジェクトが協力を依頼するため、Capital DAOに登録されているインフルエンサーの情報を検索することができます。

・CPDTステーキングランク
KOLは、仕事の担保として$CPDTをステークすることができます。仕事を受けたものの契約が成立しなかった場合、KOLがステークした$CPDTは没収され、プロジェクト側の補償に充てられます。KOL側の$CPDTステーキングは必須ではありませんが、プロジェクトは$CPDTのステーキング額に応じて仕事を依頼することができるので、$CPDTステーキングは仕事への信頼とも言えます。
・シードランク
Seedは、その個人のコミュニティへの貢献度に応じて付与されるCapital DAO独自の数値です。KOL活動を行うことで蓄積されていくため、数値が高いほど過去の貢献度が高いということがわかります。
・エンゲージメントランク
SNSで発進した情報に対し、どれだけの人が反応しているかを集計したものです。数値が高いほど、より多くのユーザーに届いているインフルエンサーということになります。
・フォロワーランク
SNSでフォローされているアカウントの数です。フォロワーが多ければ多いほど、影響力が高まる可能性があります。
・投稿ランク
SNSへの投稿数で、個人のアクティブさを測る指標です。特定の期間でソートして、アクティブ度を参考にすることができます。
・いいね!数
SNSに投稿したコンテンツがどれだけ評価されているかを集計したものです。数値が高いほど、ユーザーに良い影響を与えていることになります。


エンジニアを探す

プロジェクトが協力を依頼するため、Capital DAOに登録されているエンジニアの情報を検索することができます。集計期間、ソート方法、カテゴリ分類などの設定が可能で、ランキングやエンジニアの詳細が表示されることで、求める人材を検索できます。

・CPDTステーキングランク
前述の内容と同様です。
・シードランク
前述の内容と同様です。
・KOL説明
エンジニアの過去の開発履歴や得意分野などの、エンジニアを募集しているプロジェクトには欠かせない情報が表示されます。
・フォロワーランク
前述の内容と同様です。
・URL
エンジニアのSNSやその他のサービスに関する情報が表示されます。コンタクトを取りたい場合は、ここに記載されている情報を利用してください。


Manage KOL:KOL向けのマイページ

KOL自身が情報を登録・管理するためのページです。登録されたKOLは、各プロジェクトから仕事を受注することができます。

・登録手順
簡単な本人確認のため、メールアドレスを入力します。送られてきたメールに記載されているURLから、必要な情報を入力します。
・KYC(Know Your Customer≒本人認証)を実行する
ログインして、アイコンやバナーの設定(任意)、ウォレットの設定(必須)を行います。Capital DAOの審査が通れば、登録完了です。
・KOLの管理
管理画面では、登録した情報の編集、CPDTのステーキング、受けた仕事のオファーの管理などができます。また、アイコンやバナー、ウォレットアドレスなどの登録も、ここで行います。

〔コンテンツ〕
・ウォレットアドレス

報酬は、ここで登録されたウォレットアドレスに送られます。また、プロジェクトが特定のウォレットアドレスからのみ求人を受け付ける設定(Private Job)を行っている場合、ここに登録されたアドレスが参照されます。
・CPDTステーキング
$CPTDをステーキングすることができます。これは通常の$CPDTステーキング(V4プール)とは異なる契約で、仕事の担保として機能します。
なぜ担保が必要かというと、プロジェクト側から見ると、ユーザーが仕事を引き受けたものの放置したり、品質が極端に低くなったりするリスクがあるからです。そのような場合は、プロジェクト側からの報告をDAOが確認し、ユーザーの仕事に問題があると判断した場合、ステーキングされた$CPDTを罰金として没収し、プロジェクトに渡します。
・ジョブ(仕事)
ジョブ管理画面では、以下の3つのビューを切り替えて表示できます。
①進行中
ジョブが完了したら「完了報告」をクリックし、プロジェクト側に確認メールを送信します。プロジェクト側に問題がある場合、「Fraud(詐欺) Report」を押してDAOに報告することができます。たとえば、仕事が完了したのにプロジェクトとの連絡が取れなくなった場合、DAOは入金された報酬をKOLに渡すことができます。
②ジョブ申請
ここでは、あなたが応募している仕事が表示されます。プロジェクト側で承認された場合、その仕事は自動的に「進行中」ビューに移動します。承認前であれば、申請を取り消すことができます。
③過去の仕事
過去に完了した仕事の履歴を確認することができます。

KOL個人の、いわゆるプロフィールページです。


Jobs:仕事

プロジェクトに登録されている、仕事の情報を検索することができます。左からカテゴリやサブカテゴリから探したい仕事を絞り込み、右側に詳細が表示されます。右側の「Apply(応募する)」をクリックし、応募が完了するとプロジェクトに通知され、承認されると仕事が開始となります。

・募集範囲
Public:一般向けで、誰でもエントリー可能です。
Private:非公開で、特定のウォレットアドレスを持つユーザーのみ応募可能です(プロジェクトが、過去の仕事履歴やSNS情報などからKOLを指定して募集するものと考えられます)。
・報酬
仕事を完了したときに得られる、プロジェクトが用意した報酬です。
このうち10%は手数料として徴収され、$CDSと$CPDTの両方をDAOが買い戻すことで(Buy Buck)、トークン保有者に還元される予定です(ステーキング報酬に回すトークンを確保し続ける目的と考えられます)。

Capital DAOに多くのプロジェクトが登録される日が、待ち遠しいですね。


Manage Projects:プロジェクト向けの管理ページ

プロジェクトが、登録した情報を管理するためにページです。また、求人募集の登録をすることもできます。

・登録手順
メールアドレス入力からKYC審査までの流れは、ユーザー側と大きく変わりないようです。
・プロジェクトの管理
管理画面では、登録情報の編集、CPDTのステーキング、ジョブ管理などを行うことができます。

〔コンテンツ〕
・CPDTステーキング
$CPDTをステーキングすることができます。同時に依頼できるジョブの数は、ステーキングした量によって異なります。$CPDTステーキング3万枚ごとに1回、$CPDTを30万枚以上ステーキングすると無制限にジョブを要りできます。ジョブのリクエスト中は、リクエスト数に応じた$CPDTのステーキングを解除することはできません。
※ステーキングの必要枚数は、それぞれ現時点の予定であり変更される可能性があります。
・ジョブ
ジョブ管理画面では、以下の3つのビューを切り替えて表示することができます。
①進行中
割り当てた仕事が進行中であることを示します。KOLが仕事を完了し申請書を提出すると、「確認」ボタンが表示され、プロジェクト側が確認を承認すると仕事が完了し、KOLに報酬が支払われます。
KOL側に問題がある場合、前述の流れでKOLが$CPDTを預けている場合は没収され、補償としてプロジェクト側に支払われます。
②リクルート
あなたのプロジェクトに、KOLを採用するための依頼を行います。申請前に、編集やキャンセルをすることができます。
KOLから申請を受けると、該当する求人の下に申請したKOLの情報が表示されます。オファーする場合は「Approval(承認)」をクリックし、拒否する場合は「Reject(拒否)」をクリックします。
③過去の求人情報
過去に依頼した仕事の情報を確認することができます。
・リクルート
依頼したい仕事を登録するため、「Recruit(採用)」をクリックします。求めている人材が適切かどうかを判断するために、Job Description(仕事内容)をできるだけ詳しく記載するとよいでしょう。
「Network」は、報酬を割り当てるネットワークを選択するためのものです(チェーンのことでしょうか)。
特定のウォレットアドレスを持っている人にだけ仕事を依頼したい場合は、「Recruit Scope(募集範囲)」タブで「Private(非公開)」にチェックを入れ、ウォレットアドレスを入力してください。

プロジェクト側にも使いやすいユースケースを、イメージできていると思います。
またプロジェクト側も同じプラットフォームを使うことで、透明性が高くなっていると思います。


Seed:シード

Capital DAOに貢献しているユーザーには、その貢献度に応じてSeedというポイントが付与されます。トークンのシードセールとややこしいですが、このSeedが関係するのはIDOのうちPublic SaleのCommunity pool枠ですので、別物と考えてください。
DAO Workerに限らないシステムですが、関係が深いのでこちらの記事で解説します。3種類の異なるSeedが用意されており、内容が異なります。インフルエンサーやエンジニアなどが自分の特技・コミュニティを通じてDAOや特定のプロジェクトに貢献し、その証として報酬とは別にSeedをDAOから付与され、トークンIDOの割り当てに関係しています。
※略語の正式名称は記載なかったため、予想です。

①C-Seed (Community-Seed, Capital DAO-Seed Cumulative-Seed?)
累積的なSEEDで、すべてのIDO割り当てに関係します。
②P-Seed(Project-Seed)
特定のプロジェクトに限定的なSeedで、そのプロジェクトのIDOには影響しますが、他のIDOには影響しません。
③K-Seed (KOL-Seed)
C-Seedと同様に累積的であり、すべてのIDO割り当てに関係します。

それぞれのSeedから計算し、割り当てが計算されます。計算式は、プロジェクトごとに任意です。
例:C-Seed×0.2+P-Seed×0.5+K-Seed×0.3=Seed


まとめと感想

$CDSのセール時には情報がなく、最近のアップデートで明らかとなったDAO Workerについての詳細を、ホワイトペーパーからまとめみました。
まだまだCapital DAOのプロジェクト自体が一般ユーザーの目から見ると始まってもいない段階で、情報が少ないです。しかしながら、特にこのDAO Workerについては非常によく考え込まれた内容だと感じました。
以下、お目汚しで申し訳ありませんが、個人的な感想や推測(あるいは妄想)を述べさせていただきます。


$CPDT、$CDS需要の増加

まずCapital DAOのトークンモデルは、最初に現在唯一販売・上場している$CDSを始まりとして、中心的な役割の$CPDTが存在します。
当初の情報では、$CPDTのステーキングで$CPDP(非上場トークン)を獲得し、DAOの運営がVC利益を使って$CPDPを板取引で買い取ることで、ユーザーが利益を得るという構図でした。
そのほかでは、$CPDTはDAO運営に関する投票権などガバナンストークンとして機能するということもありますが、クリプトにそこまで詳しくない(あるいは専業投資家でない)一般ユーザーにとって、ガバナンスへの参加というものは正直重視しにくい点でもあると思います。

しかし、今回DAO Workerの発表から、$CPDTに大きな需要が生まれる可能性があることがわかりました。

Capital DAOから支援を受けたいプロジェクトは、まず$CPDTを一定数購入してステーキングをする必要があります。IDOをやること自体に$CPDTを要するのかとも思いましたが、それだけではIDO後にプロジェクトから$CPDTが一気に売られる可能性があります。このため、もしかしたらプロジェクト側からの需要はDAO Workerの方がメインかもしれません(プロジェクトからDAOへの直接的な報酬体系については、まだ詳細が不明です)。
プロジェクト側は$CPDTおよび限られた枠を使ってKOLに仕事を依頼するため、リスクがあります。KOL側には$CPDTのステーキングは必須とされていないものの、KOLが$CPDTをステーキングしている場合は仕事をきちんとしなかった場合の補償に使われるため、$CPDTのステーキングをしているKOLに仕事が集まるのは当然です。
このシステムにより$CPDTの継続的な需要が生まれ、価格の安定・向上に寄与します。また$CPDTは上場後に市場で購入することが可能ですが、$CDSのステーキング・ファーミングで主に獲得できます。$CDSにはIDO割り当て獲得など他の用途もあること、またDAO Workerの手数料としてDAOが徴収した報酬は$CDS・$CPDTのBuy Buckに使われることから、$CDSの価格安定・向上にも間接的に寄与しているといえます。
しかし現状ではガス代の観点でERC20トークンであることが非常にネックであり、今後のETHアップデートによるガス代低下や他のチェーンへの展開がないと、長期的にはちょっと厳しい気はします。


次世代のクラウドソージング

既知のごとく世界中にインフルエンサーと言われる人々がいて、専門知識がなく多忙な我々一般ユーザーはその人たちからの情報を有り難く受け取った上で投資をしているのですが、場合によっては彼らは投資自体よりもインフルエンサーとして大きな報酬を獲得し、一般ユーザーは損をするということも多くあるというのが現実です。プロジェクトとインフルエンサーとの間のやり取りについても、全くの不透明です。
このDAO Workerのプラットフォームをイメージすると、誰もがそこにあるスタートアッププロジェクトの情報、そこでKOL向けに募集している求人の内容を確認でき、また登録しているKOLのプロフィールや過去の業績なども確認できますので、非常に透明性、公平性が高いものとなっています。言い換えると、不透明であることを好むプロジェクトやKOLを排除しているともいえます。一般ユーザーにとっては、プロジェクトやKOLへの信頼性を評価する材料にできます。
正直、SNSのフォロワー数などがものを言う世界の一部であることは確かですが、エンジニアやこのように外国語での翻訳・解説などを通じて一個人でも仕事を受注できる可能性がある点においても、画期的かと思います。

またホワイトペーパーの記載からは、プロジェクトについてはクリプト関係に限定しないような感じも受けます。報酬も任意のチェーンを選択できるようですし、仕事の依頼に$CPDTの利用が必要であるものの、たとえば報酬をBTCにするなどして、非クリプトのプロジェクトでもインフルエンサーやエンジニアに仕事を依頼できるようになるのかもしれません。
DAOを目指していることから分散化・非中央集権化であり、透明性・公平性を重視し、$CPDTというクリプトを中心とした経済圏を形成している、まさにクラウドソージング3.0ですね!


疑問点・懸念点と妄想

疑問点・懸念点としては、やはり肝心のCapital DAO自体の進捗が見えにくい点かと思います。別の記事でもまとめていますが、運営の詳細がもともと不明であり、また現時点では英語ベースの情報ですら公式の発表以外には皆無に等しく、プロモーションをほぼやっていないように見えます。
私は素人ですのでこのシステムが完璧かなんて判断できませんが、ここまでの内容で詐欺であれば、もう何を信じたら良いかわかりません。

ポジティブに妄想すると、まずCapital DAO自体は大手VCからの支援であったり、大手VCと契約済みのプロジェクトを排除しているはずなので、中小の信頼できるプロジェクトとの準備を進めているものと考えられます。
普段我々が目にして投資して良くも悪くも「ぎゃー!!」っとなるIDOについては、すでに大手VCや企業がバックにあり、ある程度開発が進んだものが多いので(完全な詐欺を除く)、それらと比べるとCapital DAOは構想と資金調達からちょっと進んだだけで、そもそも表に出す情報自体が少ないものとも考えられます。

またCapital DAO自体が大手に比べると資金力・知名度がなく、支援を進めているプロジェクトも同様かと思いますので、開発がそれほど進んでいない段階で英語のプロモーションを行っていくと、それぞれ資金力の大きな組織にパクられてその後のシェアを取れなくなるリスクがあると想像します。
日本においては、非常に残念ながらクリプトのプロジェクトやトークンの開発・ローンチが不可能ですので、全く問題ありません。運営に日本人が関係している可能性もありますが、そうではない気がしてます(ただのカンです)。中国で少しだけプロモーションしている様子がある理由はよくわかりませんが、非英語圏のクリプト先進国(あくまで民間レベル)の中で初期プロモーション先として選んだ可能性や、運営が中国人である可能性、現在交渉しているプロジェクトが中国発のものである可能性などが考えられます(ただのカンです)。

まずは初期にローンチさせるプロジェクトを着実に成功させ、実績を作った後に本格的に英語圏へのプロモーションを開始する作戦である・・・、と期待しています。

クリプトのプロジェクトにおいては、まずは運営・開発者の意志および運営力・技術力、そして資金が重要であると思いますが、そのいずれも支えているのはコミュニティです。あるいは主な支援者がこれまではVCであったわけですが、これまで記載のとおり、VCからの売りが原因で沈没してしまうプロジェクトもあったというのが課題となっています。
ということは、現時点でCapital DAOのコミュニティはおそらく日本と中国にしか存在しておらず、$CDSを最も購入している日本人がプロジェクトを最も支援しており、今後も支援が期待されているものだと思います。

私も素人レベルの兼業投資家ですので一般層への影響力は0ですが、せめてCapital DAOに投資した日本人コミュニティのお役に立てるよう、今後も新たな情報が出ましたらまとめ・考察をしていきたいと思います。
良ければ、フォローをよろしくお願いいたします。

リンク

過去記事

SNS

Capital DAO公式ツイッター
筆者ツイッター:影響力なし子さんです
Capital DAO応援専用ツイッター:Capital DAO投資家の皆さんは、こちらだけでもフォローお願いします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?