ホウセンカ

ホウセンカが咲く頃に
西瓜売りは現れる
幾つかの西瓜を買って
近くの湧き水に西瓜を放つ
夕暮れが僕を抱きしめる頃
しっかり冷えた西瓜を
母が切り分けてくれる
縁側に座りながら僕達は
優しい甘さの西瓜を頬張る
何もかも知らなかった
遠過ぎる夏の残響
それは胸の向こうで私を
待つ事すらせずに消えて逝く
愚かな私の今を眺めて
楽しそうに嘲笑う他人みたいだ

読んで頂き感謝致します サポートして頂いても書く事しか出来ませんが 宜しくお願いします