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北新地の夜は更けて

 薄明かりのテーブルの上にはデンモクとグラス、取り替えられたばかりの灰皿にシャンパンの空いたものが二本、おつまみの入った籠に、夜の女たちの名刺が幾枚かあった。
「目ぇ覚めたん?」とひとりの女の声が聞こえた。ほんの短いひととき、わたしは眠ってしまっていた様だ。わたしと同い年だという女は、問われることもなく、来月でこの仕事を上がることを語った。
 三時少しまえの北新地のラウンジで、どうしてこうなってしまったかを考えていた。

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