1月6日『文男スポーツ』魚をさばいていた本山雅志選手に大きな期待

個人的に年末年始で最も印象的だったスポーツニュースは本山雅志選手のマレーシア行きである。

1年のブランクを経て移籍先が決まったこと、この1年間に本山選手が貫いた生き様は圧巻である。競技以外の世界に触れた経験。これが本山選手の選手生活、いや人生に大きな物をもたらすだろう。

競技以外に触れる経験。それが選手にとって大切だと確信している。

私自身、大学を卒業してから常に食べていく仕事をしながらプロボクサーを続けてきた。

世界王者クラスにならなければ競技だけの報酬で食べていけないので、他に仕事を持つことが普通だと思っていた。
プロボクサー仲間と「何の仕事しているの?」「職場どこなの?」という内容の会話をしたことが度々あったが、プロなのに仕事や職場が話題になるのも妙なのだが…。
そんな他の仕事をしなければならない現実を若い時は嘆き、例え活躍しなくても競技だけで食べていける給料がもらえる競技を羨んでいた。

しかし、今となっては常に食べるために他の仕事をしてきたから人間の幅が広がったと思う。そして"競技バカ"にならずに済んだと。

恐らく本山選手は2019年シーズンが終わるまで、食べるための給料や練習環境の心配をしたことはなかっただろう。ましてやサッカー以外の仕事をしたことも。

現役復帰する!

その一心で実家の鮮魚店を手伝い、競りに出て魚をさばき、その後に週6日のトレーニング。時には公園で1人ボールを蹴っていたかと。

サッカー選手としてはある意味劣悪な環境でも、最高の形でサッカーと自分を見つめ直せたのではないか。

選手が成長するものに経験がある。競技で得られる経験も大切だが、競技以外で得られた経験をどう競技に落とし込めるか。それが出来たときに選手は大きく成長する。プレイヤーとしてはもちろん、それ以上に人間として。

私は競技以外から勉強することが重要だと確信しているので"競技バカ"を否定し続けている。競技バカは人間の持つ力や可能性を小さくするだけであるから。

魚市場の競りを経験して魚がさばける41歳プロサッカー選手。
本山選手がマレーシアのリーグ戦で見せる姿。それはとてつもなく人間味に溢れて大きいことだろう!

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