マハでキラキラ。
久しぶりに原田マハの本を読んでいる。
「スイート・ホーム」
毎回思うが、原田マハの文体は読みやすい。
絵画にまつわる物語は大好きだけど、絵画系以外も好き。
好きな作者はいろいろいるが、だいたいドロドロしていたり、くどかったり、クセが強かったり、個性って目盛りが振り切っている方が多い。
で、それも大好きなんだけど、原田マハに限ってはキラキラメーターが振り切っている。あくまでもおれ調べだけど。
本を読むのが好きだっていうとどんな作者がおすすめですかとか聞かれることがあるが、そう言うときには原田マハって答えていることが多い。
本当は好きな作者なんて人によるし、ホラーが好きな人もいれば、ミステリーが好きだったり、不条理が好きだったり、ライトノベルが好きだったりするだろうから、一概には言えない。そんなもん自分で決めてよって思う。
それでいうなら京極夏彦読んでほしいし、木下半太も奥田英朗も読んでほしい、久坂部羊だっておすすめしたい。昔の作家でよければ江戸川乱歩も横溝正史も海野十三も沼正三も勧めたい。
あいにく自分の読書趣味に似ている人と出会えたことは無い。
閑話休題。
最近仕事が忙しかったり、ちょっと勉強せなあかんことがあったり、家のこと、子供の裁判のことだったり心の中がザワザワしてザラついて、平常でいられることから逸れてしまっていたのだけれど、昨日書店で久しぶりに原田マハの文庫が新しく出ていたので買ったのだ。
「スイート・ホーム」
宝塚にある小さなケーキ屋にまつわる連作短編集。連作って一つ一つが独立していて読みやすいし、でも連作だから最後に繋がっていくところで連作って好きなのよね。究極の連作はドラゴンクエスト4だと思っているが、奥田英朗も木下半太も然り、連作の達人だと思う。これもおれ調べ。
一つ目の物語を読み終わって、じんわり涙が出そうになった。
自分にとって大切な人、大切な人との出会い、大切な人との時間、大切な人とみる景色、一人から二人になる自分の人生の価値観。
子供がいるとはいえ、自分の大切な人とも出会いたいって思わされた。
今は子供の未来を最優先に考えているけれど、いつかはそうやって自分の時間について考えるときがくる、きてほしいって思った。
別にそれが合コンであろうが、マッチングアプリであろうがキッカケというのはなんでもいい。今のご時世、道端を歩いていてハンカチを落としたのを拾うことから始まる出会いもないだろうし、傘がなくて雨宿りしているところに傘を貸してくれる出会いもない。
ないけれど、なんだか毎日毎日がキラキラできるような生き方をしないといけないなーって思わせてくれる。キラキラした日々の過ごし方ってまったくよくわからないが、純粋で、白くて、素直で、嫌味がなくて、真っ直ぐでいつづけるような、そんな感じ。
そんな過ごし方、今の自分と全く逆だし、決して簡単じゃないけれど、キラキラした本を読んで、少し心が浄化されたような気がした。
原田マハの本はおれの心の浄水場みたいなものかもしれない。
たまに読むことで心をキュッキュッと磨いてくれる。
おやすみ。
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