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『ソフト/クワイエット』 つぶやきまとめ
2023年5月19日公開の『ソフト/クワイエット』に関するつぶやきをまとめて置いておきます。
『ソフト/クワイエット』
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
ブラムハウスということで、ホラーだ胸糞だとラベルを貼って適当に棚に収めてしまいそうになるけど、ソフトでクワイエットな女達の会合がみるみるうちにハードでバイオレントな暴走になっていくこの92分ワンカットは、安易に片付けられることを拒む作品だった。
#2023 #劇場 pic.twitter.com/FHNIopoMKb
確かに恐ろしい話だし、忌々しくて厭な物語なんだけど、さらにワンショットという撮り方がホラー映画の「事態が加速しながら悪化していく」フォーマットにハマり過ぎてて画も異常なんだけど、これはやっぱり、恐怖を楽しむホラー映画ではなくて、恐怖を貫通力に体内に何かを残していく作品だと思う。 pic.twitter.com/AIyT0A94aE
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
暴風のような92分に圧倒されるけど、改めて考えると、やはりこの映画の登場人物「白人優越主義の女たち」は、確かに「モンスター」ではありつつも、逆にホラーの枠組みで考えると「犠牲者」の枠でもあって(彼女たちが環境の犠牲者だという意味ではなく)、事態の中では彼女らの魂も蹂躙されている。 pic.twitter.com/sRYIU5iZvg
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
レイシストに同情的な視点を向けるとは、みたいな誤解をされそうで微妙なラインなんだけど、主人公たちはもちろんレイシストに生まれたわけではなくて、そこには外的要因が普通の人を怪物に変えるという構造がある。そして物語の開始時点では彼らは危うくはありつつもまだ「踏み越えて」はいない。
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
それは、昨日まで表面上何事もなく生きていた隣人が突然、という怖さでもあり、自分の善悪の判断基準自体が知らない間に歪んでいたとしたら、人はちゃんと自分に歯止めをかけられると言い切れるのか、という怖さでもあり、自分が揺らいだ時に隣にいる人間の価値観は果たして、という怖さでもある。 pic.twitter.com/FzBK2jpQcu
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
「ヘイト」が生まれる時、そこには
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
社会不安や経済的不安
恐怖感と偏見
所属欲求
プロパガンダと認知の歪み
集団的先鋭化
といった要素があるとか言われるけど、本作は厭になるほど丁寧にそれを拾っていて、同様にキャラクターにも「隙」がなさすぎて、どうしようもない、という無力感すら覚える。
こんな世界に彼らは生きてるのか、と思うし、自分が生きてるのもこんな世界、とも思う。で、そんな世界で生きてて、何もお金を払ってこんなきついの観なくても、とも思うけど、観るんだったら本当に「ある意味ホラー」とか「胸糞」とか適当にラベルをつけずにその顔に向き合いたい、そんな作品でした。 pic.twitter.com/VUpy6qGOCd
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
あとこの作品、あまりに衝撃的なんでつい「加害者」に目が行きがちなんだけど、ヘイトクライムにおける「被害者」と「加害者」と「それを止めることができたはずの人」っていう構図もあって、その置かれ方がすごく鋭いというか。しかもその一人目がいなければ、これ始まってなかっただろ、っていうね。
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
これも「トリガーを引いたのはむしろそいつ」みたいなことを言いたいわけじゃないんだけど、良識的な見解を持つ第三者が、諌めながら背を向けることが何を招くか、ってことも、この作品の一部だと思うので、やはりなかなか隙がない気がします。
— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2023
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