GO手配料に伴う最近の変化

全国で日々乗務にあたるタクシードライバーの皆様。お疲れ様です。

私が勤務する名古屋交通圏では、3/5よりGO配車手数料を徴収するようになりました。

それに伴い、今回は私が勤務する中で感じた変化や、今後の展望についてお話したいと思います。

1.手配料徴収前の変化

名古屋交通圏では先月頃から、「GOが配車手数料100円を取り始める」という話が現場に届くようになりました。会社によってはメーターなどで面倒くさい機器操作を必要とするようになった所もあるかも知れません。

そして我々乗務員が懸念していたのは、この100円の存在を乗客が周知しているのかという事でした。

GO Payやその他電子決済ではそのまま運賃と共に引き落とされますが、問題は現金の時。「何それ、知らないよ!」などと言われてしまえば、厄介なことになるのは避けられません。

しかし、私は日々乗務していて、「意外と手配料の話は皆知ってるんじゃないか…?」と思い始めました。その理由をお話します。

まず第一に、GO配車そのものが大きく減った事が挙げられます。名古屋でもGOは紛うことなき最大手の配車アプリであり、一日の実車回数の半分はGO配車なんて日も珍しくありませんでした。

それが、手配料の話が出てから大幅に減少したのです。一晩中走り回っても、GO配車の件数は多くても一日五件程度、酷い時には一件も鳴らないなんで日もありました。

そしてその数件に過ぎないGO配車の中でも、GO Pay決済の配車が極端に減りました

恐らく何処のタクシー会社でも、GO配車を取ると車内決済かGO Pay決済のいずれかが読み上げられると思いますが、後者については一日に一件あるか無いかというレベルまで減りました。

更に残りの車内決済の配車でも、クレジットカードでの決済が心做しか増えたように感じられました。乗務員の皆さんは、「だったらアプリと紐付けてGO Payにしといてくれよ」と感じることだろうと思います。

このケースで懸念していたのは、GO Pay決済にしなければ手数料を取られることは無いと、勘違いしている人がいるのではないかという事でした。これはクレジットカード以外の決済方法でも同様です。

車内決済に設定しておけば、手数料は取られないという誤った認識があるのではないか。手配料徴収前、個人的に抱いていた不安です。

2.手配料徴収後の変化

冒頭でお話した通り、名古屋交通圏では3/5より手配料の徴収が始まりました。多くの仲間が不安視していた料金トラブルも、今のところは私の耳に入ってきてはいません。

しかしながら、前項でお話した変化の一つである、GO配車自体の減少はかなり深刻でした。

個人的な話になりますが、私の担当車は古いセダン車両で、配車アプリはGO以外搭載されておりません(会社自体はDiDiも入れてはいますが、搭載車は多くありません)。

流しをやればJpnタクシー目当ての乗客にスルーされる訳なので、私はそれまでの繁華街での流しから、移籍と同時に迎車主体の営業へと切り替えました。

色々とやり方を模索している中での、GO配車の減少は、私自身の営収ダウンに直結する問題でした。そのGOにしてもスライドドア指定をかけられれば、私の車に配車依頼はかかりませんから、まさに死活問題です。

話をマクロに変えます。

GO配車減少の一方で、DiDiやUverといった他の配車アプリの件数が増えたという話もちらほらと入ってきました。

GOの後塵を拝してきた両者ですが、ここにきて手数料がない事が強みとなってきているようです。私も管理者にDiDi搭載車に乗せてくれと交渉していますが、あまり良い返答は得られていません。

3.今後の展望

GO配車は減少、他アプリは増加中の名古屋交通圏ですが、今後配車アプリはどう変わっていくのか。
私の中で、キーワードが2つあります。

まず一つ目は、やはりライドシェアでしょう。名古屋でも4月にいよいよスタートしてしまいますが、これをGO配車がメインとなってやるのであれば、ただでさえ配車そのものが減っている状況下で大爆死(笑)する可能性は十分考えられます。

タクシーが不足している(ことになっている)時間帯であっても、アプリのユーザー離れが今以上に進めば、ライドシェアの出番が増えることはあまりない気がします。

そしてもう一つ、恐らくライドシェアよりも重要であろうなキーワードがあります。それは事前確定運賃です。

名古屋の大手タクシー会社・つばめタクシーが、自社配車アプリである"スマたく"で事前確定運賃のサービスをスタートさせました。東京ではGOが既に同サービスを展開していますが、名古屋交通圏ではこれが初です。

私もつばめタクシーで2年乗務経験がありますが、入社当初のスマたくは正直言ってGOやDiDiには到底及ばない、配車アプリとしては欠陥だらけのものでした。

それがここ1年で大幅にリニューアルし、遂に両者と遜色ないものになったと思っていたら、今度は事前確定運賃まで導入しちゃったよ。

手配料取られない&乗る前に正式な料金が分かる。
これによってスマたくは、完全にGOの上位互換へと進化しました。こうなれば、状況次第ではスマたくが名古屋で覇権をとる可能性も考えなくてはいけません。

そしてスマたくの恐ろしい所は、営業中のすべてのタクシーが呼べる訳ではなく、あくまでもつばめタクシーしか呼べないというところです。つまり、もしGOに愛想を尽かしてスマたくに流れるユーザーがいた場合、それはただのタクシーユーザーではなく、"つばめタクシーのユーザー"へと変貌してしまうということです。

4.まとめ

GO手配料がもたらしている名古屋交通圏での変化をお話させて頂きました。

たかが100円のことですが、私の体感で変化は現に起こっています。GO配車そのものは減っているし、他配車アプリの需要が増えつつある。更にそこにライドシェアが来て事態を引っ掻き回し、いちタクシー会社の配車アプリが最強になりつつある…。

これが、今名古屋のタクシー業界で起こっている事です。勿論杞憂であれば良いのですが、私自身、そろそろ業界から足を洗うべきかと、考え始めるようになりました。タクシードライバーという仕事は好きですし、願わくばずっとやっていたいですけどね。

ここまでお読み頂いた全ての皆様に感謝します。

タクシードライバーの皆様、ご自身の営業区域で起こった変化はありますか?コメント、感想でお寄せ頂けると幸いです。

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