バイアスかかってますよ



知らず知らずのうちに
先入観とか偏見とかってしみついてしまっているよね

そんな話。




私は、高校卒業してアメリカの学校へ進学した。

計画では、夏休み期間はELS(英語集中講座)を受講して
9月から本科を受講しようとしていた。

まずまずELSは予定通りに卒業出来て
9月からの本科の受講もOKが出た。

それでも、すぐに難しいクラスはやめときなさいってことで
理系とか音楽のクラスから始めたらと、アドヴァイザーから言われた。

ということで、当時は心理学を専攻しようとしてたから
必修になっていた、統計のクラスを受講しようと思った。

で、統計のクラスを受講するにはそれ相当の数学基礎があるのか
プレイスメントテストをまずは申込前に、受けてこいってことだった。


でー仲よくしていた先輩に今度数学のテスト受けますよと、
話していたら、気をつけろと言われた。


んんんん?


聞けば、

テストセンターのおっさんに気を付けろってことだった。


えええーなんでそんなこと言うんだろうと、
真意を聞いてみると
あの人、いじわるだからということだった。



テストセンターは数学だけでなく、英語や他の科目でも、
受講したい講座に設定されている、必要な基礎力があるかの
プレイスメントテストや再試などをまとめて受けられる場所だ。

そのセストセンターは、留学生が多くいるESLや留学生サポート事務局、
チューターを手配してくれたり、グラマーcheckを受けられる部署とかと
同じ建物の一画にあって、まだテストを受けたことはなかったが
テストセンターのおっさんが誰かということも知っていた。



何故なら、そのおっさんは車いすのおっさんだったからだ。



テストセンターは建物に1階入り口すぐ近くにあり
車いす利用者用の駐車スペースも入口前だったので
そのおっさんが、出入りしているのはよく見かけた。


えええーあの人いじわるなんだ。
なんでだろう???


別に知らない人ことでも、周りから評判とかね
いじわるなんだよって言われることもあると思う。

でも、あの車いすのおっさんがいじわるだと聞いたとき
なんだかものすごーく、びっくりした。



たぶんそれって、バイアスかかってたんだよね。


車いすとかハンディキャップがある人、病気を抱えてる人とかって
健常者より苦労することも多いだろうから
その苦労している分、いい人っていうか、
お坊さんのように達した人とか、人間出来た人って、
勝手な思い込みしてたんだろうね。

だからいじわるだよって言われたときに
自分の中にある車いすのおっさん像とマッチしなくて
想像以上に衝撃をうけたんだと思う。


でー、いじわるって言っても、
別にこっちからはなんの悪意もないんだし、
そんな大げさなと思いつつ、当日テストを受けた。



でー結局、先輩から言われた通り、本当にいじわるなおっさんだった。
事前に聞いていた分、差し引いても十分いじわるでびっくりした。


なんでそんな初見の人間にいじわるになれるんかとも不思議に思った。
なんのイケズされたか、もう20年以上前のことだから詳細も覚えてないけど
ただただいじわるだったことが頭にこびりついてる。

確かに気を付けろと言われるべき、いじわるっぷりだった。




なんだろう、子供が嫌いとか、
留学生が嫌いとか
アジア人が嫌いとか
世の中を恨んでるとか、
そういう類じゃなく
たぶん、ただただ性根がいじわるだったんだと思う。



とにかく、その後も数回テストセンターでテストを受けたけど
いつだって、見る限り誰にだっていじわるだった。

ただ厳しいだけ?厳格?なのかもしれないけど。
あんまりそんな厳しい事いうアメリカ人って周りにいなかったから
本当に珍しかった。



でもそんないじわるな人だって
もうそれこそ必死な人相手だとそこまでいじわる発動できないようだ。


最後にテストセンターで受験したときだ。
あと、残り1問というところでタイムアップ。
もちろん通常通り容赦なく、回答用紙を回収されるんだけど
その日の私は必至だった。
そして必死すぎて、般若のような形相だったに違いない。

あとちょっとだからと食い下がる私に慄いたのか
いじわるなおっさんは、2分ばかり回答を書き終わるのを待ってくれた。



いじわる VS desperate(デスパレート)は
デスパレートが勝つのだ。



ハンディキャップがあろうとなかろうと
それぞれただの人間ですよ。

良い人もいれば、いじわるな人
優しい人もいれば、厳しい人もいます。



当たり前だけど、なんだか勝手に聖人君子のように
障がい者をみてしまうのも、偏見ですな。

なかなか物事を常にフラットに捉えるって難しい。

経験値がある分だけ思い込みとか
予測変換が勝手に働いちゃって、
ギャップに驚いたり、落胆したり。


でも「先入観」に、何かしらのメリットもあるからこそ
何十万年経過しても人類に、その機能が残っているではなかろうか?


んー分からんけど。



今わかっていること。
それは、




必死な人には誰も勝てない。




死に物狂いって最強だ。







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