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空き家ローンが空き家問題の解決につながる可能性


00.はじめに

全国849万戸もあると言われている空き家問題ですが、京都市では2026年に、「空き家税」が加わるというニュースがありました。

利用されていない空き家や別荘などの有効活用を促そうという動きですが、全国初でもあり、今、話題となっています。

このnoteでお伝えしたい結論を先に述べると、2023年3月25日日経新聞朝刊「空き家検索 融資まで提供」と記事に取り上げていただいた、空き家ローンを開発する金融機関とスタートアップが組んで資金面で解決できる手段を構築するという新しい取組の開始と、その背景について伝えたいと思います。

01.空き家が増えている理由


空き家が増えている理由としては、以下のような理由が挙げられます。
・人口減少社会が加速する中、住宅戸数の世帯数を上回り
・高齢者による介護施設の利用によるもの
・地方を離れ都市部に人が集まっていること
・中古住宅より新築に住みたい需要が高いこと
・更地にすると固定資産税が増えてしまうため(建物が残っていれば6分の1に減税されるが更地にしてしまうと)

02.具体的な課題

PIXTA.JP

A.放置すると汚損や落書き、不法投棄、放火など犯罪被害にあう可能性や建物倒壊などで近隣住宅へ被害を出してしまう可能性があること
B.2015年 空き家対策措置法の施行により、修繕や撤去の指導勧告や命令・強制執行など国や自治体からの強制的な取組による所有者への負担
C.自治体では補助金や空き家バンクなどの方法で売り手と買い手をマッチングの機会を用意するなど動きはあるものの、所有者への周知不足で流通促進力も乏しく、課題解決までには至っていない状況のようです

人口減少だけではなく、地方では自治体が中心となって啓蒙を続けていても、都市部では大型マンションの開発が進んでいる。
措置法や税制、または自治体だけの活動では、抜本的な解決につなげることは難しいと感じています。

03.地域金融機関の動き

実は2015年の 措置法が施行されたあたりから、地方金融機関を中心に「空き家ローン」の開発は進められてきました。
基本的に空き家は、担保の設定ができない物件が多く、通常の住宅ローンで契約することができません。
そこで、個人の与信だけで完結できる審査で、空き家の購入や修繕・解体工事にかかる資金使途についても、無担保ローンのリリースが展開されていました。

しかし、一般消費者にとっては、この銀行ローンが遠い存在であります。例えば、移住のために東京から北海道の物件を購入するのに、この北海道エリアの地方銀行の「空き家ローン」があることに誰も気がつきません。
販売をする所有者も、仲介をする地元業者も、担保価値のない物件には住宅ローンは利用できない。という思考なので、手元の資金がなければ、そこで取引が途絶えてしまいます。

銀行の存在意義の一つである貸出業務が必要な人に届けられていないという課題がしばらく続いていました。

04.これから

クラウドローンは、この融資について銀行ローンが遠い存在(=知られていないことによる弊害)で消費者が損をしている課題を解決したい。というビジョンから、今回は空き家活用株式会社さんとタッグを組み、「空き家活用ローン」の利用を推進することになりました。
移住やセカンドハウスを検討している消費者に、同社の集客力を以て、認知されていなかった融資の仕組みを届けていく仕組みを展開していきます。
資金ニーズは、物件所有者にとっても、売却や使用収益をするための修繕費用にも利用することができます。
通常のリフォームローンでは、この辺りまでスコープしていない商品が殆どでした。

今回の取組が、税制や自治体だけでは解決できない課題を、スタートアップ2社が金融機関とコンソーシアムをさせていただくことで、物件流通に拍車をかけていきたいと思います。



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